ジャガイモの品種
男爵薯
1908年、川田龍吉男爵が欧米から「アイリッシュコブラー」という品種を取り寄せ、北海道の当時の上磯町(現・北斗市)で試作したのが始まり。男爵という呼び名は、導入した川田の爵位からきている。1928年にメークインとともに北海道の優良品種に認定され、全国へ広がった。芋は中くらいの大きさで目が深く、でこぼこした球形。果肉は白く粉質で、加熱するとホクホクになる。早生種で環境への適応性が高く多収、貯蔵性にもすぐれる。
だんしゃくいも
環境への適応性が高く多収で、貯蔵性もよい。ジャガイモを初めて作るときに条件を選ばず結果が出る品種なので、ここを基準にすると他の品種との違いが分かる。
ほかの品種と何が違うのか
名前は導入した川田龍吉男爵から。元はアイリッシュコブラーという品種にあたる。
この品種の要点
- 熟期
- 早生
この品種が生まれた理由
日本のジャガイモの品種名としてもっとも知られているが、これは日本で育成された品種ではなく、アイリッシュコブラーという既存の品種にあたる。導入した人の爵位が名前になった珍しい例で、品種名の由来としては産地でも特性でもない。長く全国の作付面積の2割以上を占めてきた。
味と食感
果肉は白く粉質で、加熱するとホクホクと崩れる。粉ふきいも、コロッケ、マッシュポテトのように、崩して使う料理に向く。逆に煮込むと形が残らない。
男爵薯を育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどジャガイモに共通する基本はジャガイモのページを参照してください。
- 種いもは食用ではなく、種いも用として売られているものを使う。食用のいもは病気を持ち込むおそれがある。
- 光に当たると皮が緑色になり、ソラニンなどの有毒成分ができる。土寄せして芋を土の中に隠す。
- 早生種で環境への適応性が高い。土や気候の条件を選びにくいので作りやすい。
プランター・家庭菜園で育てる
- 深型のプランターか袋を使う。土寄せの余地を残して、最初は土を浅く入れる。
- 芽が伸びてきたら土を足していく。芋は種いもより上にできるので、土の量が収量に効く。
- 光が当たると緑化する。容器の側面から光が入らないようにする。
収穫適期の見分け方
- 地上部が黄色く枯れてきたら掘りどき。晴れた日が続いたあとに掘ると乾かしやすい。
保存と食べ方
貯蔵性がよく、長く置いても品質が落ちにくい。冷暗所で光を当てずに保存する。
よくある失敗
- 煮込み料理に使うと煮崩れる。カレーやシチューにはメークインなど粘質の品種を使う。
- 緑色になった皮や芽には有毒成分がある。緑化した部分は厚くむいて取り除く。
栽培カレンダー
ジャガイモの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期です | 3月はタネまきの時期です | 4月はタネまきの時期ではありません | 5月はタネまきの時期ではありません | 6月はタネまきの時期ではありません | 7月はタネまきの時期ではありません | 8月はタネまきの時期です | 9月はタネまきの時期です | 10月はタネまきの時期ではありません | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期です | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期です |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
このページの出典
- 誕生100年を迎えたジャガイモ「男爵」とその育成者たち農業技術発達史
- 男爵薯野菜ナビ
ジャガイモのほかの品種
10品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- メークイン細長い俵形で芽が浅く、皮がむきやすい。果肉は粘質で煮崩れしにくいため、カレーやシチュー、肉じゃがなど煮込む料理に向く。1928年に男爵薯とともに北海道の優良品種に認定され、以来この2品種が日本のジャガイモの基本になっている。
- キタアカリ果肉が黄色く、男爵薯よりさらに粉質。加熱するとホクホクと崩れるため、粉ふきいもやポテトサラダに向く。ジャガイモシストセンチュウに抵抗性があり、味がよいことから「黄金男爵」と呼ばれることもある。
- とうや北海道で育成された中生種。煮崩れしにくく、なめらかな舌ざわりでえぐみが少ない。粉質と粘質の中間にあたり、煮物にも炒めものにも使える。目が浅く皮がむきやすい。
- インカのめざめ南米原産の系統から育成された小ぶりのジャガイモ。果肉は濃い黄色で、栗やナッツに例えられる濃厚な風味を持つ。貯蔵すると糖分が増して甘みがさらに強くなる。1個が小さいため収量は取りにくく、家庭菜園では数より味を目的に作る品種にあたる。
- アンデスレッド皮が赤く果肉が黄色いジャガイモ。粉質で、蒸すとホクホクになる。皮の赤色は加熱すると薄くなるので、色を活かすなら皮ごと蒸すか、生のまま薄切りにして使う。休眠期間が短く、暖地では二期作にも使われる。
- シャドークイーン果肉まで濃い紫色になるジャガイモ。北海道で育成された。アントシアニンによる色で、加熱しても色が残るのが特徴にあたる。ポテトサラダやチップスにすると紫色がそのまま料理の見た目になる。粉質でホクホクする。
- ノーザンルビー皮も果肉もピンク色になるジャガイモ。北海道で育成された。アントシアニンによる色で、加熱しても色が残る。粘質でなめらかな舌ざわりになるので、煮込んでも形が残る。同じく色の残る紫のシャドークイーンと合わせると、料理の彩りに使える。
- さやか北海道北海道で育成されたジャガイモ。目が極めて浅く、皮も果肉も白い。むいたときの歩留まりがよく、変色しにくい。煮崩れしにくく味は穏やかで、業務用の加工にも使われる。家庭では皮むきの手間が少ないことが実際の利点になる。
- きたひめでん粉価が高く、ポテトチップスなどの加工用に使われるジャガイモ。北海道で育成された。加工適性を目的に育成された品種なので、家庭の煮物や炒めもの向けというより、揚げたときの仕上がりで評価される。貯蔵中に糖分が増えにくく、揚げても色が黒くなりにくいのが加工向けとされる理由にあたる。
- デジマ長崎県長崎県で育成された暖地向けのジャガイモ。休眠期間が短く、春に穫ったいもをそのまま秋作の種いもに使えるため、二期作ができる。粘質でなめらかな舌ざわりになり、煮崩れしにくい。九州の主力品種にあたる。