葉菜類
ミズ
山間の日陰の湿地や渓流のそばに生える多汁質の山菜。食べるのは茎で、しゃきしゃきした歯ざわりとぬめりがある。ミズナと呼ばれることもあるが、京都のミズナ(アブラナ科)とはまったく別の植物にあたる。直射日光で日焼けするため、栽培では70%ほどの遮光が要る。タネではなく、葉の付け根にできる肉芽(ミズ玉)で殖やす。初秋以降はこの肉芽も食べられる。
- 旬
- 初夏
- 育てやすさ
- むずかしい
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 15〜20℃
- 登録品種
- 1品種
Elatostema involucratum ・ 原産 日本〜東アジア ・ 出典: ウィキペディア日本語版
みず / ウワバミソウ・赤ミズ・ミズ玉 ・ イラクサ科
栽培カレンダー
タネまき — / 植え付け — / 収穫 5〜6月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期です | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
ミズの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
ミズ栽培の前提
- 科・属
- イラクサ科ウワバミソウ属。宿根性の多年草にあたる
- 食べるところ
- 茎。初秋以降は葉の付け根にできる肉芽(ミズ玉)も食べる
- 適地
- 山間地の日陰の湿地や渓流のそば。直射日光で日焼けする
- 生育適温
- 約20℃前後。夏の高温期は生育が止まる
- 遮光
- 生育期間中は70%程度。1年目の育苗中は50〜70%
- 殖やし方
- 肉芽。0.2g以上の大きいものを選ぶ
- 肉芽の採取
- 落ちる前の10月下旬まで(山形県の場合)
- 必要な苗数
- 1アールあたり約2,000株。採取は必要数の1割増しを目標に
- 育苗
- 128穴セルトレイに1粒ずつ。育苗期間は50〜60日
- 株間
- 株間20〜25cm、条間20〜25cm
- 土づくり
- 完熟堆肥を1アールあたり400kg以上
- 基肥
- 窒素・リン酸・カリを成分で1アールあたり各0.6kg
- 追肥
- 定植1か月後と8月下旬の2回、1アールあたり窒素0.2kg
- 収穫
- 5〜6月。草丈20〜30cmで地際から刈るか抜き取る
品種の選び方
赤ミズ、ミズ、ミズナなど呼び名が多く、和名はウワバミソウです。ミズナと呼ばれることもありますが、京都のミズナ(アブラナ科)とはまったく別の植物にあたります。品種として名前が付いて売られてはおらず、自生地から肉芽を採るか、栽培者から株を分けてもらいます。山形県では産地化が進み、ハウス育苗で定植の翌年から穫る作り方が使われています。
育て方の手順
肉芽を採る10月下旬まで(山形県の場合)
葉の付け根にできる茶褐色の肉芽は、茎葉が枯れるにつれて地上に落ちます。落ちてからでは落ち葉に埋もれて採りにくくなるので、その前に採ります。大きいものほど芽が出やすく、そのあとの育ちもよいので、0.2g以上のものを選びます。肉芽には休眠があるため、網袋などに入れて屋外の土中か家庭用冷蔵庫で貯蔵します。屋外なら野ねずみ、冷蔵庫なら乾燥に気をつけます。
- 選ぶ大きさ
- 0.2g以上
- 1アールに必要な苗
- 約2,000株
苗を育てる定植の50〜60日前
露地でも育てられますが、定植の翌年から穫れるハウス育苗が向きます。128穴のセルトレイに、有機物が多く乾きにくい培養土を八分ほど入れ、1穴に肉芽を1粒ずつ植えて覆土し、たっぷり水をやります。芽が出たら25℃を超えないよう温度を管理します。日ざしが強いときは遮光率50〜70%の資材が要ります。定植の時期は、その土地で晩霜の心配がなくなる時期から逆算して決めます。
- セルトレイ
- 128穴に1粒ずつ
- 育苗期間
- 50〜60日
- 育苗中の温度
- 25℃を超えない
植えつける晩霜の心配がなくなってから
直射日光が当たらない特別な場所を除き、遮光施設が要ります。遮光率70%程度の資材で日よけをします。完熟堆肥を1アールあたり400kg以上入れ、基肥は窒素・リン酸・カリを成分で各0.6kg/アールにします。株間20〜25cm、条間20〜25cmで、1アールあたり約2,000株になります。乾きやすい畑では、霧状に水をやる装置をつけると管理が楽になります。
- 遮光率
- 70%程度
- 株間・条間
- どちらも20〜25cm
- 完熟堆肥
- 1アールあたり400kg以上
プランターの場合 — 深さ30cm以上の容器に株間20cm。半日陰に置き、乾かさないようにします。
水と肥料1年目の夏
水やりがいちばんの要点になります。晴れた日の午前中に、茎葉の上から散水します。夏の高温期は茎葉をぬらすことで、生育が止まるのを防げます。追肥は定植1か月後と、暑さが過ぎて気温が下がりはじめる8月下旬の2回、1アールあたり窒素0.2kgを茎葉の上から散布し、すぐに水をやります。
- 追肥の回数
- 定植1か月後と8月下旬
- 1回の量
- 1アールあたり窒素0.2kg
2年目からの管理春先と融雪直後
春先に、有機物の補給と霜よけを兼ねて完熟堆肥や腐葉土を、芽が隠れるように畑の表面にまきます。融雪直後か早春に、三要素とも成分で1アールあたり0.6kg程度を全面に施します。日ざしが強くなる4月下旬(山形県の場合)からは、1年目と同じように遮光資材を張ります。年を重ねると根が混み合い、茎の太さがそろわなくなって収量が落ちます。そうなったら株を更新します。
- 遮光を始める時期
- 4月下旬(山形県の場合)
収穫5〜6月
草丈が20〜30cmに伸びたころ、地際から鎌で刈るか抜き取ります。うねの中央は地際の赤い色づきが遅れるので、赤みが増してから穫ります。全部刈っても茎が再生するので、翌年も続けて穫れます。初秋以降は、葉の付け根にできる肉芽(ミズ玉)も食べられます。
- 穫りごろの草丈
- 20〜30cm
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 葉が日焼けして傷む | 直射日光に弱い | 生育期間中は遮光率70%程度の資材で日よけをする |
| 夏に生育が止まる | 生育適温が20℃前後で、高温期は伸びない | 晴れた日の午前中に茎葉の上から散水する。ぬらすことで停滞を防げる |
| 萌芽したばかりの茎葉が傷む | 新芽は低温に弱く、遅霜にあたる | 晩霜の心配がなくなってから定植する。春先は堆肥や腐葉土を芽が隠れるようにまく |
| 肉芽から芽が出ない | 小さい肉芽を使った。または休眠が明けていない | 0.2g以上の大きいものを選ぶ。採ったら貯蔵して低温に当てる |
| 年を追うごとに茎が細くなる | 根が混み合った | 茎の太さがそろわなくなったら株を更新する |
| ミズナと間違えて買う | 呼び名が同じ。京都のミズナとは科から違う | 山菜のミズはイラクサ科。アブラナ科のミズナとは別の植物にあたる |
主な病気と害虫
ミズの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- 山菜類 野菜栽培技術指針(ミヤマイラクサ・うわばみそう)秋田県
- 赤ミズ(ウワバミソウ)みんなの農業広場 農作業便利帖
ミズの品種
1品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。