根菜類
ワサビ
冷たい水と日陰がいる。育て方で二通りに分かれ、渓流の湧水で育てて根茎を穫るのが沢わさび(水わさび)、林の中の畑で育てて葉柄や花茎を穫るのが畑わさびになる。畑わさびは根茎が太らないので、わさび漬けなどの加工に回る。栽培は約400年前の慶長年間に静岡の有東木で始まったとされ、1892年ごろに開発された畳石式が生産量を大きく伸ばした。
- 旬
- 春
- 育てやすさ
- むずかしい
- プランター
- 広さが要る
- 生育適温
- 3〜25℃
- 登録品種
- 2品種
Eutrema japonicum ・ 原産 日本 ・ 出典: ウィキペディア日本語版
わさび / 山葵・本わさび・沢わさび・水わさび・畑わさび ・ アブラナ科
栽培カレンダー
タネまき 5〜7月 / 植え付け 9〜11月 / 収穫 12月・1〜6月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期ではありません | 3月はタネまきの時期ではありません | 4月はタネまきの時期ではありません | 5月はタネまきの時期です | 6月はタネまきの時期です | 7月はタネまきの時期です | 8月はタネまきの時期ではありません | 9月はタネまきの時期ではありません | 10月はタネまきの時期ではありません | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期ではありません | 4月は植え付けの時期ではありません | 5月は植え付けの時期ではありません | 6月は植え付けの時期ではありません | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期です | 10月は植え付けの時期です | 11月は植え付けの時期です | 12月は植え付けの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期です | 2月は収穫の時期です | 3月は収穫の時期です | 4月は収穫の時期です | 5月は収穫の時期です | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期です |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
ワサビの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
ワサビ栽培の前提
- 科・属
- アブラナ科ワサビ属
- 生育適温
- 夏は平均25℃以下、冬は3℃以上を保つ
- 育て方の2通り
- 沢わさび(湧水で根茎を穫る)と畑わさび(畑で葉柄や花茎を穫る)
- 遮光
- 定植前〜10月末は50%、夏は70〜80%
- 定植
- 促成は10月下旬〜11月上旬、超促成は9月下旬〜10月中旬
- 株間
- 25〜30cm
- 畝幅
- 2条植えで120cm、3条植えで150cm
- 収穫(新葉)
- 12月中旬〜3月中旬。直径10〜13cmで穫る
- 収穫(花茎)
- 1月中旬〜3月中旬
- 収穫(葉柄・根茎)
- 4月下旬〜6月中旬
- 栽培期間
- 畑わさびは播種から収穫まで約22か月。超促成で約1年
品種の選び方
根茎を生で食べるなら沢わさび向きの品種、葉柄を加工に回すなら畑わさび向きの系統を選びます。静岡の水わさび産地では、すりおろし品質が高く評価される真妻が広く作られていますが、栽培期間が18〜24か月と長く適地が限られます。静岡県が育成した伊づまは種子で殖やせる品種で、主根茎の肥大に優れ生育も早く、苗不足を解消するために作られました。産地の組合ごとに奨励する系統が違い、天城湯ヶ島では研究部3号・真妻・山崎4号が挙げられています。
育て方の手順
育て方を決めるはじめに
沢わさびは渓流の湧水を引いたわさび田で育て、太った根茎を生食用に穫ります。畑わさびは林の中の畑やハウスで育て、根茎が太らないぶん葉柄と花茎を穫って加工に回します。家庭で作るなら、水を引く必要のない畑わさびのほうが現実的になります。どちらも冷たさと日陰が要るので、暑くて日の強い場所では育ちません。
育苗播種は春から秋。花茎まで穫るなら6月上旬
