ニンジンの品種
滝野川大長ニンジン
- 東京都
- 北区
根が長く、1mにも及ぶ東洋系のニンジン。淡紅色で香りが強く、肉質が締まっている。昭和20年ごろまで盛んに作られ、長いあいだ関東の代表品種だった。
たきのがわおおながにんじん
ほかの品種と何が違うのか
長さ1mに及ぶ。耕土の深い滝野川だから作れた品種にあたる。
この品種の要点
- 産地
- 東京都 / 北区
この品種が生まれた理由
いまの北区滝野川(当時の豊島郡滝野川村)あたりで作られたため、この名が付いた。耕土が深い滝野川は根の長い品種に向いており、冬の貯蔵用として根の長いものが好まれたことから盛んに作られた。昭和20年ごろまでは関東地方の代表品種だった。絶滅したと思われていたが、これを選抜・育成した「万福寺鮮紅大長人参」はいまも作られている。
味と食感
淡紅色で香りが強く、肉質が締まっている。東洋系らしい濃い味。
滝野川大長ニンジンを育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどニンジンに共通する基本はニンジンのページを参照してください。
- 根が1mにも伸びる。耕土が深い畑でないと形にならない。
- 深く耕す。途中に硬い層や石があると又根になる。
- 発芽に光が要る。覆土は薄くして、乾かさないようにする。
プランター・家庭菜園で育てる
- 1mの根が入る容器は用意しにくい。畑向きにあたる。
- 容器で作るなら、三寸系の短根種に替えるほうが確実。
収穫適期の見分け方
- 根の長さが十分になってから掘る。冬の貯蔵用として穫る。
- 掘るのに力が要る。土をゆるめてから抜く。
保存と食べ方
冬の貯蔵用として重んじられた。土に埋けるか、新聞紙に包んで冷暗所に立てて置く。
よくある失敗
- 耕土が浅いと又根になる。深く耕しておく。
- 掘り上げるのが大変で、短根種に置き換えられた歴史がある。
地域別の作型
ニンジンの一般的な作型を表示しています。 暖地と寒冷地では作業の時期が1〜2か月ずれます。 品種によってさらに前後するので、正確な時期は種袋の作型図を確かめてください。
寒冷地東北・北海道・高冷地
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| 春まき | ||||||||||||
| 初夏まき | ||||||||||||
| 夏まき |
一般地関東〜近畿の平野部。種袋では中間地と書かれる
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| 春まき | ||||||||||||
| 初夏まき | ||||||||||||
| 夏まき |
暖地九州・四国・南関東の平野部
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 春まき | ||||||||||||
| 夏まき | ||||||||||||
| 晩夏まき |
品種によってさらに前後します。正確な時期は種袋の作型図をご確認ください。
出典: ニンジンの育て方・栽培方法(失敗しない栽培レッスン)(サカタのタネ 園芸通信)
栽培カレンダー
ニンジンの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | なし | なし | あり | あり | なし | なし | あり | あり | あり | なし | なし | なし |
| 収穫 | あり | なし | なし | なし | なし | あり | あり | なし | なし | なし | あり | あり |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
このページの出典
- 滝野川大長ニンジン 江戸東京野菜についてJA東京中央会
ニンジンのほかの品種
17品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- おすすめ向陽二号こうようにごうタキイ種苗の五寸ニンジン。晩抽性(とう立ちしにくい性質)と耐暑性にすぐれ、春作・夏作の兼用ができる。土質を選ばず幅広い作型に適し、たいへん作りやすい。根形はやや肩張りで尻部までよく太り、根色は美しい鮮紅色。肌はなめらかでツヤがある。適期栽培では根長18cm、根重200g程度になる。
- 砂村三寸ニンジンすなむらさんずんにんじん東京都江東区の砂町・大島町あたりで作られてきた短根のニンジン。西洋種の流れを汲み、三寸(約10cm)の長さで穫る。長さ1mにもなる滝野川ニンジンに代わって入ってきた。
