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葉菜類

ホウレンソウ

冷涼を好み、寒さに当たると糖度が上がる。酸性土に弱いため、種まき前の石灰による土壌調整が要になる。

通年
ふつう
育てやすさ
向く
プランター
8〜20
生育適温
4品種
登録品種

Spinacia oleracea原産 中央アジア〜西アジア

ほうれんそう / 菠薐草ヒユ科

栽培カレンダー

タネまき 2〜4月・9〜11月 / 植え付け / 収穫 11〜12月・1〜3月・5〜6月

月ごとのタネまき・植え付け・収穫の時期(露地栽培の目安)
作業123456789101112
タネまき
1月はタネまきの時期ではありません
2月はタネまきの時期です
3月はタネまきの時期です
4月はタネまきの時期です
5月はタネまきの時期ではありません
6月はタネまきの時期ではありません
7月はタネまきの時期ではありません
8月はタネまきの時期ではありません
9月はタネまきの時期です
10月はタネまきの時期です
11月はタネまきの時期です
12月はタネまきの時期ではありません
収穫
1月は収穫の時期です
2月は収穫の時期です
3月は収穫の時期です
4月は収穫の時期ではありません
5月は収穫の時期です
6月は収穫の時期です
7月は収穫の時期ではありません
8月は収穫の時期ではありません
9月は収穫の時期ではありません
10月は収穫の時期ではありません
11月は収穫の時期です
12月は収穫の時期です

カレンダーの読み方

  • タネまき
  • 植え付け
  • 収穫
  • その時期ではない

露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。

地域別の作型

上のカレンダーは一般地を想定した目安です。 暖地と寒冷地では作業の時期が1〜2か月ずれます。

寒冷地東北・北海道・高冷地

123456789101112
春まき
夏まき
秋まき

一般地関東〜近畿の平野部

123456789101112
春まき
夏まき
秋まき

暖地九州・四国・南関東の平野部

123456789101112
春まき
夏まき
秋まき
タネまき植え付け収穫

品種によってさらに前後します。正確な時期は種袋の作型図をご確認ください。
出典: ホウレンソウの育て方・栽培方法(栽培暦)サカタのタネ 園芸通信

ホウレンソウの育て方

土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。

ホウレンソウ栽培の前提

好む気候
冷涼。マイナス10℃にも耐える一方、暑さには極めて弱い
発芽適温
15〜20℃。4℃でも発芽するが、25℃以上で発芽率が下がり35℃以上では発芽しない
生育適温
15〜20℃。25℃以上で生育が止まり病気が増え、平均5℃でも生育が止まる
土のpH
6.3〜7.0が最適。pH5.5以下では発芽が悪く、育っても本葉2〜3枚で止まる
畝幅と条数
畝幅60cmで4条、90cmで6条
発芽までの日数
5〜7日
収穫の目安
草丈20〜25cmになったものから順に
まき方
直まき。溝にすじまきする

品種の選び方

ホウレンソウは東洋種と西洋種に分かれます。東洋種は葉先がとがって切れ込みが深く、葉柄の元や根が濃い赤色になります。葉質がよく土臭さが少ない一方、長日に敏感でトウ立ちが早いので秋まきに使われてきました。西洋種は葉先が丸く、春から夏のまきつけに向きます。現在は両者を掛け合わせた品種が多く、丈夫で病気にも強く扱いやすくなっています。家庭菜園では秋にまいて秋冬に穫る作型が最もやさしいです。春から初夏にまくならトウ立ちしにくい品種を選んでください。べと病に抵抗性のある品種を選ぶと、被害をかなり防げます。なお種袋に「針種(角種)」とあるものはとげがあるので、まくときに手を刺さないよう気をつけてください。

育て方の手順

  1. 土の酸度を直す種まきの1か月前〜2週間前

    苦土石灰を全面にまいて深く耕します。ホウレンソウは酸性土壌で目に見えて育ちが悪くなる野菜です。pH5.5以下だと発芽がそろわず、発芽しても子葉が小さく葉先が黄色くなり、根が先端から褐色に変わって本葉2〜3枚で止まってしまいます。スギナやハコベが多く生える畑は酸性が強い目安なので、その場合は石灰を多めにします。石灰は効くまでに時間がかかるので、まく1か月前に入れられればなお確実です。

