穀類
イネ
バケツ1つでも育てられ、タネもみから収穫まで一年の流れをそのまま追える。穂が出て40〜45日、籾の8割ほどが黄色くなった頃が刈り取りの適期。
- 旬
- 秋
- 育てやすさ
- むずかしい
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 20〜30℃
- 登録品種
- 10品種
Oryza sativa ・ 原産 東南アジア〜中国南部 ・ 出典: ウィキペディア日本語版
いね / 稲・米・コメ ・ イネ科
栽培カレンダー
タネまき 4〜5月 / 植え付け 5〜6月 / 収穫 9〜10月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期ではありません | 3月はタネまきの時期ではありません | 4月はタネまきの時期です | 5月はタネまきの時期です | 6月はタネまきの時期ではありません | 7月はタネまきの時期ではありません | 8月はタネまきの時期ではありません | 9月はタネまきの時期ではありません | 10月はタネまきの時期ではありません | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期ではありません | 4月は植え付けの時期ではありません | 5月は植え付けの時期です | 6月は植え付けの時期です | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期ではありません | 10月は植え付けの時期ではありません | 11月は植え付けの時期ではありません | 12月は植え付けの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期です | 10月は収穫の時期です | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
イネの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
イネ栽培の前提
- 分類
- イネ科イネ属の一年草
- 家庭での作り方
- 10〜15Lのバケツ1個で1株分を育てられる
- 芽出し
- 水に浸してから積算温度100℃で芽が出る
- 種まきの深さ
- 約6mm。深すぎると芽が出ない
- 植え替え
- 葉が3〜4枚出た頃。元気な苗3〜5本を1株に
- 中干し
- 草丈50〜60cm・茎数20本程度になった頃
- 収穫の目安
- 出穂から40〜45日、積算温度1,000℃。穂の9割が黄金色
- 収量
- バケツ1個でごはん茶わん3分の1ほど
品種の選び方
田んぼがなくても米は作れます。JAグループが平成元年から続けている「バケツ稲づくり」は、10〜15Lのバケツと土があれば庭やベランダで稲作を体験できる取り組みです。バケツ1個で育てるのは田んぼの1株分。苗3〜5本を束ねて真ん中に植えますが、成長の過程で1本ずつが分げつして20本ほどに増えるので、収穫量もその分になります。それでも炊けばごはん茶わん3分の1ほど、3つのバケツでようやく1杯分です。この野菜(正確には穀物)の面白さは量ではなく、稲の花や穂を実際に見て、脱穀・もみすり・精米まで自分の手でやってみるところにあります。品種は種もみとして手に入るものなら何でも構いません。
育て方の手順
種もみを選ぶ(塩水選)
中身が充実した重い種もみを選ぶ方法が「塩水選」です。水200ccに塩20gを溶かし、生卵を入れて浮くくらいの濃さにします。そこへ種もみを入れると、良いものは沈み、実りの少ない軽いものは浮いてきます。沈んだものを使ってください。
- 塩水
- 水200cc+塩20g
- 濃さの確認
- 生卵が浮くくらい
芽出し積算温度100℃
シャーレや浅い容器に種もみを入れ、浸る程度に水を張ります。種もみは水中の酸素を吸うので、毎日新しい水に替えてください。水に浸してから毎日の平均気温を足していき、合計100℃になった頃に芽が出ます。低温が続いて芽が出ないときは、30℃程度のお湯で行えば2〜3日で芽が出ます。途中で白い綿のようなカビが出ることがありますが、種もみ自体に菌を抑える力があるので、水を替えるときに洗い流していれば次第になくなります。
- 積算温度
- 100℃で発芽
- 水替え
- 毎日
土づくりと種まき