- 馬込三寸ニンジンまごめさんずんにんじん東京都大田区西馬込で作られた10cmほどのニンジン。砂村三寸と川崎三寸という、どちらも西洋種の流れを汲むものを掛け合わせて生まれた。色も味もよく、年に2回穫れる。
- ピッコロ根長10〜12cmタキイ種苗のミニニンジン。ウインナーソーセージの形に似た小型の極早生種で、根長は10〜12cm。肉質は歯切れがよくやわらかで、水分と甘みに富む。
- パープルターゲット根長20〜23cm丸種が育成した紫ニンジン。皮だけでなく中まで紫色に着色する。草勢は中程度で作りやすく、暑さにも寒さにも強い。裂皮と裂根が遅く、畑に置ける期間が長い。根長は20〜23cm。
- 黒田五寸くろだごすん耐暑性・耐病性が強く、草勢旺盛で栽培しやすい夏まきの代表品種。根形は肩張りがよく、尻の肉付きのよい総太り型になる。根色は肌・芯ともに鮮紅色で着色が早い。甘みに富んだ歯切れのよい肉質で、カロテン含量が多い。7〜8月まきの適期栽培では、播種後110日前後で根長18〜22cm、根重200g前後になる。長崎県大村市が発祥の地とされ、「五寸ニンジン」という呼び名はこの系統から広まった。改良型の「新黒田五寸」もある。
- 黒ニンジンくろにんじんアントシアニンを多く含み、皮も果肉も黒紫色になるニンジンの総称。特定の品種名ではなく、複数の種苗会社がそれぞれの品種名で出している。加熱すると色が煮汁に溶け出すため、生食やスープの彩りに使われる。細長い形のものが多い。
- 金時にんじんきんときにんじん大阪府リコピンによる濃い紅色が特徴の東洋系ニンジン。長さ30cm前後になる。西洋種のようなにおいが少なく、肉質はやわらかい。関西では正月料理に欠かせない野菜として、年末に集中して出回る。京にんじんとも呼ばれる。
- 島にんじんしまにんじん沖縄県細長く黄色い沖縄の在来ニンジン。長さ30〜40cmになる。オレンジではなく黄色いのが特徴で、香りが強い。沖縄では「チデークニ」と呼ばれ、汁物や炒め物、豚肉と合わせた料理に使われる。冬が旬になる。
- ミニキャロット長さ10cm前後で収穫する小型のニンジンの総称で、特定の品種名ではない。複数の種苗会社がそれぞれの品種名で出している。土を深く耕さなくても形が整うため、プランター栽培に向く。皮が薄いので、洗ってそのまま食べられる。
- 時無五寸ときなしごすんとう立ちしにくく、作型の幅が広い五寸ニンジンの系統。「時無し」は、まく時期を選ばずに作れることを指す古い呼び方にあたる。春まきでとう立ちしにくい性質を持つため、家庭菜園で時期をずらしてまきたいときに使いやすい。複数の種苗会社がそれぞれの系統を出しているので、種を買うときは各社の品種名を見て選ぶ。
- 国分にんじんこくぶにんじん群馬県長さ60cm以上になる東洋系の長にんじん。群馬県で作られてきた在来種にあたる。香りが強く、正月料理に使われてきた。根が60cm以上伸びるため、それだけ深く耕せる土地でないと作れない。作る手間の大きさから栽培する人が減っている。
- 大塚にんじんおおつかにんじん山梨県長さ80cm以上になる山梨県市川三郷町の在来にんじん。「のっぷい」と呼ばれる深くやわらかい土壌でのみまっすぐ育つ。土がその条件を満たさないと曲がったり途中で止まったりするため、産地がそのまま限られている。
- パープルスティック外側が紫、中心がオレンジになる細長いニンジン。輪切りにすると紫の輪の中にオレンジの芯が出るので、生食で断面の対比が映える。紫はアントシアニンによる色で、加熱すると煮汁に溶け出す。生のまま薄切りにするか、スティックにして使う。
- 白ニンジンしろにんじんカロテンを含まないため果肉が白いニンジンの総称で、特定の品種名ではない。オレンジ色のニンジン特有のにおいが穏やかで、甘みが強い。ニンジンが苦手な人でも食べやすいとされる。ヨーロッパでは古くから作られてきた系統にあたる。
- イエローハーモニー果肉が黄色いニンジン。ルテインによる色で、アントシアニンの紫と違って加熱しても色が抜けない。甘みがあり、サラダの彩りに使われるほか、煮物やスープに入れても黄色が残る。オレンジ、紫、白と並べると、ニンジンに色の幅があることが分かる。
- ベーターリッチサカタのタネの中生ニンジン。晩抽性で、耐暑性・耐寒性・低温肥大性・低温着色性にすぐれ、周年栽培ができる。根形はなで肩の長めの円筒形で調理しやすい。肉質はかたく、根色・芯色ともに濃鮮紅色。カロテン含量が多く糖度が高くて甘みがあり、ニンジン臭が少ない。加熱調理のほか、ジュースや生食にも使える。