葉菜類
はなっこりー
山口県が中国野菜のサイシンとブロッコリーを交配して育てた県オリジナルの野菜。1996年に本格的な栽培と出荷が始まった。花・茎・葉をまるごと食べられ、ゆでるだけで下ごしらえが済む。頂花蕾を早めに摘み取り、そのあと伸びるわき芽を次々と穫っていく。早生・中生・晩生の3品種を組み合わせると、9月から翌年5月まで穫り続けられる。
- 旬
- 冬
- 育てやすさ
- ふつう
- プランター
- 広さが要る
- 登録品種
- 4品種
Brassica rapa × Brassica oleracea ・ 原産 山口県(中国野菜のサイシンとブロッコリーの交配で育成) ・ 出典: ウィキペディア日本語版
はなっこりー / ハナッコリー ・ アブラナ科
栽培カレンダー
タネまき 7〜9月 / 植え付け 8〜10月 / 収穫 9〜12月・1〜5月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり | あり | なし | なし | なし |
| 植え付け | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり | あり | なし | なし |
| 収穫 | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし | なし | あり | あり | あり | あり |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
はなっこりーの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
はなっこりー栽培の前提
- 科・属
- アブラナ科アブラナ属。中国野菜のサイシンを母、ブロッコリーを父として交配した山口県のオリジナル野菜
- 食べるところ
- 花・茎・葉のすべて。下ゆでだけで食べられる
- 育苗
- 3週間。定植の3週間前にまく
- 品種登録
- 1999年8月。山口県のオリジナル野菜として登録された
- 定植
- 早生は8月中旬〜9月中旬。中早生・晩生は10月上旬〜中旬
- 定植時の気温
- 平均気温20℃以上の時期に植える
- 栽植密度
- 畝幅1.6m、株間40cmの二条植え
- 施肥
- 緩効性肥料の70日タイプを22kg/a(窒素成分4.0kg/a)、黒ポリマルチをして全量基肥
- 摘芯までの日数
- 定植から約25日。頂花蕾が伸びはじめる前に摘む
- 収穫開始
- 摘芯の約10日後。定植からは35〜38日
- 収穫期間
- 収穫開始からおよそ40日間で1次側枝と2次側枝を穫る
- 収量の目安
- 10アールあたり200kg以上(はなっこりーE2)
- 産地
- 山口県。県内最大の産地は山口市名田島
品種の選び方
早生の「はなっこりーE2」、中早生の「はなっこりーME」、晩生の「はなっこりーL」の3つがあります。山口県はこの3品種で作型を分け、9月から翌年5月までつないで出荷する形を取っています。E2を8月中旬〜9月中旬に植えて年内の収量を確保し、MEを10月上旬〜中旬に植えて12月から3月を受け持ち、Lを10月中旬に植えて3月以降を穫る、という組み立てです。1品種だけで長く穫ろうとするより、時期で品種を変えるほうが確実になります。家庭菜園で1品種だけ選ぶなら、定植から35日ほどで穫りはじめられるE2が扱いやすくなります。E2は2019年産から産地へ導入され、それまでの「初代はなっこりー」を置き換えました。なお、MEを10月中旬まで遅らせると収穫が主に2月以降になり、3月や4月でLと重なります。長く穫り続けたいときは、MEを早めに植えて12月から2月を受け持たせるほうが作型が分かれます。
育て方の手順
タネをまいて苗を育てる定植の3週間前(7月下旬〜9月中旬)
育苗期間は3週間を目安にします。定植を8月中旬にするなら7月下旬、9月中旬にするなら8月下旬、中早生や晩生で10月に植えるなら9月中旬がまきどきです。早生の作型は真夏の育苗になるので、日中は直射を避けて苗を乾かさないようにします。
- 育苗期間
- 3週間
- まきどき
- 7月下旬〜9月中旬
畑を準備して植え付ける早生は8月中旬〜9月中旬、中早生・晩生は10月上旬〜中旬
畝幅1.6mを取り、株間40cmの二条植えにします。黒いポリエチレンマルチを張り、緩効性肥料の70日タイプを22kg/a(窒素成分で4.0kg/a)、全量を元肥として入れます。追肥をしない前提の施肥です。平均気温が20℃以上ある時期に植えることが条件で、ここを外すと後の収量が戻りません。
- 畝幅
- 1.6m
- 株間
- 40cm
- 条数
- 二条
- 肥料
- 緩効性70日タイプ 22kg/a(窒素4.0kg/a)
- マルチ
- 黒ポリエチレン
