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スイカの品種

ピノ・ガール

  • 小玉

奈良県のナント種苗が育成し、2020年から商業出荷が始まったマイクロシードタイプの小玉スイカ。最大の特徴は種の小ささで、従来品種のおよそ4分の1しかない。かじっても歯に当たりにくく、種を出しながら食べる手間がいらない。果重は1.6〜2.2kgと、一般的な小玉スイカよりさらにひとまわり小さく、家庭で食べきりやすい。果肉は濃桃色でかたく締まり、シャリ感が強い。糖度も乗りやすいうえ、皮ぎわまで甘さが届く。着果性がよく草勢も落ちにくいため、小玉スイカのなかでは作りやすい部類に入る。

ほかの品種と何が違うのか

種が普通のスイカの約4分の1しかなく、取り出さずにそのまま食べられる。

この品種の要点

開花から収穫まで
35〜38日
大きさ
小玉
果重
1.6〜2.2kg
糖度
13〜15度
育成元
ナント種苗(2020年〜)

この品種が生まれた理由

スイカの作付面積は、この30年でかつての3〜4分の1まで減ったとされる。理由のひとつが「種を出すのが面倒」という食べる側の負担だった。ナント種苗はここに狙いを定め、16年をかけて種の小さい系統を選抜し続けた。そうして生まれたのが、種が通常の約4分の1しかないピノ・ガールである。種はチョコチップのような質感で、噛んでもやわらかい。切って種を取り分ける作業がいらないぶん、子どもが自分で食べられるし、カットして持ち歩くのも楽になる。味の良さと同じくらい、食べる手間の少なさで選ばれている品種といえる。正式な商品名は「マイクロシード®こだま西瓜ピノ・ガール」で、マイクロシードはナント種苗の登録商標。

味と食感

果肉は濃桃色で、やや硬めのしっかりした肉質。かじったときのシャリ感が強く、それが長く続く。日持ちのよさは市場でも評価されていて、収穫からひと月以上たってもシャリ感が残っていたという報告がある。糖度は13〜15度程度に乗り、条件がよければそれ以上になる。小玉スイカは中心だけ甘く皮ぎわが水っぽくなりやすいが、この品種は皮ぎわまで甘さが届くため、小さいわりに食べられる範囲が広い。そして種。普通のスイカの約4分の1しかないので、口に残らず、そのまま飲み込んでも気にならない。切り分けて種を取る手間がいらないぶん、食卓に出すハードルが下がる。

ピノ・ガールを育てるときのコツ

この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどスイカに共通する基本はスイカのページを参照してください。

  • 子づるの本数がそのまま収穫数の上限になる。3本整枝なら3果、4本なら4果が目安。
  • 草勢が強い品種なので、着果数が足りないと株の勢いが余り、後半に空洞果が出やすくなる。畑では「全ツル着果」が基本になる。
  • 着果は20節前後の雌花を目標にする。低い節位に無理につけると玉が小さくなる。
  • 交配は気温15℃以下だと受粉能力が落ちる。低温期は日が高くなってから人工授粉する。
  • 雄花の花粉が多く雌花も大きいため、人工授粉の作業自体はしやすい。
  • 交配した日、または直径4cmほどになった日に着果標識を必ず立てる。この品種は日数管理が収穫判断の軸になる。
  • 交配から2週間ほどで玉敷きをして、地面に接する面が傷まないようにする。
  • 交配後も草勢が落ちにくいので、着果させたあとに株が急に弱る心配は小さい。
  • 自根苗は発芽率が落ちやすく、生育も遅れがち。着果数にも差が出るため、家庭菜園では接ぎ木苗を選ぶほうが確実。
  • 窒素が多いとつるボケになり、葉ばかり茂って実がつかない。元肥を効かせすぎない。
  • 実が大きくなってからは水を控えめにする。土が湿り続けていると糖度が乗りにくい。

プランター・家庭菜園で育てる

  • 直径30cm・深さ30cm以上の深型プランター、または10号以上の鉢を使う。1容器に1株。
  • 植え付けは霜の心配がなくなる5月上旬〜中旬から。地温が上がらないうちに植えると根が動かない。
  • 親づるは本葉5〜6枚で摘心し、勢いのよい子づるを2〜3本残す。
  • 90〜120cmの支柱をあんどん状に立て、20〜30cm間隔でひもを張ってつるを誘引する。
  • 人工授粉は2番目以降に咲いた10〜15節あたりの雌花に、朝8〜9時ごろ行う。
  • つる1本に1果、1株で2果が家庭菜園での目安。畑の全ツル着果より数を絞る。
  • 果実がソフトボール大になったら収穫用ネットに入れ、ひもで支柱に吊って支える。
  • 実がピンポン玉ほどになったら化成肥料10gを株元を避けてまき、2〜3週間後にもう一度追肥する。
  • 収穫の10日前からは水やりを減らし、乾燥気味に管理すると甘くなる。

