根菜類
カブ
小カブから聖護院のような大カブまで幅がある。日本で最も地方在来種が多く残る野菜のひとつで、各地に独特の赤カブがある。
- 通年
- 旬
- やさしい
- 育てやすさ
- 向く
- プランター
- 10〜22℃
- 生育適温
- 14品種
- 登録品種
Brassica rapa var. rapa ・ 原産 中央アジア〜地中海沿岸
かぶ / 蕪・菘 ・ アブラナ科
栽培カレンダー
タネまき 3〜4月・9〜10月 / 植え付け — / 収穫 5〜6月・11〜12月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期ではありません | 3月はタネまきの時期です | 4月はタネまきの時期です | 5月はタネまきの時期ではありません | 6月はタネまきの時期ではありません | 7月はタネまきの時期ではありません | 8月はタネまきの時期ではありません | 9月はタネまきの時期です | 10月はタネまきの時期です | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期です | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期です |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
地域別の作型
上のカレンダーは一般地を想定した目安です。 暖地と寒冷地では作業の時期が1〜2か月ずれます。
寒冷地東北・北海道・高冷地
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 春まき | ||||||||||||
| 夏まき |
一般地関東〜近畿の平野部
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 春まき | ||||||||||||
| 秋まき |
暖地九州・四国・南関東の平野部
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 春まき | ||||||||||||
| 秋まき |
品種によってさらに前後します。正確な時期は種袋の作型図をご確認ください。
出典: 栽培暦(失敗しない栽培レッスン)(サカタのタネ 園芸通信)
カブの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
カブ栽培の前提
- 発芽適温
- 20〜25℃。4〜8℃でも発芽するが、30℃以上では著しく悪くなる
- 生育適温
- 15〜20℃。25℃以上では根が太らず病気も増える。マイナス3℃までは耐える
- 土
- 保水性と排水性の両方。水はけが悪ければ高畝にする
- 発芽までの日数
- 2〜3日。5日ほどで子葉が開く
- 根が太り始める時期
- 本葉6枚以降
- 最終株間
- 小カブ10〜12cm、中カブ15〜20cm、大カブ30〜40cm
- 連作
- 嫌う。土壌病害やホウ素欠乏症が増える
- まき方
- 直まき。深さ1〜1.5cmの溝にすじまき
品種の選び方
日本のカブにはヨーロッパ型(洋種)とアジア型(和種)、その中間型があります。根の大きさで小カブ・中カブ・大カブに分かれ、関東の金町小かぶ、京都の聖護院かぶ、天王寺カブや近江カブなど、地方色の濃い品種が各地に残っています。形も球形・偏球・長形とあり、根の色は白のほか淡緑、紫紅、紅もあります。トウ立ちのしやすさは大きさで傾向が分かれ、聖護院のような大カブ種は早く、金町小蕪のような小カブ種は遅めです。春まきをするなら小カブ系のほうが無難です。根こぶ病が出やすい畑では、品種名に「CR」が付いた抵抗性品種を選んでください。大きさによって最終株間が10cmから40cmまで変わるので、品種を決めてから畝を設計してください。
育て方の手順
土づくり種まきの2週間以上前
