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葉菜類

ゼンマイ

渦を巻いた若芽が褐色の綿毛に包まれるシダ植物。葉が2種類あり、栄養をつくる栄養葉(女ゼンマイ)と胞子をつける実葉(男ゼンマイ)に分かれる。食べるのは栄養葉の若芽で、実葉は残して株を保たせる。アクが強く、重曹を加えた湯でアク抜きをしてから使う。日陰から半日陰で湿り気のある場所を好み、北側の斜面に多い。植えてから数年は株を太らせ、収穫は3年目以降が目安になる。乾燥させれば1年ほどもつ。

旬
春
育てやすさ
むずかしい
プランター
向く
登録品種
1品種

Osmunda japonica ・ 原産 日本〜東アジア ・ 出典: ウィキペディア日本語版

ぜんまい / 薇・女ゼンマイ ・ ゼンマイ科

栽培カレンダー

タネまき — / 植え付け 6月・10〜11月 / 収穫 3〜6月

月ごとのタネまき・植え付け・収穫の時期(露地栽培の目安)
作業123456789101112
植え付け
1月は植え付けの時期ではありません
2月は植え付けの時期ではありません
3月は植え付けの時期ではありません
4月は植え付けの時期ではありません
5月は植え付けの時期ではありません
6月は植え付けの時期です
7月は植え付けの時期ではありません
8月は植え付けの時期ではありません
9月は植え付けの時期ではありません
10月は植え付けの時期です
11月は植え付けの時期です
12月は植え付けの時期ではありません
収穫
1月は収穫の時期ではありません
2月は収穫の時期ではありません
3月は収穫の時期です
4月は収穫の時期です
5月は収穫の時期です
6月は収穫の時期です
7月は収穫の時期ではありません
8月は収穫の時期ではありません
9月は収穫の時期ではありません
10月は収穫の時期ではありません
11月は収穫の時期ではありません
12月は収穫の時期ではありません

カレンダーの読み方

  • タネまき
  • 植え付け
  • 収穫
  • その時期ではない

露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。

ゼンマイの育て方

土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。

ゼンマイ栽培の前提

科・属
ゼンマイ科ゼンマイ属。シダ植物にあたる
食べるところ
栄養葉(女ゼンマイ)の若芽。実葉(男ゼンマイ)は残す
適地
日陰から半日陰で湿り気のある場所。北側の斜面に多い
土
腐植質に富んだ肥沃な土。落ち葉や堆肥をすき込む。pHは5〜6
殖やし方
株分けが基本。胞子から育てる方法もある
移植の適期
入梅期がもっともよい。生育停止期(10月中旬〜3月中旬)なら秋に葉が枯れてから
種株の大きさ
根株が握りこぶし大で、芽が2〜3本付いたもの
植える深さ
深植えにしない。株元に5〜6cm土をかぶせる
胞子の寿命
常温で1週間ほど。シダ類の中でも短い
収穫までの年数
3年目以降が目安
収穫
3〜6月上旬。九州から北へ旬が移り、東北は5〜6月上旬が最盛期
アク抜き
重曹を加えた湯でゆでる。アクが強い
干しゼンマイ
ゆでてアク抜きしたものを天日で干す。乾燥中に何度か手もみする

品種の選び方

品種として名前が付いて売られてはいません。自生する株から形のよい勢いのあるものを選んで移します。葉柄が赤いものと緑のものがあり、ふつうは緑のほうがよいとされます。赤いものは茎数が多く径が細くなりますが、肥培管理をすると緑に変わるものが多く、葉柄の色の違いが品質や収量にどう効くかは分かっていません。四国では栽培も盛んで、高知県と徳島県が乾燥ゼンマイの産地として知られています。

育て方の手順

  1. 植える場所と土をつくる植え付けの前

    日陰から半日陰で、適度に湿り気のある場所を選びます。直射日光が強く当たる場所や乾きやすい場所は向きません。腐植質に富んだ肥沃な土が適しており、落ち葉や堆肥をすき込んで水もちと通気性を高めます。pHは弱酸性(5〜6程度)が目安です。

    土のpH
    5〜6(弱酸性)

    プランターの場合 — プランターでも作れます。浅めに植えて、過湿と乾燥のどちらも避けます。

  2. 種株を採る入梅期、または秋に葉が枯れてから

    自生している株から、形がよく勢いのあるものを選びます。株から少し離れたまわりをていねいに掘り、細根をできるだけ多く付けて掘り上げます。根株が握りこぶし大で、芽が2〜3本付いたものが理想です。大きすぎる株は運ぶ労力がかかるわりに、植えたあとの育ちがこの大きさの株に劣るとされます。持ち帰った株はすぐ植えます。

