果樹類
中晩柑
温州みかんより遅く、冬から春にかけて穫れる柑橘の総称。不知火(デコポン)、せとか、清見、八朔などが含まれる。穫ってすぐは酸が強く、しばらく置いて酸を抜いてから食べるものが多い。
- 旬
- 春
- 育てやすさ
- むずかしい
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 18〜30℃
- 登録品種
- 6品種
Citrus spp. ・ 出典: ウィキペディア日本語版
ちゅうばんかん / デコポン・不知火・せとか・清見・八朔・はっさく・雑柑 ・ ミカン科
栽培カレンダー
タネまき — / 植え付け 3〜4月 / 収穫 1〜4月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期です | 4月は植え付けの時期です | 5月は植え付けの時期ではありません | 6月は植え付けの時期ではありません | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期ではありません | 10月は植え付けの時期ではありません | 11月は植え付けの時期ではありません | 12月は植え付けの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期です | 2月は収穫の時期です | 3月は収穫の時期です | 4月は収穫の時期です | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
中晩柑の育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
中晩柑栽培の前提
- 分類
- ミカン科ミカン属の常緑樹
- 受粉
- 1本で結実する。受粉樹は不要
- 耐寒性
- 温州みかんより弱い。収穫が真冬〜春にかかるぶん寒害を受けやすい
- 植え付け
- 3月〜4月上旬
- 収穫
- 1月〜4月。品種で幅がある
- 収穫後
- 予措(1か月ほど置いて酸を抜く)が要る品種が多い
- 施肥
- 年3〜4回(3月・6月・11月ごろ)
- 剪定
- 3月。花芽は枝の先端付近に付くので切りすぎない
品種の選び方
中晩柑は温州みかんより遅く、冬から春に穫れる柑橘をまとめた呼び方です。不知火(デコポン)、せとか、清見、八朔などが含まれます。温州みかんとの一番の違いは、実を木につけたまま真冬を越すこと。そのぶん寒害を受けやすく、作れる地域が限られます。家庭で始めるなら、中晩柑の中では寒さに強い八朔が扱いやすい。不知火やせとかは糖度が高く人気がありますが、寒さに弱いうえ収穫が2〜3月になるので、温暖地か、鉢植えにして冬に移動できる形が現実的です。もうひとつ知っておきたいのが、穫ってすぐは酸が強くて食べられない品種が多いこと。1か月ほど置いて酸を抜く「予措」という工程が要ります。買ってきた果実が甘いのは、この工程を経ているからです。
育て方の手順
植え付け3月〜4月上旬
寒さに弱いので、温州みかんより遅めに植えます。日当たりと水はけがよく、北風が当たらない場所を選びます。接ぎ木部が土に埋まらないように植え、支柱で固定してたっぷり水をやります。鉢植えなら冬に軒下や室内へ移せるので、寒冷地でも作れます。中晩柑は収穫が真冬から春にかかるため、鉢植えの利点が温州みかんより大きくなります。
プランターの場合 — 10号以上の鉢を使います。冬は軒下や日当たりのよい室内に移せるようにしておきます。実が木についたまま冬を越すので、移動できることがそのまま収穫量に効きます。
水やり
庭植えは基本的に不要ですが、夏に10日以上雨が降らなければ与えます。鉢植えは鉢土の表面が乾いたらたっぷり。実が肥大する夏はしっかりやり、収穫の2か月ほど前から控えると味が締まります。
施肥
萌芽前(3月)、果実肥大期(6月)、収穫後(11月ごろ)の年3回が目安です。中晩柑は収穫が春までずれ込むため、収穫後の礼肥を遅らせすぎると次の芽の伸びが悪くなります。
剪定3月
混み合った枝と古い枝を付け根から切り、全体の1〜3割を減らします。そのうえで30cm以上の長い枝だけを3分の1ほど切り詰めます。すべての枝を短く切ってはいけません。花芽は枝の先端付近に付くので、全部詰めると翌年の花がほとんど無くなります。中晩柑は収穫が3月ごろまで続く品種があり、その場合は収穫を終えてから剪定します。