苦土石灰とよく腐熟した堆肥を全面にまいて耕します。堆肥はまく1か月前までに入れておくと確実です。未熟な堆肥は根の形を乱すので使いません。有機質に富んだ畑で作ると、肌のきれいな、肉質のやわらかいカブになります。連作すると根こぶ病が出やすいので、他の作物と輪作しながら、完熟堆肥や緑肥で土を作っていってください。
- 苦土石灰
- 1㎡あたり約100g
- 堆肥
- 1㎡あたり約2kg(よく腐熟したもの。1か月前までに)
元肥を入れて畝を作る種まきの1週間前
化成肥料を施して再度耕し、畝を立てます。土となじませる時間が要るので、遅くとも1週間前には済ませてください。水はけが悪い畑では高畝にします。小〜中カブは栽培期間が短いので全量を元肥にすることが多く、大カブは元肥3分の2・追肥3分の1にして3回ほどに分けます。
- 化成肥料(N-P-K = 8-8-8)
- 1㎡あたり100〜150g
- 1作の施肥量(小〜中カブ)
- 10㎡あたりチッソ150〜180g・リン酸150〜200g・カリ110〜150g
- 1作の施肥量(大カブ)
- 10㎡あたりチッソ・リン酸・カリとも300g
種まき
土が適度に湿っている状態でまきます。深さ1〜1.5cmのまき溝を作ってすじまきか点まきし、1cmほど覆土して軽く押さえ、しっかり水をやります。重い土なら覆土は薄めにしてください。溝の深さと覆土の厚さをそろえることが、一斉に発芽させるこつです。軽い土なら板などで鎮圧して水分が逃げないようにします。土の水分が足りないと発芽が遅れたりむらが出るので、こまめに水をやってください。まいた直後から防虫ネットや寒冷紗をトンネル全体にかけると、害虫をまとめて防げます。
- まき溝の深さ
- 1〜1.5cm
- 覆土
- 約1cm(重い土では薄めに)
プランターの場合 — 夏は寒冷紗をかけて直射日光と乾燥を防ぎます。冬はビニールトンネルで防寒できます。大カブは6cmポットで本葉4〜5枚まで育ててから植えることもできます。
間引き(3回)子葉のとき、本葉1〜2枚、本葉3〜4枚
葉が重ならない程度に間引きます。病害虫にやられているもの、極端に生育が早いものと遅いものを抜いてください。残す株の根を傷めないのが要点です。生育の後半に根が一気に太るので、株間はやや広めを早めに確保します。間引きが遅れると葉ばかり育って根の太りが遅れ、量も質も落ちます。最終株間は小カブ10〜12cm、中カブ15〜20cm、大カブ30〜40cmです。抜いた葉はやわらかくおいしいので、汁の実やおひたしに使えます。
追肥と中耕種まきから15日ごろ、最終間引きのとき、種まきから40〜45日ごろ
1回目は畝の中央に施し、除草を兼ねて中耕して浅い溝をつけます。生育の遅れている場所や葉色の淡いところは多めにして、そろえていきます。2回目は最終間引きのときに畝の両肩の上部へ施し、中耕して土を寄せます。3回目は畝の両肩の下部です。この頃には葉が茂っているので、折らないよう気をつけてください。土を寄せると根がきれいに仕上がります。小カブは元肥だけで作れるので、追肥は中カブと大カブで行います。
- 化成肥料
- 1㎡あたり約20g
- 成分量で見る場合
- 1回につき10㎡あたりチッソ成分で30g
収穫小カブは直径5cm以上、中カブは8cm以上。大カブは種まきから70〜80日
品種ごとの大きさになったものから順に抜きます。畑が乾きすぎると根が割れるので、乾きそうなときは水をやってください。大カブは生育期間が長いぶん肉質が緻密で、すも入りにくくなります。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 根が割れる(裂根) | 生育の初期に水や肥料が足りず表皮が老化したところへ、後半の雨で急に太った。収穫が遅れても増える | 生育の前半は乾かさず肥料も切らさない。後半は畑の水はけをよくして、土が過湿にならないようにする。穫り遅れない |
| 根が太らない | 間引きが遅れて葉ばかり育った。または25℃以上の高温にあたった | 間引きを遅らせず、株間を早めに広く確保する。夏の高温期を外してまく |
