果樹類
イチジク
花を果実の内側に付けるため、外から花が見えないことが「無花果」の由来。挿し木で容易に殖え、植えた翌々年から穫れる。完熟すると日持ちしない。
- 旬
- 秋
- 育てやすさ
- やさしい
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 18〜30℃
- 登録品種
- 5品種
Ficus carica ・ 原産 アラビア半島南部 ・ 出典: ウィキペディア日本語版
いちじく / 無花果 ・ クワ科
栽培カレンダー
タネまき — / 植え付け 11〜12月・3月 / 収穫 7〜10月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期です | 4月は植え付けの時期ではありません | 5月は植え付けの時期ではありません | 6月は植え付けの時期ではありません | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期ではありません | 10月は植え付けの時期ではありません | 11月は植え付けの時期です | 12月は植え付けの時期です |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期です | 8月は収穫の時期です | 9月は収穫の時期です | 10月は収穫の時期です | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
イチジクの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
イチジク栽培の前提
- 分類
- クワ科イチジク属。漢字で「無花果」
- 日本で作れる系統
- 普通系とサンペドロ系のみ
- 主な品種
- 蓬莱柿(日本イチジク)、桝井ドーフィン
- 鉢
- 深さ30cmほどの10号サイズ
- 水やり
- 4〜10月は毎日。夏は1日2回。冬は週1回程度
- 結果習性
- 夏果は前年枝の先端、秋果はその年伸びた新梢に付く
- 芽かき
- 新芽同士が20cm離れるように、3回に分けて
- 1年目
- 実が付いても収穫を控え、骨格づくりを優先する
品種の選び方
「無花果」と書くのは、花を咲かせずに実を付けるように見えるからですが、実際には実の中に花を咲かせています。割ってはじめて粒状の花が観察できます。品種は200以上あり、大きく4系統に分かれますが、日本で栽培できるのは普通系とサンペドロ系の2つだけです。スミルナ系とカブリ系は受粉に必要なイチジクコバチが日本にいないため作れません。日本で流通する主な品種は、江戸時代に中国から入った蓬莱柿(日本イチジク)と、明治期に入った北アメリカ原産の桝井ドーフィンです。蓬莱柿は小ぶりで白っぽく、やや酸味がありながら甘みも強い。桝井ドーフィンは実が大きく収量も多いので、多くの農家が栽培しています。苗木を選ぶときは、収穫時期も合わせて確認してください。
育て方の手順
植え付けと置き場所
日当たりのよい場所が基本です。地植えでも鉢植えでも十分に収穫を楽しめます。鉢は深さ30cmほどの10号サイズを選んでください。室内で鉢植えにする場合は、冬以外の日中はベランダなどに出して日を当てます。
プランターの場合 — 鉢は深さ30cmほどの10号サイズを選びます。地植えでも鉢植えでも十分に収穫を楽しめます。
水やり
水分不足になると木が弱り、実も小さくなります。気温が上がっていく4〜10月は毎日、夏の暑い時期は1日2回が理想です。冬は頻度を落として週1回程度にします。
施肥
鉢植えではしっかり与えることが大切です。1年目は緩効性化成肥料10〜20gを、5〜10月の間に2回。2年目以降は4〜10月の毎月に化成肥料5g程度、冬には油かすを50g程度与えます。
- 1年目
- 緩効性化成肥料10〜20gを5〜10月に2回
- 2年目以降
- 4〜10月に毎月化成肥料5g、冬に油かす50g
剪定
収穫する果実によって切り方が変わります。前年枝の先端だけに実を付ける夏果は「間引き剪定」が基本。前年枝から伸びた新梢に実を付ける秋果は、前年枝を枝元から2〜3芽残して切り戻します。夏果と秋果の両方を穫るなら、木の育ち具合と枝の状態を見ながら両方をバランスよく行ってください。仕立ては開心自然形が扱いやすく、1年目の夏に3本の主枝を育ててほかの芽は10cmでカット、1年目の冬に伸びた3本を30cmで切り戻す。2年目は主枝から伸びる結果枝を3本残してほかはかき取り、冬に結果枝を3分の1程度、そのほかを20cmで切り戻す。3年目も同様ですが、枝が混んでくるので間引いて全体に日が当たるようにします。
