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家庭菜園読了目安: 6分

サツマイモのつるは冬越しできる? 簡易温室で越させて翌春の苗を採った記録

サツマイモの苗は毎年買うものだと思われがちですが、収穫したときのつるを切って挿しておけば、そのまま冬を越して翌春の苗になります。関西のベランダでべにはるかのつるを無加温の簡易ビニール温室に12月初旬から入れ、春に伸びたつるを水に挿して発根させ、不織布プランターへ植えるまでを、撮影日つきの写真で追います。

Quick summary

この記事でわかること

  • 1. 始まりは、収穫のときに残ったつる
  • 2. 寒くなったら、無加温の簡易温室へ
  • 冬のあいだにやったのは、水やりだけ

Table of contents

目次

  1. 1. 始まりは、収穫のときに残ったつる
  2. 2. 寒くなったら、無加温の簡易温室へ
  3. 冬のあいだにやったのは、水やりだけ
  4. 3. 春、同じ株から一斉に芽が吹く
  5. 4. 切ったつるは、水に挿すと根が出る
  6. 5. 根が出た苗を、プランターへ
  7. 6. おまけ: 冬越しに使った鉢にも、イモができていた
  8. 7. 今年の出来は? 試し掘りの結果
  9. やってみて分かったこと

サツマイモを育てるとき、春にホームセンターで苗を買うところから始める人がほとんどだと思います。10本いくら、という形で売られているあの「つる」です。

ただ、あの苗は 前の年のイモから伸ばしたつるを切ったもの にすぎません。だとすれば、収穫のときに手元にあるつるをそのまま残せば、翌年の苗になるのではないか。実際にやってみたところ、無加温の簡易ビニール温室で冬を越し、翌春に苗が採れました。

収穫したつるを短く切って鉢に挿す → 寒くなったら温室へ入れる → 春に伸びたつるを切って水に挿す → 根が出たら植える

特別な設備も加温もしていません。やったことはこれだけです。順を追って書きます。

  • 品種: べにはるか

  • 場所: 関西(西日本)のベランダ・不織布プランター

  • 温室: 市販の無加温ビニール温室

寒さの当たり方は地域で大きく変わります。ここに書いているのは 関西で、無加温のビニール温室に入れた場合 の結果です。寒冷地で同じようにいくとは限りません。氷点下が続く地域では、室内へ取り込むなど別の手当てが要ります。

1. 始まりは、収穫のときに残ったつる

不織布プランターで穫れたサツマイモ
不織布プランターで穫れたサツマイモ

前の年の10月上旬、関西のベランダで、不織布プランターの べにはるか を収穫しました。このとき、掘り上げると大量のつるが出ます。ふつうは残渣として片づけてしまうところですが、ここから数本を取り分けました。

やったことは単純で、つるを短く切って、小さな鉢に挿しておいただけ です。挿し木と同じ要領で、節が土に触れるようにします。サツマイモのつるは節から根を出す性質が強いので、この時期ならそのまま根づきます。

2. 寒くなったら、無加温の簡易温室へ

サツマイモは熱帯原産で、寒さには強くありません。イモの貯蔵でも 13℃前後が適温で、10℃を下回ると低温障害を受ける とされています。つるも同じで、屋外に置いたままでは霜で枯れます。

そこで 12月初旬 に、鉢ごとベランダの簡易ビニール温室へ入れました。市販の、棚にビニールカバーをかけるだけのものです。加温はしていません。関西では、このころから朝の冷え込みがはっきりしてきます。

2月の簡易温室の中で冬を越しているサツマイモのつる
2月の簡易温室の中で冬を越しているサツマイモのつる

これが 2月上旬 の状態です。葉は黄色く変色し、縁から茶色く枯れ込んでいます。見た目はかなり傷んでいますが、株としては生きています。写真の中央、株元から出ている葉はまだ緑色で、成長点が止まっていません。

冬のあいだにやったのは、水やりだけ

温室の中には雨が入りません。そのため、土が乾いたら水をやる という管理だけは続けました。放っておくと鉢の中が完全に干上がります。逆に言えば、冬にやったのはこれだけです。

