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果樹類

バナナ

木のように見えて、多年生の大型の草にあたる。日本国内での栽培は小笠原が最初と言われており、いまも小笠原と沖縄・奄美が産地になる。葉が42〜45枚ほど開くと花芽が出て、植え付けから13か月ほどで穫れる。背が高く風に弱いので、台風の通る地域では台風シーズンの前に穫り終える作型を組む。株元から出る子株を次の親に育てて続ける。実は緑のうちに穫り、室温に置いて黄色くしてから食べる。

旬
夏
育てやすさ
むずかしい
プランター
広さが要る
登録品種
1品種

原産 マレーシア原産と考えられている。小笠原諸島に渡ったのち、1870年代に小笠原から沖縄へ移されたと言われている ・ 出典: 旬の食材百科

ばなな / 島バナナ・小笠原バナナ ・ バショウ科

栽培カレンダー

タネまき — / 植え付け 3〜5月 / 収穫 3〜11月

月ごとのタネまき・植え付け・収穫の時期(露地栽培の目安)
作業123456789101112
植え付けなしなしありありありなしなしなしなしなしなしなし
収穫なしなしありありありありありありありありありなし

カレンダーの読み方

  • タネまき
  • 植え付け
  • 収穫
  • その時期ではない

露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。

バナナの育て方

土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。

バナナ栽培の前提

科
バショウ科。木のように見えるが多年生の大型の草にあたる
食べるところ
実。緑のうちに穫り、室温に置いて黄色くしてから食べる
作れる地域
霜の降りない土地。日本では小笠原と沖縄・奄美が産地にあたる。国内での栽培は小笠原が最初と言われている
植え付け
3〜4月。遅くとも5月いっぱいまでに済ませる
畦幅と株間
畦幅3m、株間1.5m。10アールあたり220本
植え溝
幅40cm、深さ30cm
元肥
1株あたり堆肥5kgと化成肥料20g
花芽が出るまで
葉が42〜45枚開くと花芽が出る
植え付けから収穫
組織培養苗で13か月前後。3〜4月に植えると翌年6月までに穫れる
収穫期(小笠原)
3〜11月。最盛期は6月
収量
1房10段で20kgほど。子株から採った苗では1本10kg前後
台風
沖縄では7〜9月。収穫を台風シーズンの前に終える作型を組む
追熟
穫ったあと室温に置くと1週間ほどで全体が黄色くなる

品種の選び方

小笠原ではキング、三尺、三角の3つが作られています。キングは実が小さく、酸味のある濃い味で果肉が引き締まっています。外国産が多く出回る前から食べられてきたもので、沖縄へ渡ったあとは島バナナ、小笠原バナナと呼ばれて親しまれています。三尺はドワーフキャベンディッシュという品種で、店に並ぶ輸入バナナもこの仲間にあたります。三角は調理用とされていますが、完熟したものを生で食べる人もいます。苗は、株元の子株から採ったものではなく、組織培養で作られた無病の苗を選びます。子株から採った苗は親株の病気をそのまま持ち込むためで、斑葉病・萎縮病・萎ちょう病はこの経路で広がります。

育て方の手順

  1. 苗を選んで植える3〜4月。遅くとも5月いっぱい

    畦幅3mを取り、その間に幅40cm・深さ30cmの溝を作って、株間1.5mで植えます。10アールあたり220本になります。元肥は1株あたり堆肥5kgと、窒素・リン酸・カリが同量の化成肥料20gです。苗は組織培養で作られた無病のものを使います。沖縄では、台風が来る前に穫り終えるために植え付けを3〜4月に寄せ、遅くとも5月いっぱいまでに済ませます。

    畦幅
    3m
    株間
    1.5m
    植える本数
    10アールあたり220本
    植え溝
    幅40cm・深さ30cm
    元肥
    1株あたり堆肥5kg+化成肥料20g
  2. 水をやって根を付かせる植え付けから2週間

    根が付くまでのおよそ2週間は水をやります。夏の干ばつのときも、水が足りないと葉の出る速さが目に見えて落ちるので水やりが要ります。中耕は追肥を兼ねて年1〜2回、草取りは少なくとも年4回行います。

    活着までの水やり
    植え付け後およそ2週間
    中耕
    年1〜2回(追肥を兼ねる)
    草取り
    少なくとも年4回
  3. 追肥を重ねる4月から翌年4月まで

