ダイズの品種
鑾野大豆
- 東京都
- 檜原村
檜原村湯久保で60年以上作られてきた自家用のダイズ。もとは1960年ごろ、口減らしで元八王子の農家へ奉公に出ていた17歳の高橋政秋さんが、正月の里帰りに一握り持ち帰ったタネから始まった。奉公先ではダイズから食用油を搾っていて、倉庫に大量のダイズがあった。
すずのだいず
ほかの品種と何が違うのか
一握りのタネから始まり、60年以上1つの集落で作り継がれてきた。
この品種の要点
- 産地
- 東京都 / 檜原村
この品種が生まれた理由
戦後15年ごろ、檜原村湯久保の高橋政秋さんは口減らしのため、17歳で元八王子の農家へ奉公に出された。その家ではダイズから食用油を搾っていて、倉庫にダイズが山と積まれていた。正月に里帰りするとき、一握りを持ち帰って母親に渡した。その母親(姑)が10年ほど作り、嫁のハツヱさんが引き継いでからは湯久保の集落に広まった。以来60年以上、この集落で作られ続けている。鑾野大豆の名は高橋ハツエさんの登録商標にあたる。
味と食感
自家用として選ばれ続けてきた在来のダイズ。煮豆や味噌など、家で使う形に合わせて残ってきた。
鑾野大豆を育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどダイズに共通する基本はダイズのページを参照してください。
- 1つの集落で自家用に継がれてきた豆にあたる。タネは地域の外には出回らない。
- ダイズは春から初夏にまいて秋に穫る。山あいでは平地より遅くなる。
- 肥料をやりすぎると茎葉ばかり茂る。もともとやせた土で作られてきた。
収穫適期の見分け方
- さやが枯れて、振るとかさかさ鳴るようになったら刈る。
- 枝豆として食べるなら、さやがふくらんだ時期に穫る。
- 刈ったら束ねて干し、乾いてから脱穀する。
保存と食べ方
さやが枯れてから収穫し、よく乾かして粒で貯える。湿ると虫が付くので、乾いた涼しい場所に置く。タネを継ぐなら、翌年まくぶんを別にしておく。
よくある失敗
- 登録商標が付いた名前なので、別の豆をこの名で呼ばない。
- 作られている範囲が湯久保に限られる。手に入れるには地域をたどるしかない。
栽培カレンダー
ダイズの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | なし | なし | なし | なし | あり | あり | あり | なし | なし | なし | なし | なし |
| 収穫 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり | なし |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
このページの出典
- 鑾野(すずの)大豆 江戸東京野菜についてJA東京中央会
ダイズのほかの品種
7品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- エンレイ長野県長野県中信農業試験場が育成した大豆。粒は丸くて大きく、種皮は黄色。タンパク質含有率が高く豆腐に向くほか、味噌の加工にも使える。熟期は中早生で、一般地では10月上旬に穫れる。北陸を中心に、南東北から中国地方まで広く作られている。
- サチユタカ農研機構九州沖縄農業研究センターが「フクユタカ」を母、「エンレイ」を父として交配した雑種第2代に、再びエンレイを交配して育成した。2003年8月19日に命名登録された(登録番号11367)。熟期は中の晩で、粗タンパク質含量が高く豆腐加工適性にすぐれる。
- ユキホマレ北海道北海道立総合研究機構十勝農業試験場が育成した大豆で、だいず農林118号にあたる。2004年11月8日に品種登録された(登録番号12279)。北海道の優良品種に選ばれている。田植え後の6月上旬にまいても減収しない早生種にあたる。
- 丹波黒大粒大豆たんばぐろおおつぶだいず兵庫県丹波地域で作られてきた黒大豆の在来種系統。百粒重が80〜90g程度と、一般的な黒大豆の約30gに比べて際立って大きい。花が咲いてから成熟するまでが普通の大豆のおよそ1.5倍かかり、そのぶん養分をためて大粒になる。
- 津久井在来大豆つくいざいらいだいず神奈川県神奈川県相模原市の津久井地域で古くから作られてきた在来大豆。粒が大きく甘みが強い。豆腐や味噌にすると風味が濃く出る。一度は栽培がほとんど途絶えたが、地域の取り組みで復活した。固定種なので自分で種を採れる。
- なかせんなり作付けの多い中生の大豆。豆腐や煮豆に広く使われる。大豆は完熟させて乾燥豆にするのが基本だが、若いうちに穫れば枝豆としても食べられる。同じ植物の別の段階を食べていることになる。
- フクユタカ福岡県西日本でもっとも多く作られている大豆。たんぱく質が多いので豆腐に向く。豆腐は大豆のたんぱく質が固まってできるため、たんぱく質含量の高い品種ほど歩どまりがよく、しっかりした豆腐になる。