    苦土石灰
    1㎡あたり100〜150g(酸性が強ければ150g)
    目標pH
    6.3〜7.0
  2. 元肥を入れて畝を作る種まきの1か月前〜1週間前

    完熟堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てます。畝幅は60〜90cmです。ホウレンソウは根がまっすぐ深く伸びる直根性で、地上部より根の広がりのほうが旺盛です。耕土が深く有機質に富む畑ほどよく育ちます。一方で耐湿性は野菜の中でも最も弱い部類なので、水はけの悪い畑では畝を高くしてください。堆肥は溝から離して下の方に埋めると、有機物に集まるネキリムシの被害を減らせます。発酵鶏ふんなどの有機質肥料をまく直前に入れるとタネバエを呼ぶので、堆肥と同じく1か月前に施します。

    完熟堆肥
    1㎡あたり約2kg
    化成肥料(N-P-K = 8-8-8)
    1㎡あたり100〜150g
    成分量で見る元肥の目安
    秋まきは10㎡あたりチッソ200〜220g・リン酸200〜230g・カリ200g、春夏まきはチッソ150g・リン酸200g・カリ150g
    畝幅
    60〜90cm
  3. 種まき

    深さ1.5〜2cm、幅3cmほどの溝を作り、底を平らにならします。種同士が1〜2cm離れるようにばらまき、1cmほど覆土して軽く押さえ、しっかり水をやります。ホウレンソウは早く一斉に発芽させることが出来を決めます。まき溝の底に凹凸があると覆土の厚さがばらつき、発芽もばらばらになります。覆土が凸凹だと低いところに水がたまって立枯病が出ます。板などで鎮圧して土の水分を逃がさないようにするところまでが種まきです。畝幅60cmなら4条、90cmなら6条が目安です。

    まき溝
    深さ1.5〜2cm・幅3cm
    種の間隔
    1〜2cm
    覆土
    約1cm
  4. 高温期は芽出しをしてからまく気温の高い時期のみ

    種を一昼夜水に浸け、水を切って湿った布に包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫に置きます。1割ほどの種から1mmほどの根が出たらまきます。ホウレンソウの種と呼ばれているものは実は果実で、本当の種子は硬い果皮に包まれています。この殻が水を通しにくいため発芽が遅れやすく、25℃を超えると発芽率がはっきり落ちます。芽出しはこれを補う手順です。果皮を薄く加工した発芽促進処理済みの種(種苗会社によって呼び名が違います)を使う場合、この処理は要りません。

  5. 間引きと追肥1回目は子葉が開いた頃〜本葉1〜2枚、2回目は本葉2〜4枚のとき

    1回目は株間2〜3cm、2回目で最終株間にします。最終株間は秋まきで5cm、春まき・夏まきで7〜8cmが目安です。生育の遅いものと葉形の悪いものを抜き、葉が重なり合わない状態にします。株間が狭いと本数は稼げますが1株の葉数が減り、葉柄が伸びて徒長し、病気も出やすくなります。逆に広くすると葉数が増えて株が大きくなる代わりに、草姿が開いて収穫しにくくなります。2回目の間引きのあとに追肥し、条間にばらまきます。葉に肥料がかからないようにしてください。水は発芽がそろうまでは十分に与え、その後は控えめにします。

    1回目の株間
    2〜3cm
    最終株間
    秋まき5cm、春夏まき7〜8cm
    化成肥料(8-8-8)
    1㎡あたり約50g
  6. 収穫草丈20〜25cmになったものから

    抜き取ると隣の株の根を傷めるので、はさみかナイフで根元を切ります。適期は思ったより短く、穫り遅れがよくある失敗です。一度に全部まかず、必要な分だけ日をずらして数回に分けてまくと穫り切れます。春まき・夏まきではトウ立ちする株が出るので、その前に早めに穫ってください。寒さに当たると繊維がやわらかくなって甘みが増すため、霜が降りても問題ありません。

