ハーブ・香味
ヤナギタデ
刺身に添える芽タデの正体にあたる。タデのなかで全草に辛味があるのはこの種だけで、よく似たボントクタデやヤナギヌカボは辛くない。発芽したばかりの小さな葉を摘んだものが芽タデで、赤い紅タデと緑の青タデがある。タネをまいて3週間ほど、子葉が2枚開いたところで穫る。若葉をすりおろして酢に混ぜたタデ酢は、アユの塩焼きに添える。河原の砂地に自生し、栽培は福岡県が圧倒的に多い。足立のつまものでは鮎タデと呼ばれている。
- 旬
- 夏
- 育てやすさ
- やさしい
- プランター
- 向く
- 登録品種
- 2品種
Persicaria hydropiper ・ 原産 北半球の温帯から熱帯に広く分布。日本では北海道から南西諸島まで、河原の砂地などに自生する ・ 出典: ウィキペディア日本語版
やなぎたで / 柳蓼・マタデ・ホンタデ・カワタデ・芽タデ ・ タデ科
栽培カレンダー
タネまき 4〜9月 / 植え付け — / 収穫 5〜10月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | なし | なし | なし | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし | なし |
| 収穫 | なし | なし | なし | なし | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
ヤナギタデの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
ヤナギタデ栽培の前提
- 科・属
- タデ科イヌタデ属。一年草にあたる。水の中では多年草になることもある
- 食べるところ
- 発芽直後の小葉(芽タデ)、若葉、すりおろして酢に混ぜる
- 辛味
- 全草に辛味がある。多くのタデのなかで辛いのはこの種だけ
- 辛味の成分
- ポリゴジアールというアルデヒド。精油も約0.5%含む
- 自生地
- 河原の砂地など。日本では北海道から南西諸島まで
- 草丈
- 30〜60cm。よく枝分かれし、茎に毛が無い
- 葉
- 長さ5〜10cmの披針形。ヤナギに似ているのが名の由来
- 花
- 7〜10月。白い5弁花を、長さ7cmほどの花序に付ける
- タネ
- 暗褐色で2.5〜3.5mmの卵形。前年のタネから春に芽が出る
- 芽タデの穫りどき
- タネまきから21日ほど、子葉が2枚のとき。草丈は7cmほど
- 伸ばして穫る場合
- 本葉2枚まで。収量も抗酸化性も上がる
- 栽培時期
- 施設では通年。福岡県の試験は6月・9月・12月・2月に行われている
- 産地
- 栽培は福岡県が圧倒的に多い。紅タデの生産量は全国一
- 抗酸化性
- 紅タデは葉ネギ・コマツナ・トマト・キュウリ・キャベツより高い
品種の選び方
刺身のつまに使うなら、赤い紅タデと緑の青タデのどちらかを選びます。どちらもヤナギタデの栽培品種で、発芽直後の小葉を摘んだものが芽タデです。生産量が多いのは紅タデで、福岡県が全国一になります。若葉をすりおろしてタデ酢にするなら、辛味の乗った葉を使います。自生しているものを採るときは、葉か茎をかんで辛味があるかを確かめます。辛くなければヤナギタデではありません。ボントクタデとヤナギヌカボは姿が似ていますが辛味がなく、薬味にはなりません。
育て方の手順
タネをまく露地では4〜9月。施設では通年
ばらまきにして薄く土をかけます。芽タデとして穫るので、株間を広く取る必要はありません。前年のタネから春に芽が出る一年草なので、露地では暖かくなってからまきます。福岡県の試験では6月・9月・12月・2月の各時期に作られていて、温度を保てれば時期を選びません。
- タネの大きさ
- 2.5〜3.5mmの卵形
- 露地のまき時
- 4〜9月
プランターの場合 — 浅い容器にまくだけで作れます。芽タデは草丈7cmほどで穫るので、深さは要りません。台所の窓辺に置いて、使うぶんだけはさみで切ると便利です。
芽タデとして穫るまいてから21日ほど
子葉が2枚開いたところで、根元から切って穫ります。このときの草丈は7cmほどです。これが刺身のつまに使う芽タデになります。穫りどきは短いので、少しずつ時期をずらしてまくと切らさずに使えます。
- 穫りどき
- まいてから21日ほど
- そのときの姿
- 子葉2枚・草丈7cmほど
伸ばして穫る本葉が2枚になるまで
芽タデの時期を過ぎても捨てることはありません。本葉2枚まで伸ばすと、収量が増えるうえに抗酸化性も上がることが福岡県の試験で分かっています。さらに伸ばして草丈100cmを超えるまで育てると、育てた日数が長いほど抗酸化性は高くなります。
若葉を使う花が咲く前
若葉は熱湯にくぐらせて水に浸し、あえ物にします。生のまま薬味に使うこともできます。花期は7〜10月なので、それより前の葉を使います。
タデ酢をつくる若葉のあるあいだ
若葉をすりおろし、食酢に混ぜます。これがタデ酢で、アユの塩焼きに添えます。辛味があるのはヤナギタデだけなので、ほかのタデで作っても辛くなりません。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 採ってきたタデが辛くない | ボントクタデかヤナギヌカボを採った。姿は似ているが辛味が無い | 採る前に葉か茎をかんで、辛味があるかを確かめる |
| 芽タデにするつもりが育ちすぎた | 子葉2枚の時期を過ぎた。穫りどきが短い | まいてから21日ほどを目安に見る。時期をずらして少しずつまく |
| 冬にまいたのに芽が伸びない | 低温で生育が止まった | 露地では4〜9月にまく。冬に穫るなら温度を保てる場所でまく |
| 翌年あちこちから生えてきた | 花を咲かせてタネを落とした。一年草だがタネでふえる | 花期の7〜10月より前に穫り終える。花序を残さない |
ヤナギタデの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- ヤナギタデウィキペディア日本語版
- タデの生育と抗酸化性福岡県農林業総合試験場