サツマイモの品種
種子島紫
- 鹿児島県
鹿児島県の種子島で作られてきた、果肉が濃い紫色のサツマイモ。焼酎や色素、加工品の原料に使われる。アントシアニンを多く含み、加熱しても色が残る。そのまま食べる用途を目的に育成されたものではないため、甘みはパープルスイートロードなど食用の紫芋ほど強くない。
たねがしまむらさき
ほかの品種と何が違うのか
焼酎や加工品の原料が本来の用途。そのまま食べる甘さは求められていない。
この品種の要点
- 定植から収穫まで
- 120〜140日
- 産地
- 鹿児島県
この品種が生まれた理由
紫のサツマイモには、そのまま食べる用途のものと、色素や焼酎の原料に使うものがある。種子島紫は後者にあたり、色の濃さと安定性が求められる。焼き芋にして甘くないと感じるのは品質の問題ではなく、そもそも用途が違うことによる。
味と食感
果肉は濃い紫色で、加熱しても色が残る。甘みは食用の紫芋ほど強くない。ペーストや菓子の色付けに使うと持ち味が出る。
種子島紫を育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどサツマイモに共通する基本はサツマイモのページを参照してください。
- つるが伸びて葉が茂ると、いもに養分が回らず「つるぼけ」になる。肥料、特に窒素をやりすぎない。
- 在来種や伝統野菜のため、市販の苗が出回りにくい。産地の直売所や地域の種苗店が主な入手先になる。
収穫適期の見分け方
- 植え付けから120〜140日が目安にあたる。加工用なので大きさより数を穫る。
- 試し掘りで1株だけ確かめる。細ければ埋め戻して2週間ほど待てる。
- 霜に当てると芋が傷んで貯蔵できなくなる。積算温度が足りなくても霜の前に穫る。
保存と食べ方
ペースト、菓子の色付け、焼酎の原料に使われる。13〜16℃の風通しのよい場所に置く。
よくある失敗
- そのまま焼いて食べる目的なら、甘みの強い食用の紫芋を選ぶ。
- 冷蔵庫に入れると低温障害を起こす。13〜16℃の風通しのよい場所に置く。
栽培カレンダー
サツマイモの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月は植え付けの時期ではありません | 2月は植え付けの時期ではありません | 3月は植え付けの時期ではありません | 4月は植え付けの時期ではありません | 5月は植え付けの時期です | 6月は植え付けの時期です | 7月は植え付けの時期ではありません | 8月は植え付けの時期ではありません | 9月は植え付けの時期ではありません | 10月は植え付けの時期ではありません | 11月は植え付けの時期ではありません | 12月は植え付けの時期ではありません |
| 収穫 | 1月は収穫の時期ではありません | 2月は収穫の時期ではありません | 3月は収穫の時期ではありません | 4月は収穫の時期ではありません | 5月は収穫の時期ではありません | 6月は収穫の時期ではありません | 7月は収穫の時期ではありません | 8月は収穫の時期ではありません | 9月は収穫の時期です | 10月は収穫の時期です | 11月は収穫の時期です | 12月は収穫の時期ではありません |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
サツマイモのほかの品種
9品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- おすすめべにはるか農研機構 九州沖縄農業研究センターが「九州121号」と「春こがね」を交配して育成し、2010年に品種登録したサツマイモ。蒸しいもの糖度が高く、甘みが強い。いもの皮色や外観もよく、サツマイモネコブセンチュウに抵抗性を示す。形は中サイズの紡錘形で、皮は赤紫色、果肉は黄白色。きめ細かくしっとりとした舌ざわりになる。基本的にはやや粉質だが、貯蔵すると粘質に変わって糖度も上がる。「甘太くん」「紅優甘」といったブランド名で売られているものも、品種としてはべにはるかにあたる。
- 紅あずまべにあずま九州農業試験場で「関東859」に「コガネセンガン」を交配し、農業研究センター(千葉県四街道市)で選抜・育成された品種。1985年に品種登録された。皮の色は少し紫がかった濃い赤で、果肉は黄色く粉質。繊維質が少なく、蒸したり焼いたりするとホクホクとねっとりの中間の食感になる。甘みがかなり強い。東日本で長く主力を務めてきた。べにはるかよりやや早く掘れる。
- シルクスイート群馬県前橋市のカネコ種苗が育成したサツマイモ。名前のとおり、なめらかでしっとりとした食感と上品な甘さが特徴。収穫は9月下旬から10月だが、掘りたてはやや粉質でホクホク寄りに焼き上がる。貯蔵すると粘質に変わって甘みが増すため、店頭に多く並ぶのは12月ごろ。家庭で穫った場合も、すぐ食べずに13〜16℃で1〜2か月置いてから焼くとよい。
- 安納芋あんのういも鹿児島県鹿児島県の種子島で栽培されてきたサツマイモで、「かごしまの伝統野菜」に登録されている。1998年に、表皮が赤褐色の「安納紅(あんのうくれない)」と、突然変異でできた表皮が淡黄色の「安納こがね」が品種登録された。ほかのサツマイモよりショ糖を多く含み、それが独特の甘さになっている。加熱するとでんぷんが糖に変わり、蜜があふれるような濃厚な甘みが出る。繊維質が少なく、しっとりクリーミーな口当たりで、スイートポテトのようだと評される。
- 鳴門金時なるときんとき徳島県徳島県で育てられるブランドサツマイモ。品種としては「高系14号」の系統にあたり、徳島の砂地で作られ、県の基準を満たしたものが鳴門金時として出荷される。ホクホクした粉質で、皮は鮮やかな紅色。天ぷらや焼き芋、きんとんに向く。
- 紅赤べにあか埼玉県明治31年(1898年)に埼玉県で偶然発見された古い品種。鮮やかな紅色の皮と、きめ細かい粉質の果肉が特徴で、「サツマイモの女王」と呼ばれてきた。形が整いにくく収量も少ないため、栽培する農家が減っている。きんとんや茶巾しぼりのように、色と粉質を活かす和菓子に使われてきた。
- パープルスイートロード果肉が紫色のサツマイモ。農研機構が育成した。紫芋の多くは色素の原料や加工用で甘みが乏しいが、パープルスイートロードは甘みが強く、蒸したり焼いたりしてそのまま食べられる。アントシアニンによる紫色は加熱しても残るので、ペーストにすると色がそのまま使える。
- 紅さつまべにさつま鹿児島県鹿児島県の主力サツマイモ。品種としては「高系14号」の系統にあたる。粉質でホクホクし、焼き芋や天ぷらに向く。皮は紅色、果肉は淡い黄色。西日本のホクホク系サツマイモの代表格で、東日本の紅あずまと対になる位置にある。
- べにまさりしっとりとした粘質のサツマイモ。焼き芋にすると甘みが強く出る。ホクホク系が主流だった時代に、粘質でしっとりした方向へ育成された品種で、いまのねっとり系の流れにつながっている。繊維が少なく口当たりがなめらか。