中晩柑の品種
甘夏
- 大分県
- 津久見市
1935年に大分県津久見市で、川野豊が夏みかんの枝変わりとして見つけた柑橘。1950年に品種登録された。正式な品種名は川野夏橙にあたる。夏みかんより酸味が少なく糖度が高い。果皮が厚く、むいてから薄皮も外して食べる。
あまなつ
1本で実がなります。受粉樹は要りません。
1本で実がなる果樹の一覧 もあります。
ほかの品種と何が違うのか
夏みかんの枝変わり。親より酸味が少なく食べやすくなった。
この品種の要点
- 産地
- 大分県 / 津久見市
この品種が生まれた理由
夏みかんは酸味が強く、木の上で年を越して酸が抜けるのを待つ果物だった。その夏みかんの木の一部の枝だけが、酸の少ない実をつけるように変わったものを選び出したのが甘夏にあたる。1955年ごろから増殖が進み、1965年ごろには夏みかんからの植え替えが広がった。ただし1971年のグレープフルーツ輸入自由化以降は生産が減っている。
味と食感
夏みかんより酸味が少なく、ほろ苦さがある。果肉の粒がしっかりしていて、口の中でほぐれる。甘さは控えめで、さっぱりした後味になる。
甘夏を育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなど中晩柑に共通する基本は中晩柑のページを参照してください。
- 中晩柑の中では寒さに強い部類にあたる。八朔と並んで作りやすい。
- 1本で実がつく。受粉樹は要らない。
- 実が大きく重い。枝が折れないよう摘果する。
- 収穫が4〜5月と遅い。その間、実を木につけたまま越冬させる。
プランター・家庭菜園で育てる
- 10号以上の鉢を使う。中晩柑の中では寒さに強いので鉢栽培の入門に向く。
- 実が大きく重い。鉢では枝が下がるので支柱を立てる。
- 冬に軒下や室内へ移せるようにしておく。
収穫適期の見分け方
- 果皮が濃い黄色になったら穫る。収穫は4〜5月と柑橘の中でも遅い。
- 穫ってすぐは酸が強い。しばらく置いて酸を抜いてから食べる。
- 木につけたまま置くほど酸が抜けるが、寒害の危険も長くなる。
保存と食べ方
果皮が厚いので日持ちがよい。涼しい場所に置けば1か月ほど保つ。穫ってすぐは酸が強いので、しばらく置いてから食べる。
よくある失敗
- ほろ苦さがあるので、甘い柑橘を期待すると違って感じられる。これが本来の味にあたる。
- 果皮が厚く、薄皮も硬い。むく手間がかかる。
- 正式な品種名は川野夏橙にあたる。苗を探すときはこの名前でも引ける。
栽培カレンダー
中晩柑の一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期です | 4月は植え付けの時期です | 5月は植え付けの時期ではありません | 6月は植え付けの時期ではありません | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期ではありません | 10月は植え付けの時期ではありません | 11月は植え付けの時期ではありません | 12月は植え付けの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期です | 2月は収穫の時期です | 3月は収穫の時期です | 4月は収穫の時期です | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
中晩柑のほかの品種
5品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- 不知火しらぬひ農林水産省の果樹試験場口之津支場(長崎県)で清見にポンカンを交配して育成された柑橘。果実の上部が瘤のように盛り上がるのが見た目の特徴にあたる。皮がむきやすく種がほとんど入らない。糖度が高く、酸が抜けてから食べる。
- せとか農研機構が長崎県口之津で育成し、2001年に品種登録した柑橘。清見とアンコールを掛けたものに、さらにマーコットを交配している。果皮が薄く、じょうのう(薄皮)も薄いのでそのまま食べられる。香りが強く糖度が高い。2月ごろに穫れる。
- 清見きよみ静岡県の果樹試験場興津支場で、温州みかんの宮川早生にトロビタオレンジを交配して育成され、1979年に品種登録された。日本で最初に育成されたタンゴール(ミカンとオレンジの雑種)にあたる。オレンジの香りと、みかんの食べやすさを併せ持つ。3月から4月に穫れる。
- 八朔はっさく広島県発祥地広島県因島で1860年ごろに偶然生えた木から見つかった柑橘。果肉は粒がしっかりしていて、口の中でほぐれる食感がある。ほろ苦さと酸味があり、甘さは控えめ。じょうのうが厚いのでむいて食べる。2月から3月に穫れる。
- はるみ農研機構の興津拠点で清見にポンカンを交配して育成し、1999年に品種登録した柑橘。果重180〜200gの扁球形で、果皮は橙色でなめらか。皮がむきやすく、じょうのう(薄皮)も薄いのでそのまま食べられる。種が少ない。