ニンジンの品種
黒田五寸
耐暑性・耐病性が強く、草勢旺盛で栽培しやすい夏まきの代表品種。根形は肩張りがよく、尻の肉付きのよい総太り型になる。根色は肌・芯ともに鮮紅色で着色が早い。甘みに富んだ歯切れのよい肉質で、カロテン含量が多い。7〜8月まきの適期栽培では、播種後110日前後で根長18〜22cm、根重200g前後になる。長崎県大村市が発祥の地とされ、「五寸ニンジン」という呼び名はこの系統から広まった。改良型の「新黒田五寸」もある。
くろだごすん
ほかの品種と何が違うのか
夏まきの代表品種。五寸ニンジンという呼び名の元になった系統。
この品種の要点
- 種まきから収穫まで
- 約110日
- 果重
- 約200g
この品種が生まれた理由
「五寸」は約15cmを指す長さの単位で、それより長い東洋系の長ニンジンに対して、短くて作りやすい西洋系のニンジンをこう呼ぶ。黒田五寸はその代表格で、いまスーパーに並ぶニンジンの大半はこの系統にあたる。日本のニンジンが長根から五寸へ移った流れの中心にある品種になる。
味と食感
肌も芯も鮮紅色で、甘みに富み歯切れがよい。カロテン含量が多い。根長18〜22cm、根重200g前後にそろう。
黒田五寸を育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどニンジンに共通する基本はニンジンのページを参照してください。
- 耐暑性・耐病性が強く、草勢旺盛で栽培しやすい。7〜8月まきが適期になる。
- 播種後110日前後が収穫までの目安。まき時から逆算して計画する。
- 総太り型で尻まで肉付きがよいので、深く耕しておくと形が整う。
プランター・家庭菜園で育てる
- 深型のプランターを使う。土が浅いと根が二股になったり、途中で止まったりする。
- 石や未熟な堆肥が根に当たると先が割れる。土はふるってから使う。
- 間引きが要る。混んだまま育てると、どれも太らない。
収穫適期の見分け方
- 播種後110日前後、根長18〜22cm、根重200g前後が目安。
- 着色が早い品種なので、色だけでは穫りどきを判断しない。日数と太さで見る。
よくある失敗
- 夏まきの品種なので、春にまくととう立ちすることがある。まき時を守る。
- 発芽が最大の関門。種は浅くまき、発芽まで土を乾かさない。
栽培カレンダー
ニンジンの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期ではありません | 3月はタネまきの時期です | 4月はタネまきの時期です | 5月はタネまきの時期ではありません | 6月はタネまきの時期ではありません | 7月はタネまきの時期です | 8月はタネまきの時期です | 9月はタネまきの時期です | 10月はタネまきの時期ではありません | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期です | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期です | 7月は収穫の時期です | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期ではありません | 10月は収穫の時期ではありません | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期です |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
このページの出典
ニンジンのほかの品種
12品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- おすすめ向陽二号こうようにごうタキイ種苗の五寸ニンジン。晩抽性(とう立ちしにくい性質)と耐暑性にすぐれ、春作・夏作の兼用ができる。土質を選ばず幅広い作型に適し、たいへん作りやすい。根形はやや肩張りで尻部までよく太り、根色は美しい鮮紅色。肌はなめらかでツヤがある。適期栽培では根長18cm、根重200g程度になる。
- 黒ニンジンくろにんじんアントシアニンを多く含み、皮も果肉も黒紫色になるニンジンの総称。特定の品種名ではなく、複数の種苗会社がそれぞれの品種名で出している。加熱すると色が煮汁に溶け出すため、生食やスープの彩りに使われる。細長い形のものが多い。
- 金時にんじんきんときにんじん大阪府リコピンによる濃い紅色が特徴の東洋系ニンジン。長さ30cm前後になる。西洋種のようなにおいが少なく、肉質はやわらかい。関西では正月料理に欠かせない野菜として、年末に集中して出回る。京にんじんとも呼ばれる。
- 島にんじんしまにんじん沖縄県細長く黄色い沖縄の在来ニンジン。長さ30〜40cmになる。オレンジではなく黄色いのが特徴で、香りが強い。沖縄では「チデークニ」と呼ばれ、汁物や炒め物、豚肉と合わせた料理に使われる。冬が旬になる。
- ミニキャロット長さ10cm前後で収穫する小型のニンジンの総称で、特定の品種名ではない。複数の種苗会社がそれぞれの品種名で出している。土を深く耕さなくても形が整うため、プランター栽培に向く。皮が薄いので、洗ってそのまま食べられる。
- 時無五寸ときなしごすんとう立ちしにくく、作型の幅が広い五寸ニンジンの系統。「時無し」は、まく時期を選ばずに作れることを指す古い呼び方にあたる。春まきでとう立ちしにくい性質を持つため、家庭菜園で時期をずらしてまきたいときに使いやすい。複数の種苗会社がそれぞれの系統を出しているので、種を買うときは各社の品種名を見て選ぶ。
- 国分にんじんこくぶにんじん群馬県長さ60cm以上になる東洋系の長にんじん。群馬県で作られてきた在来種にあたる。香りが強く、正月料理に使われてきた。根が60cm以上伸びるため、それだけ深く耕せる土地でないと作れない。作る手間の大きさから栽培する人が減っている。
- 大塚にんじんおおつかにんじん山梨県長さ80cm以上になる山梨県市川三郷町の在来にんじん。「のっぷい」と呼ばれる深くやわらかい土壌でのみまっすぐ育つ。土がその条件を満たさないと曲がったり途中で止まったりするため、産地がそのまま限られている。
- パープルスティック外側が紫、中心がオレンジになる細長いニンジン。輪切りにすると紫の輪の中にオレンジの芯が出るので、生食で断面の対比が映える。紫はアントシアニンによる色で、加熱すると煮汁に溶け出す。生のまま薄切りにするか、スティックにして使う。
- 白ニンジンしろにんじんカロテンを含まないため果肉が白いニンジンの総称で、特定の品種名ではない。オレンジ色のニンジン特有のにおいが穏やかで、甘みが強い。ニンジンが苦手な人でも食べやすいとされる。ヨーロッパでは古くから作られてきた系統にあたる。
- イエローハーモニー果肉が黄色いニンジン。ルテインによる色で、アントシアニンの紫と違って加熱しても色が抜けない。甘みがあり、サラダの彩りに使われるほか、煮物やスープに入れても黄色が残る。オレンジ、紫、白と並べると、ニンジンに色の幅があることが分かる。
- ベーターリッチサカタのタネの中生ニンジン。晩抽性で、耐暑性・耐寒性・低温肥大性・低温着色性にすぐれ、周年栽培ができる。根形はなで肩の長めの円筒形で調理しやすい。肉質はかたく、根色・芯色ともに濃鮮紅色。カロテン含量が多く糖度が高くて甘みがあり、ニンジン臭が少ない。加熱調理のほか、ジュースや生食にも使える。