芽かき冬の剪定後、春に新芽が出たら
不要な芽を取り除いて、それぞれの葉に養分が十分いきわたるようにします。新芽同士が20cm程度離れた状態を目指し、回数を分けて行います。葉が2〜3枚開いたときに1回目、枝が10cmで葉が5〜6枚のときに2回目、枝が30cmで葉が8〜9枚のときに3回目です。
収穫
果実の先端が割れてきたら完熟のしるしですが、そこまで待つと害虫や鳥にやられやすくなります。内部がまだ硬いうちに穫って冷蔵庫で追熟させる方法もあります。収穫を早めたいなら「オイリング」という手があります。実が3cmほどになってやや赤みを帯びた頃、ごま油や菜種油、オリーブオイルを果実の中心部に数滴垂らすと、1週間ほど収穫時期が早まります。種子を包む部分にはかけないでください。
鳥対策
実が熟してくると鳥がつつきに来ます。最も簡単なのは、実を台所用の水切りネットやビニールで覆う方法です。鉢植えなら手軽で確実です。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 1年目に収穫したら、翌年から手の届かない場所にしか実が付かなくなった | 切り戻しをせずに収穫したため、先端から新梢が伸びていった | 1年目は実が付いても収穫を控え、切り戻しをして骨格づくりを優先する |
| 木が急に枯れた、幹に穴が空いて木くずが落ちている | カミキリムシが幹の内部に侵入して巣食った | 樹皮の変色、ヤニ、木くず状の糞を見つけたら穴に殺虫剤スプレーを吹きかける |
| 実が小さい、木が弱る | 水分不足 | 4〜10月は毎日、夏は1日2回水をやる |
| 葉が白い粉をまぶしたようになる | うどんこ病。栄養を奪われ光合成も妨げられる | 重曹500倍液や酢100倍液のスプレー、または専用薬剤を使う |
| 雨のあとに葉や茎に水浸状の斑点が出た | 疫病。果実の表面も暗い紫色になり白カビが出る | 雨が当たらないようシートをかける。雨のあとに専用薬剤を散布する |
主な病気と害虫
イチジクの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- イチジクの育て方・栽培方法|収穫までのポイントを初心者向けにわかりやすく解説コーナンTips
- ほおばる、とろける、幸せの甘さ 完熟イチジクを育てる(大森直樹)タキイ種苗 タキイネット通販
- イチジクの育て方・栽培方法(植物図鑑)NHK出版 みんなの趣味の園芸
- イチジクの剪定方法と時期|夏果・秋果の収穫で仕方が違う!剪定110番
栄養成分
可食部100gあたり / 果実類/いちじく/生
- エネルギー
- 57kcal
- たんぱく質
- 0.4g
- 脂質
- (0.1)g
- 炭水化物
- (11.0)g
- 食物繊維総量
- 1.9g
- カリウム
- 170mg
- カルシウム
- 26mg
- 鉄
- 0.3mg
- ビタミンK
- (3)µg
- 葉酸
- 22µg
- ビタミンC
- 2mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 07015)
イチジクの品種
5品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- おすすめ桝井ドーフィンますいどーふぃん国内でもっとも多く作られるイチジク。明治期に桝井光次郎氏がアメリカから持ち帰ったことが名の由来にあたる。夏果と秋果の両方が穫れ、果実が大きく日持ちする。イチジクは受粉なしで実がなるので、1本だけ植えても穫れる。
- 蓬莱柿ほうらいし江戸期に渡来したイチジクの在来種。「日本いちじく」とも呼ばれる。秋果専用で、桝井ドーフィンより小ぶりだが甘みが濃い。完熟すると実の先が大きく割れる。傷みやすく流通に向かないので、産地の外ではあまり見かけない。
- バナーネ細長い形のイチジク。「ロングドゥート」とも呼ばれる。糖度が非常に高く、完熟すると蜜のような甘さになる。皮が薄く、皮ごと食べられる。夏果と秋果の両方が穫れる。完熟すると実が裂けやすいので、木で完熟させて穫る家庭菜園向きにあたる。
- ホワイトゼノア熟しても色づかず、黄緑色のまま穫る夏秋兼用種。原産はアメリカ。耐寒性が強く、氷点下10℃ほどまで耐えるとされる。実つきがよく、植えて数年で穫れ始める。寒冷地でイチジクを作るときの定番にあたる。
- ビオレソリエス皮が濃い紫になる黒イチジク。糖度が高く18度を超えるものが多い。完熟すると糖度25度に達することもある。果重は50〜100gと小ぶりで、果肉はねっとりしている。日本では佐賀県や新潟県の佐渡で作られていて、市場では希少な部類にあたる。