果菜類
イチゴ
秋に定植して越冬させ、翌春に穫る。促成栽培はハウス内で冬から収穫が始まる。ランナーで苗を増やすのが一般的。
- 旬
- 春・夏
- 育てやすさ
- ふつう
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 15〜25℃
- 登録品種
- 16品種
Fragaria × ananassa ・ 原産 南北アメリカ ・ 出典: ウィキペディア日本語版
いちご / 苺 ・ バラ科
栽培カレンダー
タネまき 2〜4月 / 植え付け 9〜11月 / 収穫 5〜6月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期です | 3月はタネまきの時期です | 4月はタネまきの時期です | 5月はタネまきの時期ではありません | 6月はタネまきの時期ではありません | 7月はタネまきの時期ではありません | 8月はタネまきの時期ではありません | 9月はタネまきの時期ではありません | 10月はタネまきの時期ではありません | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期ではありません | 4月は植え付けの時期ではありません | 5月は植え付けの時期ではありません | 6月は植え付けの時期ではありません | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期です | 10月は植え付けの時期です | 11月は植え付けの時期です | 12月は植え付けの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期です | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
イチゴの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
イチゴ栽培の前提
- 作型
- 10月に苗を植え、冬を越して5〜6月に収穫する
- 耐寒性
- 強い。マイナス5〜6℃までは問題ない
- 植える深さ
- クラウン(株元のふくらみ)を絶対に埋めない
- 実がなる向き
- ランナーが付いていた側の反対。畝の外へ向けて植える
- 受粉できる気温
- 15〜25℃
- 追肥
- 2月と、最初の花が咲く3月の2回が基本
- プランター
- 深さ15〜20cm以上。5号鉢に1株、65cmプランターに3株
品種の選び方
イチゴは収穫の仕方で一季なりと四季なりに分かれます。一季なりは春から初夏(5〜6月ごろ)に一度だけ穫れるもので、味がのりやすく、初めて育てるならこちらが向きます。四季なりは寒い時期以外ほぼ通年花が咲き、長く穫れる代わりに味が大味になりがちで、こまめに追肥しないと株が疲れます。育てやすさに大きな差はないので、穫りたい時期で選んで構いません。甘さや香りは品種の力による部分が大きく、糖度の高い品種を選ぶと結果がはっきり変わります。苗を買うときは、葉が間のびしておらず葉先が枯れていないものを選びます。ランナー(親株から伸びるつる)を切った跡が分かる苗だと、植えるときの向きが決めやすくなります。
育て方の手順
土づくり苦土石灰は植え付けの2週間以上前、肥料は1週間以上前
苦土石灰を全面にまいて耕し、1週間以上前に完熟堆肥と肥料を入れてよく混ぜます。イチゴの根は肥料に直接触れると傷むので、早めに入れて土になじませておくことが大事です。プランターなら市販の野菜用培養土で構いません。
- 苦土石灰
- 1㎡あたり約100g
- 完熟堆肥
- 1㎡あたり約3kg
- 有機入り肥料
- 1㎡あたり約100g
植え付け10月ごろ
イチゴの植え付けには、外すと後で取り返せない要点が2つあります。1つはクラウン(根元の茎にあたるふくらんだ部分)を絶対に土に埋めないこと。ここから新しい芽が出るので、埋めると葉も茎も育たず、実も着かなくなります。浅植えを意識してください。もう1つは向きです。イチゴはランナーが付いていた側と反対に花が咲いて実がなります。ランナーの跡を株の内側(畝の中央側)に向けて植えると、実が畝の外側に垂れて穫りやすく、地面に触れにくいので傷みも減ります。複数植えるときは向きをそろえてください。根が繊細なので、ポットから出すときに根鉢を崩さないようにします。
