イモ類
ジャガイモ
種イモから育てる。春作と秋作があり、秋作は種イモを切らずに植えるのが基本。茎葉が枯れたら掘り上げる。
- 旬
- 夏・秋・冬
- 育てやすさ
- やさしい
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 12〜22℃
- 登録品種
- 11品種
Solanum tuberosum ・ 原産 南アメリカのアンデス地方 ・ 出典: ウィキペディア日本語版
じゃがいも / 馬鈴薯 ・ ナス科
栽培カレンダー
タネまき 2〜3月・8〜9月 / 植え付け — / 収穫 6〜7月・11〜12月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期です | 3月はタネまきの時期です | 4月はタネまきの時期ではありません | 5月はタネまきの時期ではありません | 6月はタネまきの時期ではありません | 7月はタネまきの時期ではありません | 8月はタネまきの時期です | 9月はタネまきの時期です | 10月はタネまきの時期ではありません | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期です | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期です |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
ジャガイモの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
ジャガイモ栽培の前提
- 好む気候
- 冷涼。生育期間中の平均気温15〜20℃が向く
- イモが太る適温
- 15〜18℃。昼夜の温度差が大きいほど収量が上がる
- 植え付けの目安
- その土地の平均気温が10℃になった頃
- 種いも1片の重さ
- 30〜60g。40g前後を狙うと扱いやすい
- 株間
- 25〜35cm。30cm前後が無難
- 覆土
- 5〜10cm。マルチ栽培は8〜10cmと厚めに
- 連作
- 嫌う。ナス科を2〜3年作っていない畑を選ぶ
- 土のpH
- 5.6を超えるとそうか病が出やすい。石灰を入れすぎない
- 貯蔵
- 風通しのよい暗所で5℃前後
品種の選び方
ジャガイモは煮くずれのしやすさで選ぶと外しません。粉質のものは加熱するとほくほくになり、粉ふきいもやコロッケに向く一方、煮物では形が残りません。粘質のものは煮くずれしにくく、カレーや肉じゃがに向きます。皮や果肉に色のついた品種もあります。種いもは必ず種苗店やホームセンターで売っている検査済みのものを買ってください。前の年に穫ったイモや食用のイモを植えると、ウイルス病を持ち込むことがあります。植え付けに向くのは、休眠が明けて頂部の芽が2〜3個動き出した状態のものです。春作と秋作があり、秋作ができるのは関東以西の中間地と暖地に限られます。寒冷地は春作だけです。
育て方の手順
土づくり植え付けの1か月〜2週間前
完熟堆肥と苦土石灰を入れて深く耕します。ここで注意したいのが石灰の量です。ジャガイモは土がアルカリ性に寄ると、イモの表面がかさぶた状になるそうか病にかかりやすくなります。pH5.6を超えると出やすくなるので、他の野菜と同じ感覚で石灰を入れないでください。むしろやや酸性のままのほうが無難です。過湿も嫌うので、水はけの悪い畑は避けるか高畝にします。
- 苦土石灰
- 1㎡あたり約50g(入れすぎない)
- 完熟堆肥
- 1㎡あたり1〜2kg
種いもを切って乾かす植え付けの1〜2日前
1片が30〜60gになるよう縦に切ります。40g前後を目安にすると扱いやすいでしょう。切り方には決まりがあります。イモの頂部(芽が集まっている側)は芽の数が多く勢いも強いので、頂部から根の付いていた側へ向かって縦に切り、どの切片にも頂部の芽が入るようにします。横に切ると芽の少ない切片ができ、出芽がそろいません。切ったら2〜3日、風通しのよい日陰で切り口を乾かします。草木灰を切り口に付ける方法もあります。どちらも植えたあとに腐るのを防ぐためです。なお40〜60gの小さめのイモは切らずにそのまま植えられます。秋作は切り口から腐りやすいので、小さいイモを選んで丸のまま植えるのが確実です。
- 1片の重さ
- 30〜60g
- 切り口を乾かす
- 2〜3日、風通しのよい日陰で
- 切らずに植えられる大きさ
- 40〜60g
芽出し(浴光催芽)植え付けの20〜30日前
種いもに光を当てて、あらかじめ短くて丈夫な芽を作らせておく作業です。6〜20℃の場所で20〜30日、日光か明るい散光に当てると、3〜5mmほどの固くて濃い緑の芽になります。この芽は輸送や植え付けで折れにくく、植えたあとの出芽が7〜10日早まります。結果として収穫量も増えます。むらが出ないよう、期間中に2〜3回イモの位置を入れ替えてください。日中20℃を超えると徒長して軟らかい芽になるので、温度が上がりすぎないようにします。省いても育ちますが、やっておくと出芽がそろいます。
- 温度
- 6〜20℃(日中20℃を超えない)
