果樹類
カキ
そのまま食べられる甘柿と、渋抜きが要る渋柿がある。甘柿は寒冷地では甘くなりきらないため、東北以北では渋柿を干し柿にするのが一般的。
- 旬
- 秋
- 育てやすさ
- やさしい
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 18〜28℃
- 登録品種
- 8品種
Diospyros kaki ・ 原産 中国 ・ 出典: ウィキペディア日本語版
かき / 柿 ・ カキノキ科
栽培カレンダー
タネまき — / 植え付け 11〜12月・2〜3月 / 収穫 10〜12月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期です | 3月は植え付けの時期です | 4月は植え付けの時期ではありません | 5月は植え付けの時期ではありません | 6月は植え付けの時期ではありません | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期ではありません | 10月は植え付けの時期ではありません | 11月は植え付けの時期です | 12月は植え付けの時期です |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期です | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期です |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
カキの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
カキ栽培の前提
- 分類
- カキノキ科の落葉高木。原産は中国、日本には7世紀ごろ伝来
- 収穫まで
- 植え付けから3〜4年以上
- 植え付け
- 11〜12月(秋植え)または2〜3月(春植え)。寒冷地は春植え
- 結果習性
- 前年に伸びた1年枝の先端に花芽が付く。切り詰めると花が付かない
- 摘蕾
- 5月上〜中旬。新梢1本につき蕾1個に
- 受粉
- 5月下旬。甘柿は受粉が要る。平核無・刀根早生・次郎は不要
- 摘果
- 7月〜8月上旬。葉15〜20枚につき実1個
- 剪定
- 12月中旬〜翌年2月
品種の選び方
昭和初期には1000品種以上あったといわれ、正式な調査で確認されたものだけでも326品種あります。甘渋の違いは、実に含まれるタンニンが水に溶ける可溶性か不溶性かで決まります。可溶性の渋が舌を刺激して渋みになる。甘柿は成熟期に樹上で渋が不溶性に変わるので甘く感じ、渋柿は渋抜きや干し柿にして不溶性に変えてから食べます。もともと渋柿しかなかったところに突然変異で甘柿が生まれたため、種の有無に関係なく樹上で甘くなる完全甘柿は10数品種しかありません。品種選びで最も注意すべきは気候です。同じ甘柿でも寒冷地で栽培すると渋が抜けないことがあります。東北より北や標高の高い地域では、渋柿品種を選んで渋抜きして味わうことをおすすめします。
育て方の手順
植え付け11〜12月または2〜3月
休眠期に植えます。秋植えのほうが活着は早いですが、寒冷地では春植えにしてください。日当たりと排水のよい場所が適します。30〜50cmの植え穴を掘り、掘り上げた土に完熟堆肥10〜20L、苦土石灰100g程度、熔成リン肥50g程度を混ぜます。植え穴にバケツ1杯の水を入れ、引いたら土を半分埋め戻し、根を広げて苗木を置き、残りの土をかぶせて20〜30cmの高さの盛り土にします。深植えにせず、接ぎ木部は必ず地上に出してください。最後にもう一度たっぷり水をやり、添え木を立て、地面から50〜70cmの芽の上で切り戻します。
- 植え穴
- 30〜50cm
- 完熟堆肥
- 10〜20L
- 苦土石灰
- 100g程度
- 熔成リン肥
- 50g程度
- 切り戻し
- 地面から50〜70cm
