ほかの品種と何が違うのか
三大品種のどれにも似ていない型だと、遺伝子の鑑定で指摘された。
この品種の要点
- 産地
- 東京都 / 三鷹市
この品種が生まれた理由
伝承では、200年ほど前の文政年間(1818〜1830年)に、伊勢出身の箕輪政右衛門が始めたワサビ田とされる。当時の江戸では出たばかりの握りずしが流行してワサビの需要が高まっており、大沢の豊かな湧き水に目をつけて、故郷に近い五十鈴川に生えていたワサビを移すことを思いついたという。周りの市街化が進んで湧き水が減り、昭和の後期には作られなくなった。放っておかれたワサビ田は、三鷹市が箕輪家から古民家の寄贈を受けて整備を始めたことで再び見つかった。復活の過程で遺伝子の鑑定を依頼したところ、「だるま系」などの三大品種のいずれにも似ていない非常に珍しい型だと指摘された。ワサビ田は道路や住宅の開発で約800㎡を残すのみとなり、三鷹市が管理しながら、ボランティアの協力を得て保全を続けている。
味と食感
根茎は小さいが、神田や築地の市場で味がよいと評判を取った。
三鷹大沢わさびを育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどワサビに共通する基本はワサビのページを参照してください。
- 湧き水で育てるワサビ田にあたる。沢水とは水の出かたが違う。
- 市街化で湧き水が減ったことが、作られなくなった直接の原因だった。水量を先に確かめる。
収穫適期の見分け方
- 主産地のものより根茎が小さい。大きさで判断しない。
- ワサビ田の水の量と温度で育ちが変わる。
保存と食べ方
湿らせた紙で包み、冷蔵する。小ぶりなので乾きが早い。
よくある失敗
- 残っているワサビ田は約800㎡だけで、三鷹市が管理している。勝手に採らない。
- 湧き水が前提になる。水が止まれば作れない。
栽培カレンダー
ワサビの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | なし | なし | なし | なし | あり | あり | あり | なし | なし | なし | なし | なし |
| 植え付け | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり | あり | なし |
| 収穫 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし | なし | なし | なし | あり |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
このページの出典
- 三鷹大沢わさび 江戸東京野菜についてJA東京中央会
ワサビのほかの品種
3品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- 奥多摩ワサビおくたまわさび東京都多摩川の清流と涼しい気候に恵まれた奥多摩で、江戸のころから作られてきたワサビ。文政6年(1823年)の資料に、この地の名産として江戸神田へ多く出していたと記されている。
- 真妻まづま静岡県すりおろした品質を高く評価される沢わさびの品種。栽培期間が18〜24か月と他の品種より長く、育つ場所も限られる。それでも静岡の産地で広く作られてきた。和歌山県から入った系統から、伊豆の環境に合うものを選び育てたものにあたる。
- 伊づまいづま静岡県静岡県が育成した、種子で殖やせるワサビ。主根茎の肥大に優れ、生育も早い。ワサビは分根で殖やすのが普通で苗が不足しがちだったが、種で採れることで定植苗をそろえて作れるようになった。