  • 温室へ入れた時期: 12月初旬

  • 加温: なし

  • 日当たり: ビニール越しの自然光のみ

  • 水やり: 土が乾いたらやる

  • 肥料: なし

3. 春、同じ株から一斉に芽が吹く

冬を越したサツマイモの鉢が春に再生した様子
冬を越したサツマイモの鉢が春に再生した様子

4月中旬の同じ鉢です。2月の写真と同じ株とは思えないほど葉が出ています。暖かくなると、傷んだ葉を落としながら株元から新しいつるが一気に伸びてきます。

ここまで来れば、あとは 伸びたつるを切って苗にするだけ です。買ってきた苗と、やることは変わりません。

4. 切ったつるは、水に挿すと根が出る

水に挿したサツマイモのつるから白い根が出ている
水に挿したサツマイモのつるから白い根が出ている

伸びたつるを切り、水を張った容器へ挿します。写真は5月下旬のもので、節から白い根がはっきり出ています。

ただし、発根させてから植えなければいけないわけではありません。サツマイモは畑作物のなかでも最も乾燥に強い部類で、土へ直接挿しても根づきます。挿したあとに葉がしおれて枯れたように見えても、雨が降るか土に少しでも湿り気があれば戻ってきます。

今回水に挿したのは、時間に余裕があったのと、植えたあとすぐ根付くようにしておきたかったから です。発根を目で確かめてから植えられるぶん、安心ではあります。

5. 根が出た苗を、プランターへ

発根したサツマイモの苗を不織布プランターへ植え付ける
発根したサツマイモの苗を不織布プランターへ植え付ける

根が出た苗を、不織布プランターへ植えます。写真の2本を見比べると、右の苗は根が白く密に出ているのに対し、左はまだ数本です。同じ日に挿しても差が出るので、根の量を見てから植える順番を決められる のも水挿しの利点でした。

なお、前の年は 1つのプランターに1本 だけ植えていましたが、この年は 1つに複数本 挿しました。苗を買うと本数に限りがありますが、自分で採ると本数を気にせず使えるためです。つるは伸びるそばから切って挿せるので、6月に入ってからも追加で増やしていけます。

夏に茂ったサツマイモのプランター
夏に茂ったサツマイモのプランター

7月下旬の状態です。買った苗から育てたときと、見た目の勢いに差は感じませんでした。

6. おまけ: 冬越しに使った鉢にも、イモができていた

冬越し用の鉢から出てきた小さなサツマイモ
冬越し用の鉢から出てきた小さなサツマイモ

6月、苗を採り終えた冬越し用の鉢を片づけようとしたところ、小さなイモがいくつも付いていました。つるを挿しただけの鉢なので期待していませんでしたが、秋から春にかけて、ゆっくりイモを作っていたことになります。

食べられる大きさではありませんでしたが、「つるを挿しておけば、鉢の中では普通にサツマイモとして育っている」ことがよく分かりました。

7. 今年の出来は? 試し掘りの結果

いちばん知りたいのは「それで、イモはできたのか」だと思います。10月中旬に試し掘りをしたところ、イモはしっかり付いていました。冬を越したつるから採った苗でも、買った苗と同じようにイモになります。

ただ、この時点ではまだ少し小ぶり でした。そのため本収穫はもう少し先に延ばしています。穫れ高が出たら、この記事に追記します。

※ 本収穫の結果は、収穫後にこの記事へ追記します(2026年10月時点)。

やってみて分かったこと

  • つるは越冬できる。 関西では、無加温の簡易ビニール温室に12月初旬から入れて2月を越えられた。葉は傷むが成長点は残る。

  • 冬の管理は水やりだけ。 温室内は雨が入らないので、土が乾いたらやる。これを忘れると干上がる。

  • 苗の本数を気にしなくてよくなる。 買うと10本単位だが、自分で採ると伸びたぶんだけ挿せる。

  • イモはちゃんとできる。 10月中旬の試し掘りでイモが付いていることを確認した。本収穫の量は追記予定。

  • 水挿しは必須ではない。 サツマイモは乾燥に強く、直接挿しても根づく。水に挿したのは、すぐ根付かせたかったのと時間に余裕があったから。

一方で、これは苗を買う方法を置き換えるものではありません。市販の苗にはウイルスを持たないよう育てられたもの(ウイルスフリー苗)があり、病気のリスクという点では買うほうが確実です。自分で継いでいくと、親株が病気を持っていればそのまま引き継ぎます。

それでも、収穫のときに捨てるつるを数本残しておくだけで試せます。失敗しても失うものがないので、サツマイモを作っている方は一度やってみる価値があると思います。

植え付けの適期や株間、つる返しといった基本の作り方は サツマイモのページ に、収穫時期の見極めは 積算温度収穫チェッカー にまとめています。

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