プランターの場合 — 鉢植えでも作れます。排水がよく少し粘質の土を好みます。7〜8月の乾燥期に水が足りないと落葉して実が太らず、果面にしわが寄って戻らなくなるので、盛夏は1日3〜4回たっぷり与えてください。冬も週1回少量やって乾燥枯れを防ぎます。肥料は土に混ぜず、発酵油かすを3〜4個、表面に置きます。
年次別の仕立て12月中旬〜翌年2月
1年目は地面から50〜70cmの芽の上で切り戻します。2年目はすべての1年枝を2分の1の長さの外芽の上で切り戻す。3年目は先端の1年枝を2分の1で切り戻し、上向き・下向きの枝は元から切って、主枝候補を3本程度に絞ります。4年目以降は主枝の先端を2分の1で切り戻し、枝が重なる所を間引き、上向き・下向きの枝を元から切り、実をつけるため切らない枝を適度に配置します。
剪定12月中旬〜翌年2月
この果樹で必ず覚えておくべきことがあります。カキは前年に伸びた1年枝の先端に花芽ができるため、枝が長いからといって途中で切り詰めると花が付かず、実がなりません。骨格となる主枝・亜主枝を明確にし、その先端から基部に向けて二等辺三角形になるよう枝を配置します。骨格が多すぎると実のなる枝が起きにくくなります。立ち枝・垂れ枝は取り除きます。まずのこぎり作業をして、その後にハサミで仕上げると効率的です。残した枝から発生した新梢に実が付くので、枝と枝の間は広めにあけてください。
摘蕾5月上〜中旬
大きなカキを作るには欠かせません。新梢1本につき蕾1個になるよう数を制限します。長い枝には5〜7個の蕾が付きますが、真ん中くらいの位置にあり、下向きで傷や虫の被害のないものを残します。葉が5枚以下の枝の蕾はすべて取り除いてください。
受粉5月下旬
カキには雌花と雄花が別々にありますが、雌花しか付けない品種が多く、雄花を付けるものが受粉樹として選ばれます。甘柿を作るには受粉が必要です。受粉用の品種が近くにあればミツバチなどが運んでくれますが、なければ花粉を入手して授粉します。つりがね状の雄花を摘み、綿棒や筆に花粉をつけて雌花の雌しべにこすりつけてください。渋柿の平核無や刀根早生、甘柿の次郎は受粉が不要です。
摘果7月〜8月上旬
ならせすぎは禁物です。摘蕾で数を制限し、梅雨時期の生理落果を確認した後、葉15〜20枚につき実1個になるよう摘果します。大きくて甘い実になるうえ、来年の花芽の確保にもつながり、毎年安定して穫れるようになります。
- 摘果の目安
- 葉15〜20枚につき1果
施肥
着果するまでの1〜3年は施肥せず、地力だけで十分です。成木の元肥は2月下旬〜3月上旬、チッソ成分量で100㎡あたり1kg程度。追肥は6月下旬〜7月中旬にチッソ成分量で100㎡あたり300〜500g。ただし生理落果して枝の伸びが旺盛な場合は減らします。やりすぎは着色不良と枝の遅伸びの原因です。10月上旬までに収穫が終わる品種は、収穫後にお礼肥として100㎡あたり100〜200gを施して樹勢を回復させます。
収穫
実の色づき具合で判断します。緑→黄緑→黄→橙→朱→紅と変化し、適熟の色は品種で違います。富有・さえふじ・次郎・蜂屋は橙〜朱色、太秋・刀根早生・平核無は黄〜橙色、早秋は朱〜紅色で穫るとおいしく食べられます。適熟前に穫ると甘みも果汁も少なくなります。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 剪定したら実がならなくなった | 1年枝の先端に花芽が付くのに、枝を途中で切り詰めた | 1年枝の先端は切らない。骨格を整理して、実のなる枝は残す |
| 甘柿を植えたのに渋い | 寒冷地で栽培したため、樹上で渋が抜けなかった | 東北より北や標高の高い地域では渋柿品種を選び、渋抜きして食べる |
| 実が付く年と付かない年が交互になる | 隔年結果。実の多い年は養分を使い果たし、翌年の花芽が付かない | 摘蕾と摘果をきちんと行う。この2つが隔年結果の防止に大きく効く |
| 実が小さい、甘くない | ならせすぎ | 新梢1本に蕾1個、葉15〜20枚に実1個まで減らす |
| 着色が悪い、枝が秋まで伸び続ける | 追肥のやりすぎ | 生理落果して枝の伸びが旺盛なら追肥を減らす |
| 甘柿なのに実が落ちる | 受粉していない | 受粉樹を混植する。なければ花粉を入手して人工授粉する |
