葉菜類
食用菊
花びらを食べるキク。種はまかず、親株の株分けか挿し芽で殖やす。青森の黄花「阿房宮」、山形と新潟の紫花「延命楽」(もってのほか・かきのもと)が二大産地の柱になっている。秋に咲いたものを湯がいて三杯酢やおひたしにする。観賞用のキクとは別で、苦みが少なく花びらが大きくなるよう改良されてきた。
- 旬
- 秋
- 育てやすさ
- ふつう
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 15〜20℃
- 登録品種
- 3品種
Chrysanthemum x morifolium ・ 原産 中国 ・ 出典: ウィキペディア日本語版
しょくようぎく / ショクヨウギク・料理菊・食菊・もってのほか・かきのもと ・ キク科
栽培カレンダー
タネまき — / 植え付け 5〜6月 / 収穫 9〜11月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期ではありません | 4月は植え付けの時期ではありません | 5月は植え付けの時期です | 6月は植え付けの時期です | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期ではありません | 10月は植え付けの時期ではありません | 11月は植え付けの時期ではありません | 12月は植え付けの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期です | 10月は収穫の時期です | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
食用菊の育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
食用菊栽培の前提
- 科・属
- キク科キク属
- 殖やし方
- 種はまかない。株分けか挿し芽で殖やす
- 株分け
- 6月中旬〜下旬、新芽が30cmに伸びたころ
- 挿し芽
- 5月上旬〜6月上旬(定植の25〜30日前)
- 定植
- 株分け苗は5月下旬〜6月上旬、挿し芽苗は6月上旬〜下旬
- 畝幅
- 75〜90cm
- 株間
- 20〜30cm。1株1〜2本植え
- 収穫
- 早生種は9月中旬から、晩生種は10月下旬〜11月上旬
- 咲かせ方
- 日が短くなると花芽が付く短日植物
品種の選び方
黄花と紫花で使い分けます。青森の主力は黄花の阿房宮で、収穫は10月下旬から11月上旬。早く穫りたいときは9月中旬から穫れる十五夜や、9月下旬から穫れる八戸菊2号を組み合わせます。紫花は山形と新潟で作られる延命楽で、山形では「もってのほか」、新潟では「かきのもと」と呼ばれます。同じ品種を産地で呼び分けているので、種苗店で探すときは延命楽の名前を手がかりにします。
育て方の手順
親株の準備と摘芯挿し芽の20日ほど前
挿し穂を取るために、親株の先端を摘んでわき芽を出させます。摘芯から20日ほどでわき芽が伸び、挿し穂に使える長さになります。株分けで殖やす場合はこの作業はいりません。
- 摘芯の時期
- 挿し芽の20日ほど前
挿し芽5月上旬〜6月上旬(定植の25〜30日前)
わき芽の展開葉4〜5枚、長さ5〜6cmのものを、手でポキリと折れる硬さのうちに取ります。育苗箱かセルトレイに6cm間隔で、深さ2cmほど挿します。15〜20℃を保ち、遮光して乾かさないようにすると7〜10日で根が出ます。
- 挿し穂の長さ
- 5〜6cm。展開葉4〜5枚
- 挿す深さ
- 2cmほど
- 間隔
- 6cm
- 温度
- 15〜20℃
- 遮光
- 70〜80%
- 発根まで
- 7〜10日
株分け6月中旬〜下旬
親株があるなら株分けが簡単です。新芽が30cmに伸びたころ、植えつけの直前に根を付けたまま親株を掘り上げ、新芽に十分な根が付いたものを切り分けて使います。挿し芽より早く大きくなります。
- 掘り上げの目安
- 新芽が30cmに伸びたころ
土づくりと定植株分け苗は5月下旬〜6月上旬、挿し芽苗は6月上旬〜下旬
堆肥と石灰を入れて耕し、畝幅75〜90cmを立てます。株間20〜30cmで、1株につき1〜2本を植えます。肥料は窒素・リン酸・カリを施し、加工用は8月上旬と9月上旬の2回、生花用の早生種は7月中旬と8月下旬の2回に分けて追肥します。
- 堆肥
- 10アールあたり2トン
- 石灰
- 10アールあたり100kg程度
- 窒素
- 10アールあたり15〜20kg
- リン酸
- 10アールあたり20〜25kg
- カリ
- 10アールあたり15〜30kg
- 畝幅
- 75〜90cm
- 株間
- 20〜30cm
プランターの場合 — 深さ30cm以上の鉢に1株。多年草なので、鉢のまま何年も使えます。
夏の管理定植から花芽が付くまで
日が短くなると花芽が付く短日植物です。街灯や室内の明かりが夜も当たる場所では花が遅れます。倒れやすいので支柱を立てるか、周りに紐を回して支えます。追肥は品種の収穫時期に合わせて2回に分けます。
収穫早生種は9月中旬から、晩生種は10月下旬〜11月上旬
花が開ききる前、花びらが伸びきったころに花ごと摘みます。品種で時期がはっきり違い、十五夜は9月中旬から、八戸菊2号は9月下旬から、阿房宮と八戸菊1号は10月下旬からになります。摘んだ花は花びらだけをむしり、酢を加えた湯でさっと湯がいて使います。
- 十五夜
- 9月中旬から
- 八戸菊2号
- 9月下旬から
- 阿房宮・八戸菊1号
- 10月下旬から
刈り取りと冬越し収穫が終わったあと
花を穫り終えたら地際で刈り取ります。多年草なので株はそのまま冬を越し、翌春に新芽が出ます。その新芽を株分けや挿し芽に使って更新します。同じ株を何年も使い続けると花が小さくなるので、数年ごとに植え替えます。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない、咲くのが遅い | 夜に光が当たっている。日が短くならないと花芽が付かない | 街灯や窓明かりの当たらない場所に置く。鉢なら夜だけ動かす |
| 株が倒れる | 草丈が伸びて花の重みがかかる | 支柱を立てるか、周りに紐を回して支える |
| 挿し芽が根付かない | 穂が硬すぎるか、乾かした | 手でポキリと折れる硬さのうちに取り、遮光して乾かさない |
| 年々花が小さくなる | 同じ株を使い続けている | 数年ごとに株分けか挿し芽で更新する |
| ゆでると色が抜けて茶色くなる | 紫花のアントシアニンは湯に溶け出す | 湯に酢を加えてさっと湯がく。長くゆでない |
| 観賞用のキクを食べてしまう | 見た目が似ている | 食用に改良された品種だけを使う。観賞用は苦みが強く農薬の使い方も違う |
主な病気と害虫
食用菊の育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- 食用菊栽培みんなの農業広場 農作業便利帖
- 食用菊(かきのもと)新潟市
- 食用菊 にいがたの伝統野菜新潟県
栄養成分
可食部100gあたり / 野菜類/きく/花びら/生
- エネルギー
- 25kcal
- たんぱく質
- (1.2)g
- 脂質
- -g
- 炭水化物
- -g
- 食物繊維総量
- 3.4g
- カリウム
- 280mg
- カルシウム
- 22mg
- 鉄
- 0.7mg
- ビタミンK
- 11µg
- 葉酸
- 73µg
- ビタミンC
- 11mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 06058)
食用菊の品種
3品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。