水を切らさずに株を大きくする定植から摘芯まで(約25日)
この時期に水が不足すると、そのあとの収量が伸びません。株元と畝間にしっかり水をやり、大きな株を作ります。灌水のできる場所を選んでおくことが前提になります。
頂花蕾を摘む定植から約25日
中心に見えてきた頂花蕾を、伸びはじめる前にできるだけ早く摘み取ります。ここで摘むとわき芽(1次側枝)が一斉に伸び、穫れる量と品質が上がります。遅れるほど1次側枝がそろわなくなります。
- 摘芯の時期
- 定植から約25日。頂花蕾が伸びる前
わき芽を整理する1次側枝を穫りはじめるころ
2次側枝を良い状態で穫るために、1次側枝に付いた芽を間引きます。株の上のほうの節は0〜1芽、下のほうの節は2〜4芽を残して、残りは摘み取ります。残しすぎると細い枝ばかりになります。
- 上位節
- 0〜1芽を残す
- 下位節
- 2〜4芽を残す
穫る摘芯の約10日後から
伸びた側枝を、つけ根から切って穫ります。はなっこりーE2は枝が40cmくらいまで伸びないとほとんど花が開かないので、ゆとりをもって穫れます。収穫開始からおよそ40日のあいだに、1次側枝と2次側枝を順に穫っていきます。
- 収穫開始
- 摘芯の約10日後(定植から35〜38日)
- 穫れる期間
- 収穫開始からおよそ40日
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 株は育ったのに、穫れる量が思ったより少ない | 定植が10月以降にずれ込んだ。気温が下がってからでは株が十分に大きくならない | 8月中旬から9月中旬までに植える。平均気温が20℃以上ある時期を選ぶ |
| 側枝が細く、まとまった量が穫れない | 定植から摘芯までのあいだに水が不足して、株が小さいまま摘芯期に入った | 灌水のできる場所を選び、株元と畝間に十分水をやって大きな株にしてから摘芯する |
| 穫ったあとに花が開いてしまい、選別に手間がかかる | 初代はなっこりーは枝が20cmに満たないうちから咲きはじめる性質がある | 40cmほど伸びるまで咲きにくい「はなっこりーE2」を選ぶ |
| 冬に株が傷んで穫れなくなる | 山間部など冬の気温が特に低いところでは霜の害を受けやすい | 寒い地域では早い作型にして年内に穫り切るか、霜よけを用意する |
主な病気と害虫
はなっこりーの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- 省力栽培が可能な新早生品種「はなっこりーE2」の育成山口県
- 新品種「はなっこりーME」と「はなっこりーL」の品種の特性を活かした栽培方法と作型山口県農林総合技術センター
- はなっこりーJA山口県
- はなっこりーぶちうま!やまぐち.net
- 山口県の「はなっこりー」丸和バイオケミカル
栄養成分
可食部100gあたり / 野菜類/はなっこりー/生
- エネルギー
- 34kcal
- たんぱく質
- -g
- 脂質
- -g
- 炭水化物
- -g
- 食物繊維総量
- 3.1g
- カリウム
- 380mg
- カルシウム
- 51mg
- 鉄
- 0.5mg
- ビタミンK
- 140µg
- 葉酸
- 220µg
- ビタミンC
- 90mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 06392)
はなっこりーの品種
4品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- 産地の標準品種はなっこりーE2はなっこりーいーつー定植からおよそ25日で頂花蕾を摘み、その10日後には穫りはじめられる極早生。1次側枝が一斉に伸びるので、穫りはじめからまとまった量になる。収穫開始からおよそ40日のあいだに1次側枝と2次側枝を穫り、総収量は10アールあたり200kg以上になる。
- はなっこりーMEはなっこりーえむいー年が明けてからの低温期に穫ることを狙って育てられた中早生。山口県の作型では、県の沿岸部で10月上旬に植えて12月から2月を、同じ県内でも内陸に寄った地域で10月中旬に植えて2月から3月を受け持つ。早生のE2が年内で終わったあとを引き継ぐ位置にあたる。
- はなっこりーLはなっこりーえる3月以降に穫ることを目指して育てられた晩生。山口県の作型では中山間部で使い、10月中旬の定植でよい。緩効性肥料の50日タイプを窒素量で10アールあたり30kg、全量を元肥に入れる方式で、4月までまとまった量が穫れる。
- 初代はなっこりーしょだいはなっこりー中国野菜のサイシンを母、ブロッコリーの「女王」を父として交配して生まれた最初のはなっこりー。1995年に種子ができ、1996年に本格的な栽培と出荷が始まった。山口県のオリジナル野菜として広まった原型にあたる。