収穫適期の見分け方

  • 開花(人工授粉)から35〜38日が基本の目安。着果標識の日付から数える。
  • プランター栽培では人工授粉からおよそ35日、植え付けからは90日前後が全体の目安になる。
  • 着果標識ごとに日付がずれるので、株単位ではなく実ごとに判断する。
  • 同じ日に交配した実が複数あるなら、1つ試し切りして残りの収穫日を決めると外しにくい。
  • 日持ちがよくシャリ感が落ちにくい品種なので、見た目や叩いた音だけでは食べ頃を過ぎたか判断しづらい。日数を主にする。

判断材料をもう1つ増やしたい場合は、受粉日からの積算温度も使えます。 この品種の目安は 800〜880℃日です。

積算温度収穫チェッカーで計算する

保存と食べ方

丸のままなら風通しのよい冷暗所で保存し、食べる2〜3時間前に冷やすと甘みを感じやすい。冷やしすぎると甘さが鈍る。切ったあとはラップをして冷蔵し、早めに食べきる。皮が薄いぶん果肉の比率が高く、1玉で食べられる量は見た目より多い。半分に切ってスプーンで食べる、皮ぎわまで角切りにする、といった食べ方がこの品種の作りと合う。

よくある失敗

  • 着果数が足りないまま草勢が余ると、後半の実に空洞果が出る。数を絞りすぎない。
  • 着果標識を立て忘れると収穫日が分からなくなる。この品種は日数管理が要になる。
  • 低温期の交配は失敗しやすい。15℃を下回る時間帯の人工授粉は避ける。
  • 窒素が多いとつるボケして、つると葉ばかりが茂り実がつかない。
  • 皮が薄いぶん裂果しやすい。収穫期に急な大雨が来ると割れることがある。
  • 梅雨明け後は地面やコンクリートからの照り返しで葉が焼けることがある。株元の乾燥と高温に注意する。
  • 自根苗で育てると生育が遅れ、着果数も伸びにくい。

地域別の作型

スイカの一般的な作型を表示しています。 暖地と寒冷地では作業の時期が1〜2か月ずれます。 品種によってさらに前後するので、正確な時期は種袋の作型図を確かめてください。

寒冷地東北・北海道・高冷地

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作型

一般地関東〜近畿の平野部。種袋では中間地と書かれる

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作型

暖地九州・四国・南関東の平野部

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作型
タネまき植え付け収穫

品種によってさらに前後します。正確な時期は種袋の作型図をご確認ください。
出典: スイカの育て方・栽培方法(失敗しない栽培レッスン)(サカタのタネ 園芸通信)

栽培カレンダー

スイカの一般的な時期を表示しています。

月ごとのタネまき・植え付け・収穫の時期(露地栽培の目安)
作業123456789101112
タネまき
1月はタネまきの時期ではありません
2月はタネまきの時期ではありません
3月はタネまきの時期です
4月はタネまきの時期です
5月はタネまきの時期です
6月はタネまきの時期ではありません
7月はタネまきの時期ではありません
8月はタネまきの時期ではありません
9月はタネまきの時期ではありません
10月はタネまきの時期ではありません
11月はタネまきの時期ではありません
12月はタネまきの時期ではありません
植え付け
1月は植え付けの時期ではありません
2月は植え付けの時期ではありません
3月は植え付けの時期ではありません
4月は植え付けの時期です
5月は植え付けの時期です
6月は植え付けの時期です
7月は植え付けの時期ではありません
8月は植え付けの時期ではありません
9月は植え付けの時期ではありません
10月は植え付けの時期ではありません
11月は植え付けの時期ではありません
12月は植え付けの時期ではありません
収穫
1月は収穫の時期ではありません
2月は収穫の時期ではありません
3月は収穫の時期ではありません
4月は収穫の時期ではありません
5月は収穫の時期ではありません
6月は収穫の時期ではありません
7月は収穫の時期です
8月は収穫の時期です
9月は収穫の時期ではありません
10月は収穫の時期ではありません
11月は収穫の時期ではありません
12月は収穫の時期ではありません

カレンダーの読み方

  • タネまき
  • 植え付け
  • 収穫
  • その時期ではない

露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。

公式情報・入手先

取り扱いや価格は各社のページで確認してください。 やさい暦は種苗の販売を行っていません。

スイカのほかの品種

28品種。果実の大きさや産地で見比べられます。