葉菜類
コマツナ
江戸期から東京・小松川周辺で作られてきた菜。生育が早く、種まきから30〜40日で穫れるため家庭菜園の入門に向く。
- 通年
- 旬
- やさしい
- 育てやすさ
- 向く
- プランター
- 10〜24℃
- 生育適温
- 8品種
- 登録品種
Brassica rapa var. perviridis ・ 原産 日本
こまつな / 小松菜・冬菜 ・ アブラナ科
栽培カレンダー
タネまき 2〜5月・9〜11月 / 植え付け — / 収穫 4〜6月・10〜12月・1〜3月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期です | 3月はタネまきの時期です | 4月はタネまきの時期です | 5月はタネまきの時期です | 6月はタネまきの時期ではありません | 7月はタネまきの時期ではありません | 8月はタネまきの時期ではありません | 9月はタネまきの時期です | 10月はタネまきの時期です | 11月はタネまきの時期です | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期です | 2月は収穫の時期です | 3月は収穫の時期です | 4月は収穫の時期です | 5月は収穫の時期です | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期です | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期です |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
地域別の作型
上のカレンダーは一般地を想定した目安です。 暖地と寒冷地では作業の時期が1〜2か月ずれます。
寒冷地東北・北海道・高冷地
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 露地栽培 |
一般地関東〜近畿の平野部
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 露地栽培 |
暖地九州・四国・南関東の平野部
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 露地栽培 |
品種によってさらに前後します。正確な時期は種袋の作型図をご確認ください。
出典: 栽培暦(失敗しない栽培レッスン)(サカタのタネ 園芸通信)
コマツナの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
コマツナ栽培の前提
- 好む気候
- 比較的冷涼。ただし5〜35℃で育ち、0℃前後でも枯れない
- 発芽適温
- 20〜25℃。5〜35℃で発芽するが、低温だと日数が2〜3倍かかる
- 生育適温
- 15〜25℃。暑さ寒さの両方に強く、覆いをすれば1年中作れる
- 発芽までの日数
- 適温なら2〜4日
- 種まきから収穫まで
- 高温期20〜25日、春まき30〜40日、低温期は70日以上
- 収穫適期の草丈
- 20〜30cm
- 収穫適期の幅
- 高温期は2〜3日、低温期は10日以上
- まき方
- 直まき。深さ1cmの溝にすじまき
- 分類
- アブラナ科。結球しない葉菜「ツケナ」の仲間
品種の選び方
コマツナには葉の長い長葉系と丸い丸葉系がありますが、暑さ寒さの両方に強い丸葉系が扱いやすいです。近年は同じ系統の野菜と掛け合わせて、暑さに強いものや食味のよいものが育成されています。名前は東京の小松川あたりで作られていたことに由来し、地域ごとに葉形や味の違う在来のものが残っているので、地元のものを作る楽しみもあります。なお、萎黄病は薬剤で防除できないため、耐病性のある品種を選んでください。コマツナは日長にほとんど関係なく、発芽直後から13℃以下の低温に一定期間当たるだけで花芽ができます。晩秋から冬にまくなら、トウ立ちの遅い品種を選ぶことが効いてきます。
育て方の手順
土づくり種まきの2週間以上前
苦土石灰とよく腐熟した堆肥を全面にまいて耕します。土質はあまり選びませんが、有機物を十分に入れておくと葉の質が上がります。コマツナのような軟弱野菜はとりわけ土づくりが効きます。極端な粘土質でなければどんな土でも作れますが、生育期間が短いぶん、一斉に発芽させて生育をそろえることが要るので、面を平らにならしておいてください。
- 苦土石灰
- 1㎡あたり約100g
- 堆肥
- 1㎡あたり約2〜3kg(よく腐熟したもの)
元肥を入れて畝を作る種まきの1週間前
化成肥料を施してもう一度耕し、畝を立てます。生育期間が短い野菜なので、元肥で足りるよう入れておきます。前作の肥料が残っている畑では、その分を差し引いて減らしてください。畝を立てる前に、土の中の害虫を減らしておくと後が楽です。夏なら畑に水をまいて透明ビニールで覆う太陽熱消毒が使えます。
- 化成肥料(N-P-K = 8-8-8)
- 1㎡あたり約150g
- 成分量で見る場合
- 10㎡あたりチッソ150〜200g、リン酸とカリは各100〜150g
種まき
深さ1cmほどの溝を作り、1cm間隔ですじまきします。ばらまきより条まきのほうが、あとの間引きが楽です。5mmほど覆土して板などでよく押さえ、土の水分が逃げないようにしてから水をやります。水やりで種が浮いたり流れたりしないよう気をつけてください。まいたらすぐ防虫ネットや不織布をかけます。晩秋から春は保温して一斉に発芽させ、夏は遮光・遮熱の資材で高温と乾燥を防ぎます。ネットは通気性と透水性があるので、上から水をやれます。一度張れば収穫までほぼ張りっぱなしで構いません。一度にたくさんまかず、必要な量だけ日をずらして数回に分けてまくと、長く穫り続けられます。
