ほかの品種と何が違うのか
幕府への上納品として作られた瓜。専門の農夫が美濃から毎年呼ばれていた。
この品種の要点
- 産地
- 東京都
この品種が生まれた理由
徳川氏の入国後、幕府への上納として、多摩川の鮎、小金井の御用粟などとならんで、葛飾郡隅田村・府中・柏木での真桑瓜の栽培と上納が課せられた。文政の『江戸町方書上』には「当所名産鳴子瓜の儀は、元和年中の頃、専ら作り上納致し候」とあり、毎年どの畑で作るかを反別と持ち主の名前まで書き上げていた。府中では、美濃国の上真桑村の庄左衛門と下真桑村の久右衛門という2人が栽培の技術を買われて御用農夫として呼ばれ、毎年2月の初めごろに美濃から府中へ来て御用瓜を作り、上納が済む8月の末には美濃へ帰っていった。美濃と府中のあいだを、半年ごとに往復していたことになる。
味と食感
真桑瓜らしい上品な甘さ。上納品として作られただけに、品質が重んじられた。
鳴子ウリを育てるときのコツ
この品種だから変わる点だけを挙げています。土づくりや水やりなどマクワウリに共通する基本はマクワウリのページを参照してください。
- 真桑瓜にあたる。つるを這わせる面積を確保する。
- 上納用に品質をそろえる作り方をしていた品種なので、玉数を欲張らない。
プランター・家庭菜園で育てる
- 上納用に玉をそろえた瓜にあたる。容器では株の力が足りず、玉がそろわない。
- どうしても容器で作るなら、1株1容器にして着果を2〜3個に絞る。
収穫適期の見分け方
- 香りが立ち、へたの周りが少しへこんできたら穫りどき。
- 8月末には上納が済んでいた。夏のうちに穫りきる作型にあたる。
保存と食べ方
上納する日に合わせて穫っていた瓜にあたる。日持ちを当てにせず、食べる日に合わせて穫る。
よくある失敗
- 穫ってから追熟しない。畑で熟させる。
- 在来種なので種の出回りが限られる。
栽培カレンダー
マクワウリの一般的な時期を表示しています。
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タネまき | なし | なし | なし | あり | あり | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
| 植え付け | なし | なし | なし | なし | あり | あり | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
| 収穫 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり | なし | なし | なし | なし |
カレンダーの読み方
- タネまき
- 植え付け
- 収穫
- その時期ではない
露地栽培(屋外の畑・プランター)を想定した目安です。ハウスやトンネルを使うと時期は前後します。同じ露地でも北海道と沖縄では1〜2か月ずれるため、 旬のおおよその位置をつかむものとしてご覧ください。
このページの出典
- 鳴子ウリ・府中御用ウリ 江戸東京野菜についてJA東京中央会
マクワウリのほかの品種
4品種。果実の大きさや産地で見比べられます。
- 本田ウリほんでんうり東京都緑の果皮に縞が入る「銀まくわ」の代表格。大ぶりで甘みは少ないが、日持ちがよいことからよく売れた。
- 小金井マクワこがねいまくわ東京都小金井市の農家で採種されてきたマクワウリ。府中で始まった御用瓜づくりの流れを汲む。
- 金甜瓜きんまくわ黄色い皮に白い果肉のマクワウリ。マクワウリの代表格で、香りが強い。メロンが広まる前、日本で「うり」といえばこの系統を指した。プリンスメロンはマクワウリの「ニューメロン」とシャランテメロンを掛け合わせたもので、マクワウリはその片親にあたる。
- 銀泉まくわぎんせんまくわ淡い緑白色の皮を持つマクワウリ。金甜瓜より色が淡く、さっぱりとした甘さになる。果肉は白く、シャキッとした歯ざわりが残る。マクワウリはメロンと同じ仲間だが、ネットが入らず、とろける食感にはならない。