穀類
ヒエ
冷害や湿害に強く、米が穫れない年の備えとして東北で長く作られてきた。手をかけなくても育つため、雑穀のなかでは最もやさしい。
- 旬
- 秋
- 育てやすさ
- やさしい
- プランター
- 向く
- 生育適温
- 18〜30℃
- 登録品種
- 2品種
Echinochloa esculenta ・ 原産 東アジア ・ 出典: ウィキペディア日本語版
ひえ / 稗 ・ イネ科
栽培カレンダー
タネまき 5〜6月 / 植え付け — / 収穫 9〜10月
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | 1月はタネまきの時期ではありません | 2月はタネまきの時期ではありません | 3月はタネまきの時期ではありません | 4月はタネまきの時期ではありません | 5月はタネまきの時期です | 6月はタネまきの時期です | 7月はタネまきの時期ではありません | 8月はタネまきの時期ではありません | 9月はタネまきの時期ではありません | 10月はタネまきの時期ではありません | 11月はタネまきの時期ではありません | 12月はタネまきの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期です | 10月は収穫の時期です | 11月は収穫の時期ではありません | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
ヒエの育て方
土づくりから収穫までの手順を、量と時期の数値つきでまとめています。 露地栽培を想定した目安です。
ヒエ栽培の前提
- 分類
- イネ科ヒエ属の一年草。インドヒエとニホンヒエの2系統
- 強さ
- 雑穀の中でも特に寒さに強い。水田でも畑でも作れる
- 肥料
- 吸肥力が旺盛。やりすぎると倒れる
- 種まき
- 5月中旬頃。1アールあたり100〜120cc
- 株間
- 20cm(分げつが多く1本が6〜8本に増える)
- 間引き
- 草丈10cmで1株3本に
- 草丈
- 通常160〜180cm
- 注意
- 殻が硬く、家庭の簡易な方法では食べられる状態にしにくい
品種の選び方
「ヒエ」の語源は「冷え」からきているという説があるほど寒さに強い穀物です。青森の三内丸山遺跡からは、縄文中期にすでに大量のイヌビエを栽培していたことがうかがえます。アイヌの人々はヒエを「ピヤパ」と呼び、祖先神が直接もたらした聖なる穀物という説話を伝えてきました。昭和30年代までは多くの山間地で主食でした。寒冷地では稲が冷害に遭う危険が高く、山間地では水田面積も少なかったからです。ただし家庭で作るうえで一つ知っておくべきことがあります。ヒエは殻が硬く、アワやキビのようにミキサーとちりとりで食べられる状態にすることができません。作るなら調製の手段まで見込んでから始めてください。
育て方の手順
畑の準備
土壌の乾湿への適応範囲が広く、水田でも畑でも育ちます。よく順応して広く根を張り、吸肥力も旺盛なので、痩せた土地でも育ちます。だからこそ肥料のやりすぎが倒伏を招きます。ほかの雑穀より少なめに施してください。ナスや大豆の後作なら、前作の肥料分が残っているので肥料は要りません。種をまく列に深さ10cmの溝を掘って完熟の有機質肥料を入れ、土を戻して平らにならします。米ぬかや油かすなど一般の有機肥料を使った場合は、1週間ほどおいてからまきます。
- 施肥の溝
- 深さ10cm
- 条間
- 60〜90cm
- 肥料
- ほかの雑穀より少なめ
種まき5月中旬頃
1アールあたり100〜120ccの種を用意します。深さ1cmの穴をあけ、4〜5粒ずつ落とします。覆土をしなくても発芽しますが、3cmくらいまでなら生育によいとされます。分げつが多く1本が6〜8本に増えるので、株間は広めの20cmにしてください。まいたら土をかけ、手か足で軽く踏んで押さえます。
- 播種量
- 1アールあたり100〜120cc
- 株間
- 20cm
プランターの場合 — 深さ25cm以上の容器で作れます。穂が実ったら鳥に狙われるので、ネットをかけます。
まく時期で背丈を調整する
この作物には面白い性質があります。出穂は日長と気温の影響を強く受けるため、時期がほぼ一定です。つまり遅くまくと、背丈が低いまま出穂して実が入ります。これを利用してわざと種まきを遅らせれば、生長を抑えて刈り取りの効率を上げ、倒伏を防いで土の混入を減らすことができます。
間引き種まきから2〜3週間、草丈10cm
小さくて弱いものを引き抜き、1株3本にそろえます。株のまわりの土を片手で押さえ、間引く苗の根元を指ではさんで地面に水平に引っ張ります。セルトレイなら根元からハサミで切ってください。
草取りと中耕・培土
直まきなら間引きまでに1回、その後3回、合計4回の除草が必要です。草丈20cmで周囲の草を手で抜くか草かきで削ります。30〜40cmになったら列の間を耕して土を株元に寄せ、50〜60cmでもう一度中耕・培土します。草丈が160〜180cmにもなるので、土寄せが倒伏対策の中心になります。
鳥害対策穂ばらみが始まったら
防鳥ネットを張ります。穂の上20cmほどの高さに、穂との間隔をあけすぎないように張ってください。
収穫と乾燥
茎や葉が黄色く色付き、手で握って粒が落ちるようになったら収穫です。穂首から40cmほどの長さに刈り、束ねてつるし、雨の当たらない風通しのよい場所で乾かします。十分に乾いたらシートの上に穂を置き、棒などで叩いて脱穀します。
よくある失敗と防ぎ方
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 収穫したが食べられる状態にできない | 殻が硬く、アワやキビの簡易な調製方法では脱ぷできない | 作る前に調製の手段を確保しておく。専用の調製技法を扱った書籍や道具が要る |
| 株が倒れる | 肥料のやりすぎ。吸肥力が旺盛なので過剰になりやすい | ほかの雑穀より少なめに施す。前作の肥料が残っているなら無肥料でよい |
| 背が高くなりすぎて刈りにくい | 早くまいたため、出穂までに十分伸びた | わざと種まきを遅らせると、背丈が低いまま出穂する |
| 発芽したが雑草と区別がつかない | ヒエはもともと水田雑草の仲間で、芽が雑草によく似ている | まいた位置に目印を立てておく。間引きまでに1回は除草する |
| 間引きで残す株まで抜けた | 垂直に引き抜いた | 土を押さえて地面に水平に引っ張る |
主な病気と害虫
ヒエの育て方の出典
ここに書いた数値と時期は、次の資料で確かめています。
栄養成分
可食部100gあたり / 穀類/ひえ/精白粒
成分表に生の行が無いため、乾燥・精白した状態の値です。水分が抜けている分だけ濃く出るので、生の野菜の数字とそのまま比べられません。
- エネルギー
- 361kcal
- たんぱく質
- 8.4g
- 脂質
- 3.0g
- 炭水化物
- 77.9g
- 食物繊維総量
- 4.3g
- カリウム
- 240mg
- カルシウム
- 7mg
- 鉄
- 1.6mg
- ビタミンK
- (0)µg
- 葉酸
- 14µg
- ビタミンC
- 0mg
- 食塩相当量
- 0g
「Tr」は微量、「(0)」は推定値としてのゼロ、「-」は未測定を表します。
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省・食品番号 01139)