- まき溝の深さ
- 約1cm
- 種の間隔
- 約1cm
- 覆土
- 約5mm
プランターの場合 — 5〜8月にまくときは寒冷紗をかけます。冬はビニールトンネルで防寒すると作れます。トンネルの支柱は1mほどの間隔で立てます。
1回目の間引き子葉が開いた頃〜本葉1〜2枚
厚くまいた部分を間引いて株間3〜4cmにします。残すのは子葉がきれいなハート形の株で、大きすぎるものと小さいものを先に抜きます。抜くと残す株の根が浮いて後の生育が落ちるので、はさみで株元を切るほうが確実です。コマツナは光を好むので、葉と葉が触れ合ったら間引きどきです。遅れないようにしてください。
- 株間
- 3〜4cm
最終間引きと追肥本葉2〜4枚(種まきから15日ほど)
株間4〜6cmにします。この時期の育ち具合で栽培の8割が決まります。収穫までに出る葉(本葉8〜9枚目まで)が、この頃までに成長点で作られ終わっているからです。ここで間引きが遅れると光が足りなくなり、ひょろひょろに伸びてしまいます。株間を広くとるほど大株になり、品質も上がります。肥料は元肥だけで足りるのが基本ですが、足りない様子なら液肥を追肥します。水やりは本葉3〜4枚(草丈10cmほど)までにとどめ、生育の後半は乾かし気味に保ちます。湿らせすぎると徒長し、病気も出ます。
- 株間
- 4〜6cm
- 化成肥料(8-8-8)
- 1㎡あたり約25g
収穫高温期は種まきから20〜25日、春まきは30〜40日、低温期は70日以上
草丈20〜30cmが適期です。株元を握って根ごと引き抜き、根の際を包丁かはさみで切ります。30cmを超えると繊維が固くなって味が落ちるので、穫り遅れないでください。穫り頃の幅は高温期で2〜3日しかなく、低温期なら10日以上あります。夏場はこまめに畑を見てください。間引いた株のように小さくても食べられるので、家庭菜園では大きさにこだわらず使ってください。1〜2度霜に当たったものは甘みがのります。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 間引き後に生育が落ちる | 抜いたときに残す株の根が浮いた | はさみで株元を切って間引く |
| ひょろひょろに伸びて倒れる(軟弱徒長) | 本葉2〜3枚までの間引きが遅れて光が足りなくなった。または水のやりすぎ | 葉と葉が触れ合ったら間引く。水やりは本葉3〜4枚までにとどめ、後半は乾かし気味にする |
| 早くにトウ立ちする | 発芽直後から13℃以下の低温に一定期間当たった | 晩秋からの栽培では、本葉4枚くらいまで被覆資材で5℃以上を保つ |
| 株が黄変して枯れる(萎黄病) | 土壌病害。葉脈が網目状に黄色くなり、根の中心が褐色になって枯れる。26〜30℃の高温で多発する | 薬剤では治せない。耐病性品種を選び、発生した畑では連作を避ける |
| 葉に穴が空く | 夏場のヨトウムシ、アオムシ、コナガ | 寒冷紗や不織布で覆う。薬剤は生育期間が短いので本葉2〜3枚までに予防的に |
| 葉に白い斑点やくぼんだ病斑が出る | 白さび病や炭そ病。春と秋に出る | 雨除け栽培にするとかなり防げる |
主な病気と害虫
- 病気萎黄病土壌病害。治せないので抜いて処分し、連作を避ける
- 病気白さび病春と秋に出る。雨除けが効く
- 病気炭そ病同じく春と秋。雨の跳ね上がりで広がる
- 害虫ヨトウムシ夏に増える
- 害虫アオムシ寒冷紗や不織布で覆うと防げる
- 害虫コナガ薬剤が効きにくくなりやすい
このページの出典(複数の情報源を突き合わせています)
- コマツナ栽培マニュアル(タキイ種苗)
- コマツナの育て方・栽培方法(失敗しない栽培レッスン)(サカタのタネ 園芸通信)
栄養成分
可食部100gあたり / 野菜類/こまつな/葉/生
- エネルギー
- 13kcal
- たんぱく質
- 1.3g
- 脂質
- 0.1g
- 炭水化物
- 0.3g
- 食物繊維総量
- 1.9g
- カリウム
- 500mg
- カルシウム
- 170mg
- 鉄
- 2.8mg
- ビタミンK
- 210µg
- 葉酸
- 110µg
- ビタミンC
- 39mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロを表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 06086)
コマツナの品種
8品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- 大和まなやまとまな奈良県大和野菜奈良県で古くから作られてきたツケナ。葉に切れ込みが入り、株元がふくらむ。やわらかく甘みがあり、油との相性がよい。『古事記』に登場する菜の子孫とも言われる。
- 後関晩生小松菜ごせきばんせいこまつな在来系の小松菜。葉が濃緑で、寒さに当たると甘みが増す。
- 夏楽天なつらくてん高温期でも作りやすい夏まき向きの系統。
- 女池菜めいけな新潟県雪の下で冬を越し、春先にとう立ちしたところを穫るとう菜。寒さで糖を蓄えるため、独特の甘みとぬめりが出る。
- 潮江菜うしおえな高知県高知市潮江地区の在来菜。土寄せして軟白させた茎を食べる。かつて一度途絶えかけ、保存された種から復活した。
- 水前寺菜すいぜんじな熊本県葉の裏が紫色になる葉菜。ゆでるとぬめりが出る。金沢では金時草、沖縄ではハンダマと呼ばれ、同じものが各地で名を変えて残っている。
- しろ菜しろな大阪府なにわの伝統野菜白い葉柄が特徴のツケナ。やわらかく、煮浸しに向く。
- かき菜かきな栃木県春先にとう立ちした若い茎葉を手で掻き取って収穫する。甘みがある。