バケツの底まで泥の状態になるよう水を入れて混ぜます。このとき肥料も一緒に混ぜ込むと、肥料が浮いて流れるのを防げます。混ぜた後は、表面のくぼみに水たまりができる程度に水量を調整し、そこへ種もみを約6mmの深さで等間隔に植えます。深く植えすぎると芽が土の上に出てきません。苗が5cmほどになるまではスズメに食べられるので、バケツにザルや網をかぶせて守ってください。
- 種まきの深さ
- 約6mm
- 水位
- くぼみに水たまりができる程度
プランターの場合 — 10〜15Lのバケツが基準です。庭でもベランダでも、日当たりのよい場所に置ければ作れます。
植え替え(田植え)1本の苗から葉が3〜4枚出た頃
根を傷めないよう苗を全部抜き、茎が太くて背の高い元気な苗を3〜5本まとめて1株とし、バケツの真ん中に植えます。植え替えた直後は水を張らず、泥の表面のくぼみに少し水たまりができる程度を、根付くまで数日保ってください。1日で水が土に浸みるので、翌日また同じくらい入れます。根付いたら、苗の背丈の3分の1の高さまで水を張って構いません。
分げつを観察する
根付いてから中干しまでの間、1本の苗からどんどん茎が分かれて増えていきます。これが分げつです。1〜2週間ごとに草丈と茎数を記録しておくと、成長の様子がよくわかります。7月から始めると日が短くなって分げつの終わりが早まり、4〜5月に芽出しした場合より茎数は少なくなりますが、収穫はできます。
中干し草丈50〜60cm、茎数20本程度
水を抜いて土を乾かす作業です。根が水を求めて下へ伸び、土が乾いて空気層ができることで根が酸素を取り込みやすくなり、丈夫な株になります。同時に分げつが止まり、穂をつくる準備が始まります。ここで最も大事なのは時期です。穂のもとになる幼穂ができる少し前に行ってください。時期を過ぎたかどうかは、茎の下のほうを触って確かめます。太くて硬くなっていたり、それまで垂れていた葉がまっすぐ立ってきたりしていれば、すでに幼穂ができています。その場合は中干しを省略してそのまま育ててください。幼穂ができる時期は稲の一生で最も栄養が必要な時期で、ここで水を抜くと幼穂に栄養が届かなくなります。
落水稲刈りの10日ほど前
穂の85%ほどが黄金色になった頃、バケツの水を捨てます。刈る前の稲には20〜25%の水分があり、これを保存に適し炊いたときにおいしい15%くらいまで落とすための作業です。水を抜いたら、雨の当たらない風通しのよい軒下などに移して10日ほど乾かします。
- 落水の目安
- 穂の85%が黄金色
- 水分
- 収穫時20〜25%を15%程度まで乾かす
収穫出穂から40〜45日、積算温度1,000℃
穂が出てから1日の平均気温を足していき、1,000℃に達した頃が目安です。見た目では穂全体の9割ほどが黄金色に変わります。土から5cmほど上をハサミで切り取り、根元をしっかり結んで穂を下にして干します。物干し竿にかけて10日ほど乾かしてください。穂を下にするので多少の雨はかまいませんが、当たりすぎると乾きません。この時期はスズメに最も狙われるので、必ず網を張ってください。
脱穀・もみすり・精米
脱穀は、牛乳パックの口に穂を入れて閉じ、茎を引っ張ると中にもみが落ちる方法が確実です。割りばしの割れ目に穂の根元を挟んで引く方法、茶わんをかぶせて押し付けながら滑らせる方法もあります。もみすりはすり鉢に一つまみずつ入れ、軟式野球ボールで下から上へ回しながらすり上げます。多く入れるとすり鉢に接する面が減って外れにくくなるので、少量ずつ丁寧に。精米は、すりこぎ棒が入る口のビンに玄米を入れて上下につきます。毎日3時間を1週間かけても市販の米ほど白くはなりません。量が少なければ市販の米と混ぜて炊いてください。自分の米は少し茶色いので、白いごはんの中ですぐ見分けがつきます。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 種もみをまいたのに芽が出ない | 深く植えすぎた | 約6mmの深さに植える。それ以上深いと芽が土の上まで出てこない |
| 植えた種もみや苗が浮いてくる | 根付いていない状態で水を溜めた | 苗が5cmほどになって根付くまでは、くぼみに水たまりができる程度に留める |
| 中干しをしたら穂の実りが悪くなった | 幼穂ができた後に水を抜いた。最も栄養が要る時期に栄養が届かなくなった | 草丈50〜60cm・茎数20本程度で行う。茎が硬い、葉がまっすぐ立つなら中干しは省略する |
| 収穫直前に穂が食べられていた | スズメ。実が詰まったこの時期が最も狙われる | 苗が5cmになるまでと、黄金色になってからの2回、網やザルで守る |
| 茎の中がスカスカになっている | ニカメイチュウが茎の中に入って養分を吸っている | ときどき茎の下を触って確かめ、中が空の茎は根元から切り取る |