よくある失敗と防ぎ方

起きること原因防ぎ方
発芽や生育がそろわない土が酸性に傾いている。または、まき溝と覆土の深さが不ぞろい苦土石灰でpH6.3〜7.0に直す。スギナやハコベが多い畑は特に注意。溝の底を平らにならし、覆土したら板で鎮圧する
夏まきで発芽しない高温で発芽が抑えられた。25℃以上で発芽率が下がり、35℃以上では発芽しない芽出しをしてからまく。または発芽促進処理済みの種を使う
トウ立ちする日が長くなると花芽が伸びる。積算日長450〜500時間が目安で、日長13時間以上になると一気に進む。高温・乾燥・肥料切れも引き金になる春から初夏はトウ立ちしにくい品種を選び、早めに収穫する。6月まきは夏至をまたぐので最も危ない。街灯や夜間照明が当たる場所でも起きるので、まく場所にも注意する
葉に病斑が出る(べと病)平均気温8〜18℃(最も出やすいのは15℃前後)の多湿。曇雨天が続くと増える。連作でも増える抵抗性品種を選ぶ。間引いて風通しを確保する。20℃以上になると減る
苗のうちに倒れて枯れる(立枯病)覆土に凹凸があって水がたまった。本葉1〜2枚の頃に出やすい覆土の厚さを均一にする。水はけの悪い畑では畝を高くする

主な病気と害虫

  • 病気べと病平均気温8〜18℃の多湿時に出る。抵抗性品種でかなり防げる
  • 病気立枯病本葉1〜2枚の頃に出る。覆土のむらと過湿が原因
  • 病気根腐病25℃以上の高温時に多発する。夏まきでは特に注意
  • 害虫アブラムシ早めに駆除する
  • 害虫ヨトウムシ夜に食害する
  • 害虫ネキリムシ有機物に集まる。堆肥をまき溝から離して埋めると減らせる
  • 害虫タネバエ未熟な有機質肥料に集まる。鶏ふんなどは1か月前までに施す

このページの出典(複数の情報源を突き合わせています)

栄養成分

可食部100gあたり / 野菜類/ほうれんそう/葉/通年平均/生

エネルギー
18kcal
たんぱく質
1.7g
脂質
0.2g
炭水化物
0.3g
食物繊維総量
2.8g
カリウム
690mg
カルシウム
49mg
2.0mg
ビタミンK
270µg
葉酸
210µg
ビタミンC
35mg
食塩相当量
0g

「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロを表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年文部科学省・食品番号 06267

主な産地

2024年産 / 全国 189,900 t / 統計での作物名: ほうれんそう

  1. 群馬県22,600 t11.9%
  2. 埼玉県19,600 t10.3%
  3. 千葉県18,600 t9.8%
  4. 茨城県18,200 t9.6%
  5. 宮崎県11,100 t5.8%
  6. 岐阜県8,990 t4.7%
  7. 福岡県7,210 t3.8%
  8. 神奈川県6,700 t3.5%
  9. 熊本県5,320 t2.8%
  10. 栃木県5,170 t2.7%

出典: 作物統計調査 野菜生産出荷統計(2024年産)農林水産省

ホウレンソウをよく買う地域

2023年(令和5年)~2025年(令和7年)平均 / 全国平均 2.5 kg / 統計での品目名: ほうれんそう

この数字は1人当たりではありません。二人以上の世帯1世帯あたりが1年間に買った量です。調べているのは都道府県全体ではなく、 県庁所在市と政令指定都市の52市。 買った量なので、自分で育てて食べた分や、外食で食べた分は入っていません。

  1. 秋田市3.9 kg
  2. 山形市3.6 kg
  3. 富山市3.4 kg
  4. 京都市3.3 kg
  5. 盛岡市3.3 kg
  6. 相模原市3.2 kg
  7. さいたま市3.0 kg
  8. 青森市3.0 kg
  9. 川崎市2.9 kg
  10. 新潟市2.9 kg

少ない側(52市中の下位3市)

  1. 鹿児島市1.7 kg
  2. 大分市1.8 kg
  3. 福岡市1.8 kg

出典: 家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(総務省統計局)

同じヒユ科の野菜

同じ科の野菜は同じ病害虫が付きやすく、続けて同じ場所に植えると 生育が落ちることがあります。植える場所を回すときの目安になります。