種は休眠するので、低温に当ててからまきます。病害虫の心配がない培土を使い、目合い1mmの防虫ネットで囲います。夏に育苗するときは直射日光を避け、湧水などで冷やします。葉柄だけを穫るなら播種期の幅は広いですが、2月ごろに花茎を穫るには6月上旬にまく必要があります。7月以降にまくと年内に花芽ができず、花茎はほとんど穫れません。
- 種の処理
- 休眠するので低温に当ててからまく
- 防虫ネット
- 目合い1mm
- 花茎を穫る播種期
- 6月上旬
- 育苗期間
- 従来は約1年。底面給水掛け流し法なら約4か月
土づくりと定植促成は10月下旬〜11月上旬、超促成は9月下旬〜10月中旬
堆肥と石灰資材を入れて耕し、畝を立てます。株間25〜30cm、2条植えなら畝幅120cm、3条植えなら150cm。ハウスに定植すると厳寒期でも生育が進み、収穫が早まります。
- 堆肥
- 10アールあたり2,000kg
- 石灰資材
- 10アールあたり100kg程度
- 元肥
- 窒素・リン酸・カリを各15kg程度/10アール
- 株間
- 25〜30cm
遮光と水やり定植から収穫まで
強い日差しに当てません。定植前から10月末までは50%程度、夏は70〜80%まで遮光を強めます。株元を乾かさないよう、ていねいに水をやります。沢わさびでは湧水を流し続けますが、水温が上がって水中の酸素が減ると軟腐病が出ます。
- 遮光(定植前〜10月末)
- 50%程度
- 遮光(夏)
- 70〜80%
追肥12月と3月
生育の途中で2回に分けて窒素を足します。畑わさびは葉柄を伸ばすことが収穫量に直結するので、この2回を切らさないようにします。
- 追肥(窒素)
- 12月と3月に各5〜10kg/10アール
収穫部位ごとに時期が違う
新葉は12月中旬から3月中旬、直径10〜13cmになったものを穫ります。花茎は1月中旬から3月中旬。葉柄と根茎は4月下旬から6月中旬です。葉柄を食べるつもりなら、花を咲かせると葉柄が硬くなるので花は早めに切ります。沢わさびの根茎は定植から9か月を過ぎたころから太りはじめます。
- 新葉
- 12月中旬〜3月中旬。直径10〜13cm
- 花茎
- 1月中旬〜3月中旬
- 葉柄・根茎
- 4月下旬〜6月中旬
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 夏に株が傷んで枯れる | 気温が高すぎる。夏の平均気温が25℃を超える場所は向かない | 遮光を70〜80%まで強め、株元を乾かさない。標高の低い温暖地では育てにくい |
| 根茎が太らない | 畑わさびは根茎が太らない育て方にあたる | 根茎を穫りたいなら湧水を引いた沢わさびにする。畑わさびは葉柄と花茎を穫るもの |
| 葉柄が硬くて加工に向かない | 花を咲かせた | 葉柄を穫るなら花茎は早めに切り取る |
| 花茎がほとんど穫れない | 播種が遅れて年内に花芽ができなかった | 花茎を穫るなら6月上旬にまく。7月以降のまきでは間に合わない |
| 水を流しているのに株が腐る | 水温が上がり、水中の酸素が減っている | 湧水を絶やさず流量を保つ。停滞した水をためない |
| 種をまいても芽が出ない | 種が休眠している | 低温に当ててからまく |
主な病気と害虫
ワサビの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- 畑ワサビの作業体系(ハウス栽培)みんなの農業広場 農作業便利帖
- 畑ワサビの超促成栽培法の開発みんなの農業広場 注目の農業技術
- ワサビの総合的作物管理(ICM)マニュアル島根県農業技術センター
- 静岡水わさびの伝統栽培農林水産省
栄養成分
可食部100gあたり / 野菜類/わさび/根茎/生
- エネルギー
- 89kcal
- たんぱく質
- -g
- 脂質
- -g
- 炭水化物
- -g
- 食物繊維総量
- 4.4g
- カリウム
- 500mg
- カルシウム
- 100mg
- 鉄
- 0.8mg
- ビタミンK
- 49µg
- 葉酸
- 50µg
- ビタミンC
- 75mg
- 食塩相当量
- 0.1g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 06322)