| 春まきでトウ立ちする | 2〜13℃で花芽ができ、5〜7℃前後が最も効く。13〜18℃になると茎が伸びる。大きく育った株ほど感応しやすい | 春の早まきを避け、小カブ系の品種を選ぶ。トンネルで日中の温度を上げると、夜の低温を打ち消せる。9℃の低温でも、日中24〜30℃を4時間与えれば効果の半分、8時間なら4分の3が消える |
| 根がこぶ状になる(根こぶ病) | アブラナ科の連作。菌は土の中で5〜10年も生き残る | 治せないので抜いて廃棄する。他の作物と輪作する。まく前に薬剤を土に混ぜるか、品種名にCRの付いた抵抗性品種を使う |
| 生育が悪く葉が変形する | 連作によるホウ素欠乏症 | 連作を避ける |
主な病気と害虫
- 病気根こぶ病治せない。抜いて廃棄し、連作を避ける
- 病気べと病多湿で出る
- 害虫アブラムシ見つけ次第防除する
- 害虫コナガ葉を食害する
- 害虫ヨトウムシ夜に食害する
- 害虫カブラハバチ黒い幼虫が葉を食べる
このページの出典(複数の情報源を突き合わせています)
- カブの育て方・栽培方法(失敗しない栽培レッスン)(サカタのタネ 園芸通信)
- カブ栽培マニュアル(タキイ種苗)
栄養成分
可食部100gあたり / 野菜類/かぶ/根/皮つき/生
- エネルギー
- 18kcal
- たんぱく質
- 0.6g
- 脂質
- (0)g
- 炭水化物
- 3.0g
- 食物繊維総量
- 1.5g
- カリウム
- 280mg
- カルシウム
- 24mg
- 鉄
- 0.3mg
- ビタミンK
- 0µg
- 葉酸
- 48µg
- ビタミンC
- 19mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロを表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 06036)
カブの品種
14品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- 耐病ひかり家庭菜園向けカブとして春秋の一般的な作型目安です。
- 聖護院かぶしょうごいんかぶ京都府京の伝統野菜直径15〜20cmになる日本最大級のカブ。千枚漬けの原料として知られる。きめが細かく、煮ると甘みが出る。
- 五箇山かぶらごかやまかぶら富山県世界遺産・五箇山の合掌集落で受け継がれてきた在来のカブ。焼畑で作られてきた歴史を持ち、肉質が締まっていて漬物にすると歯ざわりが残る。
- 河内赤かぶかわちあかかぶ富山県南砺市河内地区の在来赤かぶ。皮は鮮やかな赤紫、中は白い。酢に漬けると全体が美しい桃色に染まる。
- 天王寺かぶらてんのうじかぶら大阪府なにわの伝統野菜大阪・天王寺で江戸期から作られた扁平なカブ。甘みが強く、やわらかい。野沢菜の祖先とされる説がある。
- 日野菜かぶひのなかぶ滋賀県細長い形で、地上に出た部分だけが紫紅色になる。桜漬けにすると鮮やかな桜色に発色する。ほろ苦さと辛味がある。
- 飛騨紅かぶひだべにかぶ岐阜県皮が濃い紅色になる飛騨地方の在来かぶ。赤かぶ漬けにする。
- 金沢青かぶかなざわあおかぶ石川県かぶら寿しに使われる大型のかぶ。肉質が緻密で、ブリを挟んで発酵させる。
- 暮坪かぶくれつぼかぶ岩手県遠野市暮坪地区で一子相伝的に受け継がれてきた細長いかぶ。強い辛味があり、薬味としてすりおろして使う。
- 平良かぶひらかかぶ秋田県焼畑で作られてきた秋田の在来かぶ。肉質が締まり、漬物にすると香りが立つ。
- 藤沢かぶふじさわかぶ山形県焼畑で栽培されてきた細長い赤かぶ。上部が赤紫、下部が白くなる。甘酢漬けにすると全体が桃色に染まる。
- 杉箸アカカンバすぎはしあかかんば福井県敦賀市杉箸地区の在来赤かぶ。細長く、皮も果肉も赤みを帯びる。漬物にすると鮮やかに発色する。
- 津田かぶつだかぶ島根県先が曲がった勾玉のような形をした赤かぶ。日に当たった部分だけが赤紫になる。松江の伝統的な漬物に使われる。
- 弘岡かぶひろおかかぶ高知県高知の在来かぶ。肉質がやわらかく、甘みがある。