    理想の株
    握りこぶし大、芽2〜3本
    1人1日の採取
    200株程度
  3. 植えつける春または秋。最適は入梅期

    根を乾かさないよう、掘ったらすぐ植えます。深植えにならないよう気をつけ、株元に5〜6cmほど土をかぶせて軽く押さえます。シダ植物は四季いつでも移せますが、入梅期がもっとも手がかかりません。この時期なら水がたまって根が腐らないようにする以外に、寒さ暑さへの手当てが要らないためです。生育停止期(10月中旬〜3月中旬)に移すなら、雪どけのころは気温も地温も急に上がるので、秋に葉が枯れてからのほうが確実です。

    かぶせる土
    5〜6cm
    最適期
    入梅期
  4. 植えたあとの管理植え付けの年から

    乾かさないようにし、土の表面が乾いたら水をやります。強い日ざしを避け、夏は半日陰になる状態を保ちます。雑草はこまめに取り、風通しを確保します。肥料は植えた年は控えめにし、翌年以降に有機質肥料を春と秋に施します。

  5. 収穫3〜6月上旬。3年目以降

    植えてから数年は株を太らせるため穫りません。3年目以降を目安に穫りはじめます。穫るのは栄養葉(女ゼンマイ)の若芽で、胞子をつける実葉(男ゼンマイ)は残します。翌年の生育に響くので、取りすぎに気をつけます。旬は九州から北へ移り、東北では5月から6月上旬が最盛期になります。

    穫りはじめ
    植え付けから3年目以降
  6. アク抜きと乾燥穫ったらすぐ

    アクが強いので、重曹を加えた湯でゆでてアクを抜きます。抜いたものは水に浸けて冷蔵すれば約1週間もちます。毎日水を替えます。長く置くなら天日で干します。乾燥のあいだに何度か手でもむと繊維がほぐれてやわらかくなります。よく乾かして風通しのよい冷暗所に置けば、1年ほどおいしく食べられます。

    冷蔵
    アク抜き後、水に浸けて約1週間
    乾燥
    しっかり干せば約1年

よくある失敗と防ぎ方

起きること原因防ぎ方
植えた年に穫れない株が充実するまで数年かかる3年目以降を目安に穫りはじめる。それまでは株を太らせる
翌年から出が悪くなる穫りすぎ。実葉(男ゼンマイ)まで採った栄養葉の若芽だけを穫り、実葉は残す。株ごと丸坊主にしない
根が腐る過湿が続いた水はけのよい土をつくり、風通しを確保する。深植えにしない
苦くて食べられないアクが強い。アク抜きをしていない重曹を加えた湯でゆでてアクを抜く
胞子をまいても芽が出ない胞子が古い。ゼンマイの胞子は常温で1週間ほどしかもたない胞子葉の外観に半分以上緑が残っているうちに採る。採ったら早く使う
新芽が食べられている湿った場所ではナメクジやカタツムリが出る見つけしだい取り除く。風通しをよくする

主な病気と害虫

  • 害虫ナメクジ湿った場所で新芽を食べる。見つけしだい取り除く
  • 病気根腐病過湿が続くと出る。水はけのよい土にし、深植えを避ける

ゼンマイの育て方の出典

ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。

栄養成分

可食部100gあたり / 野菜類/ぜんまい/生ぜんまい/若芽/生

エネルギー
27kcal
たんぱく質
(1.3)g
脂質
-g
炭水化物
-g
食物繊維総量
3.8g
カリウム
340mg
カルシウム
10mg
鉄
0.6mg
ビタミンK
34µg
葉酸
210µg
ビタミンC
24mg
食塩相当量
0g

「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 06120)

主な産地

2024年産 / 全国の生産量 12.4 t / 統計での作物名: 乾ぜんまい

  1. 高知県5.8 t46.8%
  2. 新潟県2 t16.1%
  3. 愛媛県1.2 t9.7%
  4. 山形県0.9 t7.3%
  5. 福島県0.6 t4.8%
  6. 秋田県0.5 t4.0%
  7. 岩手県0.3 t2.4%
  8. 青森県0.2 t1.6%
  9. 熊本県0.2 t1.6%
  10. 茨城県0.1 t0.8%

出典: 特用林産物生産統計調査(林野庁)