- 植える深さ
- クラウンが土に埋まらない浅植え
- 向き
- ランナーの跡を畝の内側へ。実は反対側になる
プランターの場合 — 深さ15〜20cm以上の容器を使います。5号鉢に1株、65cmの標準プランターなら3株が目安です。イチゴ専用の鉢(ストロベリーポット)だと実が垂れて地面に触れず、病気が減ります。プランターは乾きやすいので、表面が乾いたら水をやります。
秋の花とランナーを摘む10〜12月
植えてしばらくは葉が増え、花やランナーが出てくることがあります。もったいなく感じますが、秋に咲いた花は屋外では実になりません。寒さに当たって黒くなるだけです。早い時期に出るランナーも同じで、株の力を使うだけなので元から切ります。ここで取り除いた分の養分が、春の花と実に回ります。
冬越し12〜2月
イチゴは寒さに強く、マイナス5〜6℃までなら問題ありません。むしろ春に花を咲かせるには寒さに当てることが要るので、必要以上に保温すると失敗します。この時期にやることは、出てくる花とランナーを切ること、枯れ葉を取り除くこと、水をやりすぎないことの3つです。冬は水をあまり必要としないので、土の表面が乾いてから与えます。雪に埋もれると傷むので、そこだけは気をつけてください。
株元の手入れとマルチ2月
傷んだ葉と枯れ葉を取って株元をきれいにします。風通しがよくなり、病害虫も減ります。畑では黒マルチで覆い、プランターでは敷きわらを株元に置きます。実が地面に触れて汚れたり腐ったりするのを防ぐためです。あわせて軽く追肥します。
追肥2月と、最初の花が咲く3月の2回
生育が動き出す2月と、花が咲き始める3月に施します。株から少し離して円を描くようにまき、そのあと水をやってください。効き目の長い肥料なら2回で足ります。四季なりは長く穫るぶん株が疲れるので、こまめに足してください。
- 肥料
- 1株あたり約5g(緩効性のもの)
人工授粉3月以降、暖かくなって咲いた花に
3月はまだ虫が少なく、マンションの高層階では虫がほとんど来ません。筆や綿棒で花の中心をくるくるとなでて花粉を付けてください。受粉が不十分だと実の形がいびつになります。人の手だと形が整いにくいのですが、これは失敗でも病気でもありません。店で売られているような整った形は、ミツバチなどの虫が丁寧に回ってこそできるものです。受粉できる気温は15〜25℃です。4〜5月も続けてください。なお一般地では2月までに咲いた花は実になりにくいので落とし、3月以降の花を大事にします。
収穫5月初旬〜6月
実全体が赤く色づいてから穫ります。朝の涼しいうちに穫ると味も日もちもよくなります。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 葉が出ない・実が着かない | クラウンを土に埋めてしまった。ここから新芽が出るため、埋まると育たない | 浅植えにして、クラウンを必ず地表に出す |
| 実が畝の内側にできて穫りにくい・汚れる | 苗の向きを考えずに植えた | ランナーの跡を畝の内側に向ける。実は反対側にできる |
| 実の形がいびつになる | 受粉が不十分 | 筆で花の中心をなでて受粉させる。虫が来ない場所では欠かせない |
| 春の実が少ない・小さい | 秋から冬に出た花やランナーを残して、株の力を使ってしまった | 2月までに出る花とランナーは切る。3月以降の花を残す |
| 冬に株の調子が悪くなる | 水のやりすぎ。または保温しすぎ | 土が乾いてから水をやる。イチゴは寒さに当てないと春に花が咲かない |
| 実が腐る・灰色のカビが出る | 実が地面に触れた。雨や多湿 | マルチや敷きわらを敷く。枯れ葉を取って風通しをよくする |
| 根が傷んで育たない | 肥料が根に直接触れた。または植えるときに根鉢を崩した | 肥料は1週間以上前に入れて土になじませる。根鉢は崩さずに植える |
主な病気と害虫