- 間引く量
- 全体の1〜3割
- 切り詰める枝
- 30cm以上のものだけを3分の1程度
摘果7月下旬〜8月
柑橘は実の多い年と少ない年を繰り返す隔年結果を起こします。夏に幼果を間引くとこれを防げます。中晩柑は1果が大きくなる品種が多いので、残す数を温州みかんより減らします。実を減らすと糖度も上がるので、もったいない作業ではありません。
越冬(中晩柑でいちばん大事な作業)
中晩柑は実を木につけたまま真冬を越します。ここが温州みかんとの決定的な違いにあたります。実が凍ると水っぽくなって味が落ち、ひどいと落ちます。防ぎ方は3つ。1つめは実に袋をかけること。2つめは寒風を防ぐ位置に植えるか、風よけを立てること。3つめは鉢植えにして冬だけ移動すること。幼木はとくに弱いので、植えてから3〜4年は必ず対策します。
収穫と予措1月〜4月
果皮が色づいても、穫ってすぐは酸が強くて食べられない品種が多いのが中晩柑の特徴です。ハサミで軸を切って穫り、風通しのよい涼しい場所に1か月ほど置きます。この間に酸が抜けて甘く感じるようになります。これを予措と呼びます。八朔や不知火はとくにこの工程が要ります。焦って食べると「酸っぱいだけだった」で終わるので、置く時間を見込んで収穫してください。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 穫った実が酸っぱくて食べられない | 予措をしていない。中晩柑は収穫直後は酸が強い | 風通しのよい涼しい場所に1か月ほど置いてから食べる |
| 冬を越した実が水っぽく、味が薄い | 寒さで実が傷んだ。中晩柑は実をつけたまま越冬する | 実に袋をかける。風よけを立てる。鉢植えなら冬は移動する |
| 剪定した翌年にほとんど収穫できない | すべての枝を切り詰めた。花芽は枝の先端付近に付く | 30cm以上の長い枝だけを3分の1切り詰める。短い枝は残す |
| 実が多い年と少ない年が交互に来る | 隔年結果 | 7月下旬〜8月に摘果して実の数を減らす |
主な病気と害虫
中晩柑の育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- さわやかな香りと酸味がたまらない!おいしいカンキツ類を育てよう(三輪正幸)タキイ種苗 タキイネット通販
- とれたてのみずみずしさが魅力 シトラスフルーツの育て方(小林幹夫)タキイ種苗 タキイネット通販
- せとか農研機構 育成品種
中晩柑の品種
6品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- 不知火しらぬひ農林水産省の果樹試験場口之津支場(長崎県)で清見にポンカンを交配して育成された柑橘。果実の上部が瘤のように盛り上がるのが見た目の特徴にあたる。皮がむきやすく種がほとんど入らない。糖度が高く、酸が抜けてから食べる。
- せとか農研機構が長崎県口之津で育成し、2001年に品種登録した柑橘。清見とアンコールを掛けたものに、さらにマーコットを交配している。果皮が薄く、じょうのう(薄皮)も薄いのでそのまま食べられる。香りが強く糖度が高い。2月ごろに穫れる。
- 清見きよみ静岡県の果樹試験場興津支場で、温州みかんの宮川早生にトロビタオレンジを交配して育成され、1979年に品種登録された。日本で最初に育成されたタンゴール(ミカンとオレンジの雑種)にあたる。オレンジの香りと、みかんの食べやすさを併せ持つ。3月から4月に穫れる。
- 八朔はっさく広島県発祥地広島県因島で1860年ごろに偶然生えた木から見つかった柑橘。果肉は粒がしっかりしていて、口の中でほぐれる食感がある。ほろ苦さと酸味があり、甘さは控えめ。じょうのうが厚いのでむいて食べる。2月から3月に穫れる。
- 甘夏あまなつ大分県1935年に大分県津久見市で、川野豊が夏みかんの枝変わりとして見つけた柑橘。1950年に品種登録された。正式な品種名は川野夏橙にあたる。夏みかんより酸味が少なく糖度が高い。果皮が厚く、むいてから薄皮も外して食べる。
- はるみ農研機構の興津拠点で清見にポンカンを交配して育成し、1999年に品種登録した柑橘。果重180〜200gの扁球形で、果皮は橙色でなめらか。皮がむきやすく、じょうのう(薄皮)も薄いのでそのまま食べられる。種が少ない。