    バナナは肥料をよく吸います。島バナナの実が小さくみすぼらしいものだと思われてきたのは、肥料をほとんどやっていなかったことが理由でした。元肥と追肥をきちんと入れると実は丸みを帯びて太り、収量がおよそ2倍になります。化成肥料を1株あたり、4〜5月は30g、6〜7月は50g、8〜9月は80g、10〜11月は100g。12月と3〜4月はカリの多い肥料を400g入れます。

    4〜5月
    化成肥料30g(1株あたり)
    6〜7月
    化成肥料50g(1株あたり)
    8〜9月
    化成肥料80g(1株あたり)
    10〜11月
    化成肥料100g(1株あたり)
    12月・3〜4月
    カリの多い肥料400g(1株あたり)
  4. 台風をやりすごす7〜9月

    沖縄の台風シーズンは7〜9月です。3〜4月に植えた苗はこの時期に150〜200cmまで育っています。上の葉を1〜2枚だけ残してほかを落とすと、風で幹が傾くことはあっても折れることはほとんどありません。通り過ぎたあと、傾いた株をすぐに起こしてはいけません。根が切れて生育が極端に遅れます。傾いたまま置きます。

    台風シーズン(沖縄)
    7〜9月
    そのときの草丈
    150〜200cm
    残す葉
    上部の1〜2枚
  5. 子株を整理する収穫が近づくころ

    収穫前になると株元から子株が数本以上出てきます。次の親にする1〜2本だけ残し、ほかは取り除きます。残しすぎると実を太らせる養分がそちらへ回ります。残した子株が翌年の収穫を受け持つので、これをくり返して続けます。

    残す子株
    1〜2本
  6. 花が終わったら先を切り、袋をかける雌花が咲き終わったら

    花房は上から順に雌花が10段ほど、その下に実にならない中性花が1〜2段、さらに下は雄花になります。雌花が咲き終わったら、切り口が乾きやすい晴れた日に、果軸の先を一握り残して切り落とします。残した段の実が太ります。そのあと穴の開いた袋をかけて、病害虫と日焼け、すり傷を防ぎます。袋は通気のよいものを選びます。

    雌花の段数
    10段ほど
    切るところ
    果軸の先を一握り残して落とす
  7. 穫って追熟させる3〜11月(最盛期は6月)

    実が太り、断面の稜角が丸みを帯びてきたら穫ります。この状態で室温に置くと1週間ほどで全体が黄色くなるので、薬剤での追熟処理は要りません。皮が黄色くなって黒い斑点が出始めたころが食べごろです。早めたいときはリンゴと一緒に袋へ入れて一晩おき、そのあと吊るします。

    穫りどきの見方
    実の稜角が丸みを帯びたとき
    室温での追熟
    1週間ほどで全体が黄色くなる

よくある失敗と防ぎ方

起きること原因防ぎ方
実が小さく、見栄えがしない肥料が足りていない。バナナは肥料をよく吸う草にあたる元肥に1株あたり堆肥5kgと化成肥料20gを入れ、以降は月ごとに追肥を重ねる
台風で幹が折れた葉を付けたまま風を受けた台風が来る前に上部の葉1〜2枚だけ残してほかを落とす。収穫そのものを台風シーズンの前に終える作型を組む
台風のあと、生育が止まった傾いた株をすぐに起こして根を切った傾いたまま置いておく。起こさない
植えた株が育たないまま弱っていく株元の子株から採った苗が、親株の病気を持ち込んだ組織培養で作られた無病の苗を植える。病気の出ていない畑を選び、発病した株は早く掘り取って処分する
実に黒い病斑が出て売り物にならない黒星病。雨のしずくに混じって伝染する実が付いたらすぐに袋をかける。袋は通気のよいものにする

主な病気と害虫

  • 病気バナナ黒星病葉と実に出る。実に出ると商品価値が大きく落ちる。雨のしずくで伝染するので、実が付いたらすぐ通気のよい袋をかける。
  • 害虫バナナクキゾウムシ幹に食い入って株を弱らせる。無病の苗を植え、被害を受けた株は掘り取って処分する。
  • 害虫バナナセセリ年に4回世代をくり返す。8月ごろから被害が目立ち、10〜12月にいちばん多くなる。卵・幼虫・さなぎを見つけしだい取り除く。

バナナの育て方の出典

ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。

栄養成分

可食部100gあたり / 果実類/バナナ/生

エネルギー
93kcal
たんぱく質
0.7g
脂質
(0.1)g
炭水化物
19.4g
食物繊維総量
1.1g
カリウム
360mg
カルシウム
6mg
鉄
0.3mg
ビタミンK
(Tr)µg
葉酸
26µg
ビタミンC
16mg
食塩相当量
0g

「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 07107)