イチゴの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- 初心者向け!イチゴの栽培方法・育て方のコツサカタのタネ 園芸通信
- イチゴの育て方|お勧めする栽培方法ハイポネックス Plantia
- イチゴ施設栽培の作業体系みんなの農業広場 農作業便利帖
- イチゴの育て方|家庭菜園サントリーフラワーズ
栄養成分
可食部100gあたり / 果実類/いちご/生
- エネルギー
- 31kcal
- たんぱく質
- 0.7g
- 脂質
- 0.1g
- 炭水化物
- (6.1)g
- 食物繊維総量
- 1.4g
- カリウム
- 170mg
- カルシウム
- 17mg
- 鉄
- 0.3mg
- ビタミンK
- (2)µg
- 葉酸
- 90µg
- ビタミンC
- 62mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 07012)
イチゴをよく買う地域
2023年(令和5年)~2025年(令和7年)平均 / 全国平均 2.0 kg / 統計での品目名: いちご
この数字は1人当たりではありません。二人以上の世帯1世帯あたりが1年間に買った量です。調べているのは都道府県全体ではなく、 県庁所在市と政令指定都市の52市。 買った量なので、自分で育てて食べた分や、外食で食べた分は入っていません。
少ない側(52市中の下位3市)
出典: 家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(総務省統計局)
イチゴの品種
16品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- おすすめ紅ほっぺべにほっぺ静岡県静岡県農業試験場が1994年に「章姫」を子房親、「さちのか」を花粉親として交配し育成したイチゴ。1996年度に選抜された「94-9-2」が、章姫と同等以上の多収性、食味、硬さ、果心部まで赤いといった特徴を備えていたことから、1997年に系統名「静岡11号」が与えられた。大粒でしっかりとした食感を持ち、甘みと酸味のバランスがよい。果皮がしっかりしているので輸送しても傷みにくい。
- おすすめよつぼし三重県・香川県・千葉大学・農研機構九州沖縄農業研究センターが共同で育成した種子繁殖型のイチゴ。1,317の交配組み合わせを試した中から選ばれ、2017年に品種登録された(登録番号25605)。日本で2番目の種子繁殖型品種であり、実用化されたものとしては最初にあたる。親株から子株へ病害虫が受け継がれない点と、増殖効率のよさが利点になる。早生種で、5月まき・9月定植・11月収穫の促成栽培ができる。糖度が高く風味に特徴がある。
- 章姫あきひめ静岡県静岡県の育種家・萩原章弘が1985年に「久能早生」と「女峰」を交配して育成し、1992年に品種登録したイチゴ。細長い円錐形で、果肉がやわらかく多汁。酸味がほとんどなく、上品な甘さが前に出る。県や国の研究機関ではなく個人の育種家が生み出した品種として知られる。のちに静岡県が育成した「紅ほっぺ」の母親(子房親)にあたる。
- とちおとめ栃木県栃木県農業試験場が育成し、1996年に品種登録したイチゴ。糖度は9〜10%と高く、酸度は0.7%程度と低いため糖酸比が高い。果肉が緻密で多汁質のため食味が極めてすぐれる。果実は平均15〜19g程度の大果で、果形は円錐形。東日本で長く主力を務めてきた。
- あまおう福岡県福岡県が育成し、2005年に品種名「福岡S6号」で登録したイチゴ。「あまおう」は商標で、「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字からきている。果実は短円錐形で整い、果皮色は濃赤で光沢がよい。果実重が重く、20gを超える大粒の割合が多い。甘いだけでなく甘酸っぱさのバランスがとれた濃厚な食味になる。
- 女峰にょほう栃木県栃木県農業試験場が「はるのか×ダナー」の系統に「麗紅」を交配して育成し、1985年に品種登録したイチゴ。名は日光の女峰山にちなむ。果皮は濃い赤色で香りがあり、多汁で、甘みと酸味の両方がしっかり出る深い味になる。かつては「東の女峰、西のとよのか」と並び称される主力品種だったが、現在は生産量が全体の1%ほどまで減っている。