- 期間
- 20〜30日
- できる芽
- 3〜5mmの固い芽
植え付け春作は晩霜の心配が無くなり次第できるだけ早く
畝幅60〜70cmの1条植えにし、株間25〜35cmで切り口を下に向けて置きます。株間は仕上がりを左右します。25cmより詰めると数は穫れても小粒ばかりになり、35cmより広げると大きくなりすぎて変形や中心空洞が増えます。30cm前後にしておくのが無難です。元肥は種いもの間に置き、イモに直接触れないようにします。触れると肥料やけを起こします。覆土は5〜6cm、マルチを張る場合は土寄せができないぶん8〜10cmと厚めにして高畝に仕上げます。浅植えのほうが地温が上がって出芽が早まりますが、乾く畑では逆効果です。深すぎると出芽が遅れます。
- 畝幅
- 60〜70cmの1条植え
- 株間
- 25〜35cm(30cm前後が無難)
- 覆土
- 5〜6cm。マルチ栽培は8〜10cm
- 1作の施肥量
- 10㎡あたりチッソ70〜100g・リン酸100〜120g・カリ90〜120g
- 堆肥を入れる場合
- 完熟堆肥20kg/10㎡なら化成肥料を2割減らせる
プランターの場合 — 深さ30cm以上のプランターか、土のう袋でも作れます。土寄せの余地を残すため、はじめは土を半分ほどにしておき、芽が伸びるのに合わせて足していきます。
芽かき芽が8〜10cmに伸びた頃
勢いのよい芽を残して、他は根元から抜きます。残す本数でイモの大きさが決まります。2〜3本残すと数が穫れ、1〜2本に絞ると大きなイモになります。小さいイモをたくさん穫りたいなら多めに残しても構いません。抜くときは種いもごと持ち上がらないよう、片手で株元を押さえてから引き抜いてください。
- 残す芽
- 2〜3本(大きくしたいなら1〜2本)
追肥・中耕・1回目の土寄せ芽かきと同時、または草丈15cm頃
畝に沿って化成肥料をまき、除草を兼ねて浅く中耕してから、株元に5cmほど土を寄せます。中耕には土をやわらかくして水分と空気の通りをよくし、肥料の分解と根の伸びを助ける働きがあります。生えてきた雑草もここで片づきます。
- 化成肥料
- 1㎡あたり約40g
- 土寄せの厚さ
- 約5cm
2回目の土寄せ出芽から20日ほど、草丈30cm頃
さらに10〜15cm土を寄せます。畝の断面がかまぼこ型になるように、山と谷の差が20〜25cmになるまで盛ってください。土寄せはこの作物でいちばん大事な作業です。新しいイモは種いもの上から伸びるほふく枝(ストロン)の先にできるため、土が足りないとイモが太れず、地表に出たイモは日に当たって緑色になります。緑色になった部分は食べられません。ただし遅れてから厚く寄せるとほふく枝を傷つけ、茎葉の傷から軟腐病や疫病が入ります。時期を逃さないでください。
- 土寄せの厚さ
- 10〜15cm
- 仕上がり
- 畝の山と谷の差が20〜25cm
収穫茎葉が半分以上枯れてから。晴天が2〜3日続いて土が乾いた日に
茎葉が枯れ、イモの皮が固まってから掘ります。土が湿っていると掘ったイモが腐りやすいので、必ず乾いた日を選んでください。掘り上げたら半日ほど天日に当てて表面を乾かします。乾かすことは、付いている菌を減らす意味でも効きます。ただし長く日に当てると緑色になるので、乾いたら取り込みます。
貯蔵
風通しのよい暗所で5℃前後に置くと芽が出にくくなります。光に当てると緑色になって食べられなくなるので、必ず暗いところに置いてください。重ねすぎたり袋に入れて密封したりすると酸素が足りなくなって腐るので、通気を確保します。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| イモの表面がかさぶた状になる(そうか病) | 土がアルカリ性に寄っている。pH5.6以上、高温乾燥、乾きやすい土質で出やすい | 石灰を入れすぎない。やや酸性のままにしておく。乾くときは水をやる |
| イモが緑色になる | 土寄せが足りず、イモが日に当たった。収穫後に長く日に当てた場合も同じ | 2回に分けてしっかり土を寄せる。掘ったあとの天日干しは半日まで |
| 小粒ばかりになる | 芽を残しすぎた。株間を詰めすぎた(25cm以下) | 芽は2〜3本に絞る。株間は30cm前後をとる |
| イモの中心に空洞ができる | 2Lサイズ以上に育ったイモに出やすい。多肥、株間が広すぎる、土の水分が多い | 株間を広げすぎない。肥料を効かせすぎない |
| イモの中心が褐色に変わる | 土寄せしすぎ、深植え、多湿と高温。貯蔵中の換気不足でも起きる | 適切な深さで植え、貯蔵中は空気を通す |
| 植えた種いもが腐る | 切り口が乾いていないまま植えた。特に秋作で多い | 切ったら2〜3日日陰で乾かす。秋作は小さいイモを切らずに植える |
| 出芽がそろわない | 横に切って芽の少ない切片ができた。または休眠が明けていない種いもを使った | 頂部から縦に切り、どの切片にも頂部の芽を入れる。芽が動き出したイモを使う |
| 葉が縮れて生育が止まる | ウイルス病。前年のイモや食用イモを種いもにすると持ち込む | 毎年、検査済みの種いもを買って更新する |
