ほかの品種と何が違うのか
「べか」はのり採り舟のべか舟から。小さい形をいう言葉にあたる。
この品種の要点
- 産地
- 東京都 / 江戸川区
この品種が生まれた理由
明治の初めに中国の山東省から山東菜が入ってきた。江戸川では大型の山東菜を作っていたが、そのなかで若いうちに穫ったものを「べか菜」と呼んだ。べかとは、のり採りに使うべか舟のことで、長さ3.6m・幅84cmほどの薄板で作られた小さな舟にあたる。小さい形を指す言葉として名に付いた。のちに、小松菜で知られる後関種苗店が、量が穫れて商品価値の高い切葉山東を目指して半結球系「切葉山東」の集団淘汰を続け、1958年から分系選抜を進めて固め、1963年に「ごせきべか菜」として発表した。農林省の種苗名称登録品種にあたる。
味と食感
若採りなので葉がやわらかい。おひたし、汁の実、浅漬けに向く。
東京べか菜を育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどハクサイに共通する基本はハクサイのページを参照してください。
- 山東菜を若いうちに穫るもの。大きく育てると別のものになる。
- 結球しないので、巻くのを待たない。
- アブラナ科なので、まいたらすぐ防虫ネットをかける。
プランター・家庭菜園で育てる
- 若採りなので、標準的な深さのプランターで作れる。
- 間引きながら育て、やわらかいうちに穫る。
収穫適期の見分け方
- 若いうちに穫る。大きくすると葉が硬くなる。
- 株ごと抜いて穫る。
保存と食べ方
やわらかいので傷みやすい。濡れた新聞紙に包んで立てて冷蔵する。
よくある失敗
- 大きく育ててしまうと山東菜になり、べか菜の持ち味が出ない。
- 若採りなので日持ちしない。穫ったら早めに使う。
地域別の作型
ハクサイの一般的な作型を表示しています。 暖地と寒冷地では作業の時期が1〜2か月ずれます。 品種によってさらに前後するので、正確な時期は種袋の作型図を確かめてください。
寒冷地東北・北海道・高冷地
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| 夏〜秋まき | ||||||||||||
| 春まき |
一般地関東〜近畿の平野部。種袋では中間地と書かれる
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| 夏〜秋まき | ||||||||||||
| 春まき |
暖地九州・四国・南関東の平野部
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| 夏〜秋まき | ||||||||||||
| 春まき |
品種によってさらに前後します。正確な時期は種袋の作型図をご確認ください。
出典: ハクサイの育て方・栽培方法(失敗しない栽培レッスン)(サカタのタネ 園芸通信)
栽培カレンダー
ハクサイの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり | なし | なし | なし |
| 植え付け | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり | なし | なし |
| 収穫 | あり | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
このページの出典
- 東京べか菜 江戸東京野菜についてJA東京中央会
ハクサイのほかの品種
12品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- おすすめ無双むそうタキイ種苗のハクサイ。栽培適応性にすぐれ、春作・秋作の両方ができる早生種。土質を選ばず環境適応性にすぐれた作りやすい品種で、病気に強く生育は旺盛。生理障害の発生が少ない。適期栽培では2.5kg程度に太る。球頭は包被し、玉は胴張りのよい円筒形になる。食味もよい。
- 下山千歳白菜しもやまちとせはくさい東京都世田谷区北烏山の下山義雄が育てた大型の白菜。昭和20年代、白菜の産地がウイルス病で壊滅的な被害を受けるなかで、病気に負けずに残った株から選ばれた。
- シントリ菜しんとりな東京都結球しないツケナで、「ちりめん白菜」とも呼ばれる。葉全体がやわらかく、火を通しても歯ざわりが残る。中華の炒めものやスープには、芯のやわらかいところを使った。
- 青茎三河島菜あおくきみかわしまな東京都江戸の代表的な漬け菜。荒川区尾久のあたりにあった三河島で作られ、江戸の食を支えた。白菜が広まるとともに市場での扱いが減り、いったんは生産が途絶えた。
- 紫奏子むらさきそうしナント種苗が育成した紫色のハクサイ。サラダ用として作られており、油炒めや漬物にしても色鮮やかさで存在感が出る。球重は1〜1.5kgで、70日タイプの中生種にあたる。
- オレンジクイン内側の葉がオレンジ色に近い濃い黄色になるハクサイ。カロテンを含むため色がつく。黄芯系よりさらに色が濃く、切ったときの断面が鮮やかになる。甘みが強く葉肉がやわらかいので、生のままサラダにもできる。秋冬どりの品種にあたる。
- 黄芯白菜きしんはくさい内側の葉が濃い黄色になるハクサイの総称で、特定の品種名ではない。複数の種苗会社がそれぞれの品種名で出している。従来の白いハクサイに比べて甘みが強く、葉肉がやわらかいので、生でサラダにもできる。切ったときの断面が黄色く映えるため、鍋や漬物でも見た目がよい。
- タイニーシュシュサカタのタネのミニハクサイ。栽植密度を調節することで、播種後45日の球重200g程度(結球始め)から、播種後65日の球重1.2kg程度のミニハクサイサイズまで、さまざまな大きさで収穫できる。葉に毛茸(もうじ)がなく、葉肉が厚くて肉質はやわらかい。食味がよく、浅漬けや鍋物のほか、サラダやサンドイッチなど生食もできる。耐暑性・耐雨性が非常にすぐれ、石灰欠乏症などの生理障害に強い。
- 山東菜さんとうさい東京都江戸東京野菜結球しない半結球型のハクサイ。玉を巻かず、葉が開いたまま育つ。江戸東京野菜に認定されており、関東では正月の雑煮や漬物に使われてきた。結球を待たないぶん栽培期間が短く、まき時の幅も広い。
- 仙台白菜せんだいはくさい宮城県日本の結球ハクサイの礎になった系統。ハクサイはアブラナ科の他の野菜と交雑しやすく、純粋な種を採るのが難しい。明治末に宮城県の松島湾に浮かぶ島で採種したところ、周囲を海に囲まれた隔離環境のおかげで交雑が起きず、純度の高い種が採れた。ここから全国に広まったことで、日本でハクサイが作れるようになった。
- 黄ごころきごころ内葉が濃い黄色になる黄芯系のハクサイ。「黄ごころ」は単独の品種名というより、作型に合わせて番号を付けた品種が並ぶシリーズ名として使われている。玉が締まり、貯蔵性がある中生種。甘みが強く、鍋物や漬物に向く。種を買うときは、まき時に合った番号の品種を選ぶ。
- 紫白菜むらさきはくさい内側の葉が紫色になるハクサイの総称で、特定の品種名ではない。アントシアニンによる色で、生のまま切るとサラダで色が映える。加熱すると色が煮汁に溶け出して抜けてしまうため、鍋や煮物には向かない。酢を加えると鮮やかな赤紫に変わる。