- さがほのか佐賀県佐賀県農業試験研究センターが「大錦」と「とよのか」を交配して育成し、2001年に品種登録したイチゴ。果皮はツヤのある紅色で、果肉はきれいな白色になる。甘みが強く多汁で、酸味は穏やか。円錐形で大きく、果肉はしっかりしていて日持ちもよい。九州の主力品種として長く作られてきた。
- スカイベリー栃木県栃木県農業試験場が「00-24-1」と「栃木20号」を交配して育成し、2014年に品種登録したイチゴ。登録品種名は「栃木i27号」で、スカイベリーは商標にあたる。25g以上の果実の発生割合が6割を占めるなど極めて大果になる。果形は円すい、果色は濃橙赤色で光沢があり、外観品質にすぐれる。糖度と酸度のバランスがよく、ジューシーでまろやかな味になる。1996年に品種登録された「とちおとめ」の後継として、約17年かけて開発された。
- かおり野かおりの三重県三重県が育成し、2010年に品種登録したイチゴ。果実は大きい円錐形で、果皮は橙色に近い赤色。果肉は中心部まで真っ白で、切ると縁の赤と果肉の白の対比がきれいに出る。果肉はかためで、甘みが強く酸味は穏やか。リナロールというフレッシュな甘い香気成分を多く含み、香りが持ち味になっている。炭疽病抵抗性を持ち、極早生性であることも大きな特徴にあたる。
- やよいひめ群馬県群馬県が育成し、2005年に品種登録したイチゴ。「とねほっぺ」と「とちおとめ」を交配した系統に、さらに「とねほっぺ」を交配して育成された。一粒の重さは平均約20gで、収穫されるもののおよそ6割が2L規格(15g)以上になる。果肉が硬いため傷みにくく日持ちがするので、輸送や宅配に向く。他のイチゴ品種の品質が低下しやすい3月(弥生)でも安定した品質を保てることが、名前の由来になっている。群馬県内ではいちごの作付の7割以上を占める。
- とよのか「ひみこ」と「はるのか」を交配して育成され、1984年に品種登録されたイチゴ。「東の女峰、西のとよのか」と並び称され、あまおうが登場するまで西日本の主力を務めた。甘みと酸味のバランスがよく、香りがよい。果汁が多く、日持ちもよい。「さがほのか」の親のひとつにあたる。
- ゆめのか愛知県愛知県農業総合試験場が育成し、2007年3月に品種登録した愛知県のオリジナル品種。果実は円錐形でやや大きく、平均20g前後。果皮全体が鮮やかな赤色に着色し、艶がある。果皮がほどよく硬いため傷みにくく、完熟に近い状態まで待ってから収穫できる。糖度は高めだが酸味もあり、すっきりとした食味になる。
- あまりん埼玉県埼玉県農業技術研究センターがおよそ9年をかけて育成したイチゴ。糖度が高く酸味が控えめで、全国のいちごコンテストで金賞を重ねている。県は栽培管理のポイントをまとめた「あまりんマニュアル」を公開しており、育成元の情報が確認できる数少ない品種にあたる。埼玉県の同じ系統には「かおりん」「べにたま」もある。
- いちごさん佐賀県佐賀県が育成し、2018年に品種登録したイチゴ。登録品種名は「佐賀i9号」で、いちごさんは商標にあたる。「佐系14号」と「やよいひめ」を2010年に交配し、およそ15,000もの試験株の中から選ばれた。さがほのかの後継として、県としては20年ぶりの新品種になる。果実は大きめの円錐形で果皮は濃赤色。果肉まで赤く染まるのが特徴で、やさしい甘みがあり、果肉はみずみずしく香りがよい。
- 恋みのりこいみのり農研機構が育成したイチゴ。1粒約18gの大粒で、甘く香りも強い。促成栽培に適し、連続して花房が出る性質にすぐれた多収品種で、大果で秀品率が高いため収穫・調製作業の省力化ができる。果実硬度が高く、貯蔵に伴う黒ずみ果の発生が少なく日持ち性にすぐれる。香港への長距離輸送でも傷みの発生が少ないことが確認されている。
- とちあいか栃木県栃木県が育成し、2019年秋に初出荷したイチゴ。栃木県として10番目のオリジナル品種にあたる。とちおとめと比べると糖度は同程度だが酸味が控えめで、甘さが際立つ。一粒のサイズもとちおとめより大粒になる。果心まで赤く染まるので、切った断面が鮮やかになる。県内ではとちおとめから主力の座を引き継ぎつつある。