| 精米しても白くならない | 手作業の精米は時間がかかる。市販品ほど白くはならない | ある程度白くなったところで炊く。少量なら市販の米と混ぜる |
主な病気と害虫
イネの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
- お米づくりに挑戦(やってみよう!バケツ稲づくり)JAグループ とれたて大百科
- 芽出しから植え替えまで&土作りと芽出しのポイントJAグループ とれたて大百科
- 植え替え〜植え替え後の成長(分げつ)の変化、中干しの仕方と注意点JAグループ とれたて大百科
- 収穫の目安とその手順JAグループ とれたて大百科
- 脱穀、もみすり、精米の方法JAグループ とれたて大百科
- バケツ稲 育成記【その1】ケット科学研究所
栄養成分
可食部100gあたり / 穀類/こめ/[水稲穀粒]/精白米/うるち米
成分表に生の行が無いため、乾燥・精白した状態の値です。水分が抜けている分だけ濃く出るので、生の野菜の数字とそのまま比べられません。
- エネルギー
- 342kcal
- たんぱく質
- 5.3g
- 脂質
- 0.8g
- 炭水化物
- 83.1g
- 食物繊維総量
- 0.5g
- カリウム
- 89mg
- カルシウム
- 5mg
- 鉄
- 0.8mg
- ビタミンK
- 0µg
- 葉酸
- 12µg
- ビタミンC
- (0)mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 01083)
イネの品種
10品種。カードを押すと特徴と栽培カレンダーが見られます。
- おすすめコシヒカリ作付面積が国内でもっとも多いうるち米。粘りと甘みが強く、日本の米の味の基準になっている。ただし背が高く倒れやすいので、肥料を控えめにする必要がある。いもち病にも弱い。味のよさと作りにくさが同居している品種にあたる。
- ヒノヒカリ宮崎県宮崎県総合農業試験場が「コシヒカリ」に「黄金晴」を交配して育成した西日本の主力品種。1989年に水稲農林299号として命名登録され、翌1990年に品種登録された。作付割合は令和5年産で7.4%と全国3位。主産地は熊本・大分・鹿児島。
- ななつぼし北海道北海道立中央農業試験場が育成し、2001年に北海道の優良品種になった。作付割合は令和5年産で3.3%と全国5位で、北海道内では作付面積の約半分を占める。ほどよい甘みで味のつり合いがよく、冷めてもおいしい。
- はえぬき山形県山形県立農業試験場庄内支場が「あきたこまち」に「庄内29号」を掛けて育成し、1993年に品種登録された(登録番号第3346号)。ササニシキの後継を目指した品種で、冷害と倒伏に強い。作付割合は令和5年産で2.8%と全国6位。
- まっしぐら青森県青森県農林総合研究センターが「奥羽341号」に「山形40号」を交配して育成し、2005年3月に青森県の奨励品種になった。倒伏抵抗性が強く、いもち病抵抗性も強い。作付割合は令和5年産で2.5%と全国7位で、青森県のうるち米の77.9%を占める。
- ゆめぴりか北海道北海道立上川農業試験場が「札系96118」に「上育427号」を交配して育成した低アミロース米。2008年に北海道の優良品種になり、2009年産から市販された。炊いた米につやがあり、粘りが大変強い。作付割合は令和5年産で1.9%と全国8位。
- つや姫つやひめ山形県山形県立農業試験場庄内支場が1998年に「東北164号」を父、「山形70号」を母として交配し、2008年に山形県の奨励品種になった。熟期はコシヒカリと同程度の中生の中で、稈長が短く耐倒伏性にすぐれる。白色度が高く、炊いた米が白く輝く。
- きぬむすめ農研機構が育成し、2006年に品種登録された。コシヒカリ並みの良食味に、作りやすい栽培適性を持つ。コシヒカリより1週間ほど晩生で、早生品種と作期を分けられる。耐暑性は「強」。作付割合は令和5年産で1.8%と全国9位。
- ひとめぼれコシヒカリに「初星」を交配して育成された品種。コシヒカリの食味を受け継ぎつつ、寒さに強くなっている。1993年の大冷害でコシヒカリが大きな被害を受けるなか、ひとめぼれは比較的耐えたことで一気に広まった。東北から九州まで広く作られている。
- あきたこまちコシヒカリに「奥羽292号」を交配して育成された品種。秋田県が中心に作る。粒がそろい、冷めても硬くなりにくいので、弁当やおにぎりに向く。コシヒカリより早く穫れるので、収穫期を分散できる。