主な病気と害虫
カキの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- 大きくておいしいカキを収穫しよう! 育て方のポイント(尾関健)タキイ種苗 タキイネット通販
- 基礎から覚える 果樹の受粉マニュアル(大森直樹)タキイ種苗 タキイネット通販
- カキ(柿)の育て方・栽培方法(植物図鑑)NHK出版 みんなの趣味の園芸
- カキの育て方(HowTo情報)コメリ
栄養成分
可食部100gあたり / 果実類/かき/甘がき/生
- エネルギー
- 63kcal
- たんぱく質
- 0.3g
- 脂質
- 0.1g
- 炭水化物
- 13.3g
- 食物繊維総量
- 1.6g
- カリウム
- 170mg
- カルシウム
- 9mg
- 鉄
- 0.2mg
- ビタミンK
- (2)µg
- 葉酸
- 18µg
- ビタミンC
- 70mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 07049)
カキをよく買う地域
2023年(令和5年)~2025年(令和7年)平均 / 全国平均 1.8 kg / 統計での品目名: 柿
この数字は1人当たりではありません。二人以上の世帯1世帯あたりが1年間に買った量です。調べているのは都道府県全体ではなく、 県庁所在市と政令指定都市の52市。 買った量なので、自分で育てて食べた分や、外食で食べた分は入っていません。
少ない側(52市中の下位3市)
出典: 家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(総務省統計局)
カキの品種
8品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- おすすめ富有ふゆう岐阜県甘柿の代表品種。果肉がやわらかく、とろけるような食感になる。岐阜県瑞穂市が発祥とされる。完全甘柿にあたり、種の有無にかかわらず渋が抜けるので、木で熟せばそのまま食べられる。11月ごろが穫りどきになる。
- 次郎じろう静岡県四角ばった形の甘柿。静岡県が発祥とされる。富有より果肉が硬く、歯ごたえがある。完全甘柿にあたり、渋抜きが要らない。やわらかい柿が苦手な人に選ばれる。硬めのうちに穫って食べるのが持ち味になる。
- 平核無ひらたねなし種がない渋柿。渋抜きしてから出荷される。同じ品種でも産地によって呼び名が変わり、山形の庄内地方では「庄内柿」、新潟では「おけさ柿」として流通する。種がないので食べやすく、渋を抜くと強い甘みが出る。
- 刀根早生とねわせ奈良県平核無の枝変わりから生まれた早生の渋柿。奈良県天理市で刀根淑民氏が発見したことが名の由来にあたる。平核無より2週間ほど早く穫れる。種がなく、渋抜きしてから出荷される点は平核無と同じになる。
- 甲州百目こうしゅうひゃくめ1個300g前後になる大型の渋柿。あんぽ柿や枯露柿など、干し柿の原料として使われる。「百目」は重さが百匁(約375g)あることに由来するとされる。大きいので干し柿にしたときの食べごたえがあり、干す過程で渋が抜けて強い甘みが出る。
- 太秋たいしゅう1995年に品種登録された完全甘柿。350〜400gと大きく、サクサクした歯ごたえと多い果汁が持ち味にあたる。果肉は緻密でやわらかく、甘みが強い。10月下旬から11月上旬に穫れ、富有より早い。皮に条紋と呼ばれる黒い線が出やすいが、これは糖度が上がったしるしになる。
- 禅寺丸ぜんじまる種が入ると甘くなる不完全甘柿。種のまわりに茶色いゴマが入った実は甘く、種が入らなかった実は渋いまま残る。同じ木から甘い実と渋い実が穫れることになる。日本の甘柿のなかでも古い品種にあたり、花粉が多いので他の柿の受粉樹としても使われる。
- 西条さいじょう広島県広島県の西条が発祥とされる渋柿。発祥は約800年前にさかのぼる。ずんぐりした縦長の形で、表面に4本の溝が入るのが目印にあたる。100〜150gとやや小さい。渋を抜くと甘みが強く、果肉は緻密でやわらかい。古くから干し柿に使われてきた。