主な病気と害虫
ジャガイモの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- ジャガイモ栽培マニュアルタキイ種苗
- ジャガイモの栽培体系みんなの農業広場 農作業便利帖
- ジャガイモ|主要野菜の具体的な栽培管理(チャレンジ家庭菜園)JAグループ北海道
- 家庭菜園(ジャガイモ)高知県 こうち農業ネット
- ジャガイモ|栽培方法・家庭菜園JAあいち尾東
栄養成分
可食部100gあたり / いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮なし/生
- エネルギー
- 59kcal
- たんぱく質
- 1.3g
- 脂質
- Trg
- 炭水化物
- 17.0g
- 食物繊維総量
- 8.9g
- カリウム
- 410mg
- カルシウム
- 4mg
- 鉄
- 0.4mg
- ビタミンK
- 1µg
- 葉酸
- 20µg
- ビタミンC
- 28mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 02017)
ジャガイモをよく買う地域
2023年(令和5年)~2025年(令和7年)平均 / 全国平均 8.3 kg / 統計での品目名: じゃがいも
この数字は1人当たりではありません。二人以上の世帯1世帯あたりが1年間に買った量です。調べているのは都道府県全体ではなく、 県庁所在市と政令指定都市の52市。 買った量なので、自分で育てて食べた分や、外食で食べた分は入っていません。
少ない側(52市中の下位3市)
出典: 家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(総務省統計局)
ジャガイモの品種
11品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- おすすめ男爵薯だんしゃくいも1908年、川田龍吉男爵が欧米から「アイリッシュコブラー」という品種を取り寄せ、北海道の当時の上磯町(現・北斗市)で試作したのが始まり。男爵という呼び名は、導入した川田の爵位からきている。1928年にメークインとともに北海道の優良品種に認定され、全国へ広がった。芋は中くらいの大きさで目が深く、でこぼこした球形。果肉は白く粉質で、加熱するとホクホクになる。早生種で環境への適応性が高く多収、貯蔵性にもすぐれる。
- メークイン細長い俵形で芽が浅く、皮がむきやすい。果肉は粘質で煮崩れしにくいため、カレーやシチュー、肉じゃがなど煮込む料理に向く。1928年に男爵薯とともに北海道の優良品種に認定され、以来この2品種が日本のジャガイモの基本になっている。
- キタアカリ果肉が黄色く、男爵薯よりさらに粉質。加熱するとホクホクと崩れるため、粉ふきいもやポテトサラダに向く。ジャガイモシストセンチュウに抵抗性があり、味がよいことから「黄金男爵」と呼ばれることもある。
- とうや北海道で育成された中生種。煮崩れしにくく、なめらかな舌ざわりでえぐみが少ない。粉質と粘質の中間にあたり、煮物にも炒めものにも使える。目が浅く皮がむきやすい。
- インカのめざめ南米原産の系統から育成された小ぶりのジャガイモ。果肉は濃い黄色で、栗やナッツに例えられる濃厚な風味を持つ。貯蔵すると糖分が増して甘みがさらに強くなる。1個が小さいため収量は取りにくく、家庭菜園では数より味を目的に作る品種にあたる。
- アンデスレッド皮が赤く果肉が黄色いジャガイモ。粉質で、蒸すとホクホクになる。皮の赤色は加熱すると薄くなるので、色を活かすなら皮ごと蒸すか、生のまま薄切りにして使う。休眠期間が短く、暖地では二期作にも使われる。
- シャドークイーン果肉まで濃い紫色になるジャガイモ。北海道で育成された。アントシアニンによる色で、加熱しても色が残るのが特徴にあたる。ポテトサラダやチップスにすると紫色がそのまま料理の見た目になる。粉質でホクホクする。
- ノーザンルビー皮も果肉もピンク色になるジャガイモ。北海道で育成された。アントシアニンによる色で、加熱しても色が残る。粘質でなめらかな舌ざわりになるので、煮込んでも形が残る。同じく色の残る紫のシャドークイーンと合わせると、料理の彩りに使える。
- さやか北海道北海道で育成されたジャガイモ。目が極めて浅く、皮も果肉も白い。むいたときの歩留まりがよく、変色しにくい。煮崩れしにくく味は穏やかで、業務用の加工にも使われる。家庭では皮むきの手間が少ないことが実際の利点になる。
- きたひめでん粉価が高く、ポテトチップスなどの加工用に使われるジャガイモ。北海道で育成された。加工適性を目的に育成された品種なので、家庭の煮物や炒めもの向けというより、揚げたときの仕上がりで評価される。貯蔵中に糖分が増えにくく、揚げても色が黒くなりにくいのが加工向けとされる理由にあたる。
- デジマ長崎県長崎県で育成された暖地向けのジャガイモ。休眠期間が短く、春に穫ったいもをそのまま秋作の種いもに使えるため、二期作ができる。粘質でなめらかな舌ざわりになり、煮崩れしにくい。九州の主力品種にあたる。